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ドコモの経営戦略② - Googleがスマホを発売

随分前に投稿しつつ記憶の彼方に行っていたシリーズの後編です。

理経済:ドコモの経営戦略① - アップルのシェア

あれから携帯市場は小康状態で、大きく変化しているとは言い難い状態ですが、ここに来て一石が投じられる様です。
OSとしては世界を席巻しているものの端末の発売をしていなかったグーグルが、満を持してスマホを発売するそうです。

グーグルは10月4日、米サンフランシスコでプレスイベントを開催し、グーグルブランドのスマートフォン「Pixel」を発表した。…(中略)…15分で7時間の使用時間を確保する急速充電機能を備える。…(中略)…iPhoneからの乗り換えを促す機能として、LightningケーブルでiPhoneとGoogle Pixelを直接接続して電話帳や写真のデータを転送する機能を備えた
>>グーグルの新スマホブランド「Pixel」が変えるモバイルの行き先

Pixel

engadget:Googleの新スマホPixel、日本発売は『現時点では未定』。なお製品ページは日本語化済み
WSJ:グーグル「ピクセル」の第一印象

日本語版の発売予定は今のところ未定だそうですが、日本語化対応を既に済ませているそうです。
本国での販売状況を見て、早晩投入してくるでしょうな。
iPhoneからデータ転送も出来るそうで、シェアを奪う気満々ですね。

個人的に、カラーに青があるのが良いです。
私は(MTGの流れで)青色が好きなのですが、不思議な事にiPhoneには青系がなく、残念に思っていました。
原色なので、似たのがあっても良さそうなのですが。
そういえば緑とかもありませんね。

15分で充電というのもうれしい仕様です。
空港などで充電する事もある為、短時間で充電できるのはありがたいですね。
その他の部分はどうなのでしょう。

さて、日本版が出るかは公式によるとまだ未定ですが、状況から考えてまず間違いなく、Googleは販売に踏み出すでしょう。
日本での発売を前提として、問題はどこがキャリアになるのかという事と、ドコモの動向です。

ご存知の通り、ドコモはiPhoneの導入を頑なに拒み、ソフトバンクとauに比べ、大きく遅れての導入となりました。
ここ数年、ドコモからユーザーが流出していましたが、これが一つの原因になっていと言われています。

キャリア別前年比契約純増数の推移

携帯電話番号検索:直近の携帯キャリア3社のシェア動向
電気通信事業者協会:事業者別契約数

ではなぜドコモはiPhoneの導入を嫌がっていたのでしょうか
巷では、アップル側の販売ノルマがきつかったからなどと言われていますが、ドコモの偉い人に話を聞く機会があったのですが、どうもそこが問題ではない様です。

曰く、iPhoneの場合、iTunesによりアプリの収入に対する課金や、その他の課金部分をアップルに握られてしまっているからなのだとか。
現在「アップル税」と称されている収益部分について、ドコモとしてはdマーケット等を通じて自社の収益に取り込みたかったわけです。
一部の報道でもその辺りについて触れていますね。

ZD Net:NTTドコモがiPhoneを展開しない3つの理由

その為iPhone導入には二の足を踏み、一方でそれが可能だったAndroidスマホを押しまくっていた訳です。

以前にも触れたとおり、アップルにとってコンテンツ市場の支配は重要な要素であり妥協は許されませんから、ドコモはアップルから見て競合会社となります。
携帯市場だけ見ていると、iPhoneの導入騒動はソフトバンクとドコモの対立の様に見えますが、実際はアップル対ドコモの構図になっていたわけです。

理経済:胴元は儲かる③ - アップル社の場合

考えてみれば、ソフトバンクがこなせる様な販売ノルマをドコモがこなせないとも思えませんし、国策企業だから出来ないというのも、かなり疑問です。

また、戦略的に考えても、ソフトバンクがiPhoneに注力していたのは明らかですから、営業妨害の如く、ドコモが早々にiPhoneを導入する事に意味があったはずです。
それなのに導入しなかったのは、アップルが競合相手だったからというわけです。

さて、話題を新スマホのPixelの導入についての話題に戻します。
上記の通り、ドコモからすればコンテンツに関し、iTunesの様に権利ガチガチな契約でなければ扱いやすく、戦略上も合致しやすいと言えます。

グーグルの今までのパターンから見て、恐らく今のgoogle playと同じものになるでしょうから、ドコモについては願ったりです。
結論として、Pixelについてドコモが積極的に導入を行い、iPhoneからの機種変更を促すのではないかと考えます。

個人的に、iPhoneからの乗換えが簡単なのであればPixelに乗換えたいですね。
この件に関しては、特にドコモの動向に注目です。

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Audiがメタン製造工場を稼動 - 水とCO2からメタン生成

Audiが、前から話があったメタンの製造工場を稼動させたそうです。
ここではCO2を回収し、水と反応させる事でメタンを作るのだとか。

ドイツのAudi社とViessmannグループは2016年2月29日、水とCO2から合成メタンガス燃料をつくる試験工場を、ドイツ・ヘッセン州のAllendorfに開設したと発表した
>>Audi社、水とCO2からメタンガス燃料をつくる工場を稼働

Audi A3 Sportback G-tron Audi A3 Sportback G-tron2

clicccar.com:アウディ 水からメタンを生成しCO2排出を防ぐプランで多様化

メタンから水とCO2ができるのは知っていましたが、恥ずかしながら、逆ができる事は知りませんでした。
リチウムカリウムを中継すると生成が可能だそうです。

メタンの生成

広島大学:二酸化炭素からのメタンガス合成 PDF

しかし、この資料にもある通り、リチウム等を中継するやり方だと、副産物とし酸化リチウムとかが出来てしまいます。
この辺りはどうするつもりなのでしょうか?

とは言え、この手法を使えばCO2を回収しつつメタンガスが合成できます
メタンを燃料とする燃料電池についても話が出ていますから、組み合わせる事で高エネルギー効率が実現できそうです。

理経済:九州大学が高効率な燃料電池を設計

実物の電池開発とメタンガスのコラボが楽しみですな。

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アマゾンのドラえもんBOX - 廃れないフリーミアム

アマゾンがドラえもんとコラボした様です。
通常のダンボールに紛れ、稀にドラえもんの漫画が描かれた「ドラえもんBOX」が送られて来るそうです。

いつものダンボールが、ランダムでドラえもん仕様の箱でお届けされちゃうのだ! 実物を受け取ったところ、何これ素敵!! 最高に可愛いダンボールなのである!…(中略)…この箱は「ドラえもんラッキーBOX」と銘打たれている。Amazonで買い物をした人のなかから、ランダムに送られているようだ。2016年2月23日頃からTwitterで「届いた」という報告があり、最近始まったサプライズであるもよう。
>>Amazonで買い物したら『ドラえもんBOX』で届いた! ドラえもんだらけの箱で荷物が届いたよ!! めちゃめちゃ可愛いぞ~っ!

ドラえもんラッキーBOX1 ドラえもんラッキーBOX2

私も結構アマゾンで買い物をしている筈なのですが、全然来ませんね。
少し羨ましいです。

こういったものを見ていると、アマゾンは本当に話題作りがうまいなと感じます。
商品やサービスの拡張もさる事ながら、口コミによる自社宣伝をしてもらえる様なネタ提供が頻繁に、しかも巧妙に仕掛けていると思います。
全員に送らないのも巧妙で、費用とかではなく狙ってやったのでしょう。

以前も、自動車(本物)ダンボールで運んだ事から、ツイッター等で話題になりました。
あの会社はいつでも規格外ですな。
そういう文化が根付いているのでしょう。

理経済:アマゾンでBMWの新車が買えるらしい - 商社化するアマゾン

さて、一見するとこれらはただの話題づくりにも見えますが、経営的にも広告宣伝費の面でかなり有利に働くでしょう。
薄利多売の上に配送料もとられる為、彼らのお財布はいつでもカツカツ。
広告宣伝費を少しでも浮かそうと考えるのは必然です。

理経済:海運業界の不況と新興企業の参入② - アマゾンの参入

車を送ったり、漫画の著作権を払ったとしても、1回あたり精々2、3000万円そこらでしょう。
トヨタやアップルの様に、世界中のテレビでCMを流す事を考えれば明らかに安上がりです。
費用対効果は相当大きいのではないでしょうか。

以前、フリーミアムというビジネス用語がありましたが、まさにそういう戦略です。
あの用語もすぐに廃れてしまいましたが、あるいは取り立てるまでも無い程社会に浸透したからなのかもしれません。

アマゾンはこれからも色々コラボすると思いますが、どんなものが出てくるのか楽しみです。

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英国の燃料電池自動車

英国の自動車メーカー「リバーシンプルRiversimple」が、コンパクトサイズのFCVを出そうとしている様です。
2018年の発売を目指しているのだとか。

ずっと研究開発を続けていた水素燃料電池車のプロトタイプ、「Rasa」を発表したのだ。…(中略)…航続距離は300マイル(約482km)ほどで、車体には軽量なカーボンファイバー製モノコックボディを採用(中略)…車両全体でも約520kgほど…(中略)…パワートレインは8.5kWの燃料電池スタックに加えスーパーキャパシタを採用し、4輪に内蔵されたインホイールモーターを駆動。プロトタイプの段階で少なくとも60mph(約96.6km/h)の速度を達成している。
>>リバーシンプル社、水素燃料電池車のプロトタイプ「Rasa」を発表 2018年の市場投入を目指す

Rasa Hydrogen Fuel Cell Car

航続距離は約500kmですから、実際は350kmと言ったところでしょうか。
最高速度が約100km/hとあまり速くありませんが、町乗り乗用車としては何とか耐えられそうです。

興味深い点は2点あります。
1点目はインホイールモーターである事。
図面や記事を見ると、4輪ともインホイール型の様です。
レクサスFCは2020年発売予定の上に、前輪のみがインホイールなので、Rasaから技術的に学べる事がありそうです。

理経済:インホイルモーター搭載のFCVが登場

もう一つは重量です。
520kgとの事ですが、トヨタのアクアの重量が約1tである事を考えると、相当軽い事がわかります。
この辺りも学べそうです。

日本との相乗効果で、良い物が続々と出て来てくれるとうれしいですな。

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シカゴ証券取引所が中国資本に買収される

アメリカのシカゴ証券取引所が、中国の不動産系投資会社「重慶財信」に買収される様です。
重慶財信は国有資産売却の為に設立されたそうで、中国政府とは繋がりがありそうですな。

米国で最も長い歴史を持つシカゴ証券取引所CHXが、中国の投資会社、重慶財信企業集団によって買収される。CHXが発表した。…(中略)…重慶財信企業集団のジョン・ケリン会長は、「CHXの立て直しに全力を注ぐと同時に、将来的にノウハウを中国金融市場の開発に役立て、米投資家が喜ぶような投資のチャンスを提供したい」とコメントしている。
>>米国最古のシカゴ証券取引所、中国投資会社が買収へ

重慶財信は国有資産の民営化に伴い、1990年代に設立された。…(中略)…盧生挙会長は中国企業の米上場を支援したいとの意向を示している。
>>中国の正体不明の企業、シカゴ証取買収で合意-2580兆円市場に登場か

世界四季報:シカゴ証券取引所、中国資本が買収 実現すれば米国初:日本経済新聞

Chicago Stock Exchange

Wikipedia:Chicago Stock Exchange

ちなみにCMEではありません。

この重慶財信ですが、一部の報道によると國興地産と言う、国有不動産を扱う上場企業(多分本土株、コード:000838)の大株主だそうです。
また、元国有と思しき企業の株主としても、屡名前が掲載されている様で、中国政府とは一定の繋がりがあると見てまず間違いないでしょう。

Chongqing Rural Commercial Bank Co., Ltd:FIRST Quart erly Report 2015 PDF
東洋証券:重慶農村商業銀行

狙いとしては、CEOが発言している中国企業の米国上場に加え、人民元での決済を推し進め、元の国際的価値を押し上げたいのだと思います。
CEOの意思と言うより、中国政府の意向が混ざっている様に思います。

AIIBでも人民元の基軸通貨化が狙いとの話が出ていますが、これもそれと同じ線上にある様に思います。
人民元のごり押しも、徐々に強まってきている様です。

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海運業界の不況と新興企業の参入② - アマゾンの参入

シリーズ後編です。
海運業界は不況に運賃の低下に需要減が追い討ちをかけ、青色吐息の状態です。

理経済:海運業界の不況と新興企業の参入① - 海運業界の受難

そんな中、ネット通販でお馴染みのAmazonが海運事業に参入する事が報じられました。

Amazonが、いよいよ自ら海運を手掛けるための一歩を踏み出したことが明らかになりました。資料では、会社名が「Beijing Century JOYO Courier Service Co.Ltd,」で、商号が「Amazon China」となっています。…(中略)…なぜ「Amazon」ではなく「Amazon China」の事業という形を取っているのかについて、Flexportはこの海運事業がアメリカにいる買い手より、中国の売り手にとって魅力的なものだからと推測しています。
>>Amazonが海運事業へと進出

世界四季報:アマゾン、市場規模3500億ドルの「海運事業」に進出 | Forbes

Amazonの海運業進出

Federal Maritime Commission:BEIJING CENTURY JOYO COURIER SERVICE CO., LTD.

まったく異業種からの参入ですから、自動化により海運コストの更なる低下が予想されます。
アマゾンは飛ぶ鳥を落とす勢いがあるものの、意外に利益率は低く、コスト圧縮による利益率増加を模索したり、売上を拡大し規模効果を得る事はメリットになります

こちら↓はアマゾンウォルマートの利益率を比べたものです。

アマゾンとウォルマートの利益率

Google Finance(AMZNWMT)より筆者作成
日経ビジネス:利益率たった1%で突き進むアマゾンの奇才経営者
ガーベッジニュース:アマゾンドットコムの売上推移などをグラフ化してみる

売上総利益率(粗利)はアマゾンの方が高めですが、意外にコストが嵩んでおり、営業利益率(OP Income/Revenue)はウォルマートに遅れをとっています
ここの改善はアマゾンにとって必須ですし、ここが底上げできれば規模拡大の為の糊代になるでしょう。
今後が注目されます。

もう一つのポイントはアマゾンが船舶を保有するのかという事です。
ご存知のとおり、アマゾンはインターネットに特化している事から、店舗は持たず、ウォルマートより固定資産は少なくなっています。

しないとは思いますが、もしアマゾンが多数の船を保有した場合、固定資産の維持費が費用として上乗せされる事になります。
その場合、今後の経営にどの様に影響を与えるかは注意が必要です。
多分、固定費が増加して業績は悪化するでしょう。

現在の海運コストは、過去と比較した場合低水準にありますが、不況に対してここぞとばかりに乗り込んだ新興企業から、更なる低下圧力が加わりそうです。
合理化や買収合戦が激しくなりそうですな。

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海運業界の不況と新興企業の参入① - 海運業界の受難

しばしば不況に陥る海運業界ですが、今回はいつにも増して酷い状況の様です。

中国における需要減少が世界最大級の海運会社に重大な打撃を及ぼしており、業界が直面するこれまでで最も深刻な危機を生き残るため船舶を投げ売りする企業も出ている。…(中略)…スコルピオが運ぶコモディティー(商品)相場が急落したことで全ての船舶を売却してしまい、その損失は4億ドルに上った。
>>海運大手が空前の危機、船舶の投げ売りも

皆様もご存知のとおり、現在、原油を中心とする商品市場が酷く下落しています。
船会社は積荷に対して運賃を設定するわけですが、原油等の積荷の価格が安い→需要がない→運行需要も冷え込み、運賃も下がるという図式により積荷が下がると運賃も下がります

しかし不思議な事に、資源が下がる時は大体運賃も下がるのですが、資源が上がっても運賃は必ずしも上がりません。
ここ最近その状況が続いた様で、運賃を示すバルチックドライ指数は低空飛行(さらに降下中)を続けています。

バルチック海運指数(BDI)の推移

日本海事センター:バルチック海運指数(BDI) PDF
Bloomberg:BDIY:IND バルチック海運指数

運賃の指数は、原油価格が高かった2008年5月頃は11000ポイントでしたが、現在は300ポイントそこそこまで落ち込んでいます。
実に37倍差という脅威の落ち込みです。
当時が異常だったと言えばそうなのでしょうが、原油が100ドル近かった2012、3年も低水準が続いており、ここ数年の厳しさが伺えます

運賃価格は資源価格に連動していると言うより、相場の上昇率や下落率に連動しているのかもしれませんな。
運賃が上がっても量が捌けないといけないわけですし、積荷の需要予測と連動しているといった方が正しいのかも知れません。
そうなってくると、数年は今の状況が続く、ないしもっと悪化しそうです。

さて、そんな酷い状況の海運業界ですが、アマゾンが新規に参加する様です。
続く…

理経済:海運業界の不況と新興企業の参入② - アマゾンの参入

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OSが寡占でも頭が上がらないGoogle

iPhoneは、世界的に見ると押されぎみですが、押している筈のGoogleからお金を貰っている様です

グーグルが2014年にアップルに10億ドル(約1200億円)を支払って自社の検索エンジンをiPhoneに標準搭載していたと報じた。…(中略)…ゴールドマン・サックスの推計では、グーグルは2014年に携帯端末からの検索で約89億ドルの広告収入を確保。このうちアップルの端末からの検索はおよそ75%を占めるとみられている
>>アップルへの支払いで露呈したグーグルの弱み

スマートフォンのOSの世界市場シェア

Androidは世界シェア85%と、殆ど寡占状態ですが、広告収入で見るとAppleが大きい様です。
アップルの顧客は広告クリックが好きなのでしょうか。
これだけgoogleが圧倒的なのにアップルに頭が上がらないのですね。

グーグルの収入は広告に依存しています。
こちら↓を見ると、グーグルサイトからの収入(つまり広告収入)が大きい事がわかります。
ちなみにYouTubeの収入はGoogle Sitesに分類される様です。

グーグルの売上内訳と地域別比率

Google:Quarterly Earnings Summary Q3 2015 PDF

また、地域で見ると米国への依存度が強く、米国でアンドロイドのシェアを稼げないと、売上が伸び悩む事になります

米国でもアンドロイドは強いのですが、シェアはiOSと二分している様な状況です。
アップルに頭を下げるのも致し方なしと言ったところなのでしょう。

OS別スマートフォン販売シェア

東京IT新聞:日本は世界一の「iPhone王国」 特異な市場シェアを生み出した意外な理由
WSJ:アップル、日本が思わぬ「金鉱」に

また、こちら↓はモバイル端末からのトラッフィックの地域別ランキングです。
これを見る限り、米国人がクリックしまくっている事がわかります。

モバイル端末からのトラフィック上位国

Opera:State of mobile advertising - 2015 Q2

iPhoneブランドは、元祖スマホだからか、トラッフィックの多い国で根強い人気がある様です。
このグーグルの悩ましい状況は、暫く続きそうです。

それにしても、iOSからの収入が多いのは少し不思議な気もします。
上述の理屈なら、アンドロイドだってそれなりに収入があり、75%がiOSからなんて事にはならないと思うのですが。
日本人のガチャ好きが影響しているのでしょうか。

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米国の取引所BATSが上場申請

アメリカの新興取引所であるバッツ・グローバル・マーケッツ(BATS Global Markets)が、自らの取引所に上場するそうです。
ちなみに、BATSも元々は私設取引所だった様です。

米国と欧州の証券取引所と外為プラットホームを運営するバッツ・グローバル・マーケッツが新規株式公開(IPO)を申請した。…(中略)…バッツは10年前に創業。先進テクノロジーと低価格、取引スピードでニューヨーク証券取引所やナスダック・ストック・マーケットに挑んだ。知名度ではこれらに及ばないが、今では米株の取引所として2位、欧州では最大となっている。最近ではホットスポットを買収して外為取引にも進出した。
>>バッツ・グローバル・マーケッツがIPO申請-自社取引所に上場へ

BATSはこの10年でナスダックを超え、NYSEにも匹敵する水準の売買代金を実現しています。
また、過去に買収したChi-xヨーロッパも、現地で猛威を振るっている様で、東証の半分程度にまで達しています。

世界主要取引所の売買代金

楽天証券:世界の時価総額ランキング

米国の証券取引所シェア

WSJ:地方からNY証取に挑む米電子取引所BATS、合併で事業拡大へ
理経済:アメリカの新取引所 BATS - 伝統の取引所も敗北しうる米国

わずか10年で伝統的な業界の順位が入れ替わるとは、米国の競争の激しさが伺えます

IPO後のポイントとしては、彼らを巡る取引所の買収・合併合戦だと思います。
株価次第ではありますが、安値が付けば買収される対象になるでしょう。

彼らは世界2位の取引量を誇りますから、規模のメリットは大きいと思います。
また、それだけ膨大な注文処理をこなせるだけのシステムを構築できるのは、かなり魅力的です。

伝統的な取引所で、システムを外注し続け、うまく構築できない会社があったとすれば、そこも魅力的にうつるはずです。

逆に高値が付けば、株式交換を活かしたBATSからの買収が目立つ様になるでしょう
米国は私設取引所も多いですし、欧州や新興国にも良さそうな取引所はありそう。
今までの彼らの手法を考えれば、買収しても不思議はありません。

IEXもそうですが、業界がまた激しく動き出しそうです。

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私設取引所のIEXが通常の取引所に転換

米国の私設取引所(ダークプール)であるIEXが通常の取引所に転換する計画を立てているそうです。
IEXは高頻度取引で有名なブラッド・カツヤマ氏の会社の為、その性質について批判が集まっている様ですが、同氏は強気を崩さない様です。

IEXグループは取引所への組織転換を計画しており、証券取引委員会(SEC)が申請を承認した場合、順守が必要な規制が増えることになるが、クローリー氏がそのコンプライアンスを統括する。
>>カツヤマ氏IEXが取引所に転換計画-NYSEの元幹部を採用

カツヤマ氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、反対勢力の主張に譲歩しない態度を示した。こうした勢力はニューヨーク証券取引所や米ヘッジファンドのシタデルといった企業が主体で、競争を阻害すると批判されている機能を改善すべきだと主張している
>>私設取引システムIEXのCEO「抵抗勢力に屈せず」

アメリカは日本と異なり、私設取引がとても強いです。

日本の場合は、証券取引所と言えば、東証グループの独壇場で、まともに機能しているとは言い難い状態です。
売買シェアは5%を下回っており、流動性の少なさが投資家をさらに遠ざけています

PTSの月間取扱シェア

日本電子計算:私設取引システム(PTS)の現状

一方、アメリカでは事情がまったく異なり、市場の4割は私設取引所等で占められています
日本市場の感覚でIEXを見ていると、実態を大きく見誤るでしょう。

私設取引所のシェア

WSJ:BATS and Direct Edge Would Shake Up Exchange Volumes

数年前、新興取引所のBATSが取引量でNASDAQを上回り、世間を騒がせましたが、IEXがここに参加してくるとなると、沈静化していた取引所間の開発競争や買収合戦が再燃しそうです。
どうなる事やら。

また、日本勢は我関せずといった風潮ですが、この流れに巻き込まれるのか、それとも世界の流れに取り残されるのか、こちらも気になるところです。

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