マーケティング

高齢者用の食事がバラエティ豊かに- 単音調理法の転用も

高齢化が進む日本ですが、食べやすいソフト食(嚥下食)の開発が進み、かなりバラエティー豊かになっている様です。
需要のある所にビジネスありと言った所でしょうか。

Photo_6

嚥下食ドットコム:第2回「嚥下食メニューコンテスト2014」入賞作品レシピ
森永乳業:介護食

ソフト食と言うと、私のイメージではお粥の様なイメージでしたが、最近ではこんなに色々あるんですね。
鳥めしやラーメンなんて、見た目は普通の物とあまり変わりませんね。

日本の年齢分布は頭でっかちな坪型です。

日本の年齢分布

総務省:人口推計(平成25年10月1日現在)

少子化の為下方は窄んでおり、一方で寿命は伸び、ボリュームゾーンだった団塊世代も高齢者の仲間入り。
高齢者のビジネス上の重要性は、今後ますます増す事になるでしょう(逆に若者は蔑ろにされやすくなります)
今後は色々なソフト食や、ソフト食を前提に考えられた食事が生まれそうです。

また、海外では分子ガストロノミーと言われる研究が盛んです。
これは調理を物理的、化学的に解析する学問です。

この研究の最先端にいるのが、エルヴェ・ティスと言うフランスの物理化学者なのですが、彼が開発したのが単音調理法という手法です。

エルヴェ・ティス

GLOBE:人工物の方が体にいい

これは、自然の食材ではなく、人工の素材である「化合物」を組み合わせて料理を作る調理法で、由来は味を作る要素を「単音」として考えるからだそうです。

食べ物と言うものは、色々な成分や食感を混ぜたり組み合わせたりしてできるものですが、これを成分別に分解し、組み合わせる事でまったく新しい料理を作ると言うものです。
化学調味料がさらに洗練され、それ単体で"食材"と成り得る水準に達したという感じでしょうか。

既存の食材と異なり、食感から味の組み合わせまで自由自在なので、新しい味を作れるとか。
三ツ星シェフのピエール・ガニェールさんと共に実際に料理として使えるか、日夜研究しているそうです。
相当おいしいのだとか。

食感も自在ですから、ソフト食の範囲も広がりそうです。
高齢者の食事は、どんどん豊かになりそうです。
そのうち雑誌とかも出るかもしれません。

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熊本県人吉でハラルが熱いらしい

熊本県人吉市イスラム系の方々を呼込むため、ハラル食品の導入を強く勧めている様です

人吉市は、平成24年度に内閣府より特定地域再生事業の補助金を受け「地域起点型アジア市場の研究プロジェクト事業」として、ハラールに関する市場調査及び実態調査を行いました。
>>人吉市特定地域再生事業「地域起点型アジア市場の研究プロジェクト事業」に伴うハラール研究成果報告

ハラールとはイスラム法において合法なものの事を指し、逆に非合法なものをハラームと言います。
イスラム教徒はこの戒律に従い、ハラールな行動や食事をとることになります。

イスラム教で有名なのは、定期的なお祈りや睡眠をすることや、豚やお酒をとってはいけない等です。
基本OK見たいなのですが、駄目なのはこんな感じだそうです。

    • ハラールに屠殺されていない動物
    • ナジスを含んだもの
    • 毒物、健康に害のあるもの、泥酔性のあるもの
    • 牙をもち、その牙で獲物を得る動物:虎、クマ、象、猫、猿等
    • 捕食動物:鷹、フクロウ等

日本ハラール協会:ハラールとは
ハラル・ジャパン協会:ハラル(ハラール)基礎知識

昔、アルバイトの時、明らかにムスリムな人が来て、商品について彼是聞いてきました。
麹や味醂もアルコールの分類なんで駄目だそうで、味噌や醤油(今は大丈夫なようです)も駄目だそうです。
日本では生活できなくなっちゃいますね。

一方でイスラム教徒は多く、2010年時点で世界に16億人もいます
また、そのうち3分の1がアジアに集中しており、アジア+西アジアの市場規模は約3500億ドルと非常に巨大です。

ムスリムの人口

ムスリムの市場規模

ブランド総合研究所:拡大するハラル市場と現状 ~ハラルマーケットの基礎~ PDF

さらなる観光の目玉が欲しい自治体にとっては中々妙味のある市場なのでしょう。
それでいて前例が少ない為か、他の自治体はあまり参入していません。
イスラム教の市場の大きさは随分前から話が合ったと記憶しているのですが、腰が重たいんですかね。

うまい事成功してほしいです。

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各業界の寡占状況

世の中には色々な業界があります。
投資家としては、独占的な企業に投資するほうが、リスクが平均化されており、ディフェンシブ的になります

一方、独占企業がいないような、自由競争の市場では新規参入がしやすく、それだけ競争が激しくなります
就職する場合にも、独占的な企業に入った方が、老後の安定はより確定的になるわけです。

では、各業界の独占度合いはどのように調べればよいのでしょうか?
これを知るためにはHHI(ハーフィンダール・ハーシュマン指数)があります。
式で書くとこんな感じ↓。

ハーフィンダール・ハーシュマンインデックス

公正取引委員会:用語の説明

分散の式の分子部分と同じような式です。
値が高いほど独占が進んでいます。
最大は完全独占(シェア100%)の時の10000です。

これを基に、各業界について解析すると、こんな感じ↓になります。

HHIから見る各業界の寡占度

公正取引委員会:平成19・20年生産・出荷集中度調査 累積生産集中度

こうやって見ると、マヨネーズや炭酸水等の食品関係では、慢性的に寡占化されていることがわかります。

考えてみれば、コンビニの炭酸コーナーでは、コカ、ペプシ、サントリー、アサヒ等の大手ばかりで、意外とメーカーの種類が少ない事がわかります。
食品がディフェンシブ的なのは、こうやって考えても証明できます。

一方、電気業や自動車のHHIは言う程高くありません。
車はわかるのですが、電気が自由競争というのは、実感とあってない気もします
国内で見ると数がそこそこあるからなんですかね。

証券や銀行は非常に自由で、熾烈な争いをしているのも興味深いです。
華やかそうな産業に見えますが、新しい企業がポコポコできたり、ゾンビ銀行が残っている様で、シェアはばらばらです。
実力が無いと生きていけない、過酷な産業ともいえます。
安定的ではないですね。

市場調査はイメージだけでは駄目なようです。

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最近読んだ面白い本 - 新人OL、つぶれかけの会社をまかされる

最近、とあるマーケティングの本を読んだのですが、非常に良く纏められていたのでご紹介します。

新人OL、つぶれかけの会社をまかされる (青春新書PLAYBOOKS)
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もしドラの流れを汲んでか、なぜか萌え絵っぽい表紙になっています。
ブックオフで投売りされていたのですが、パラパラ捲ると中々面白そうなので読んでみました。

話の主題はマーケティングについてです。
転職してきた社会人2年目のOLが、不採算店部門の再生案を提出させられる所から始まります。

実践的なマーケティング論を小説化して、より具体的な注目点や解決策を提示しています
小説部分はあくまで内容のサポートする事に徹しているため、"読みやすいビジネス書"に仕上がっています。

また、著者がマーケティングに精通しているだけあって、所々出てくる小ネタには感心します。
例えば"ファミレスにお客が来る理由"として、コンセントの多さを挙げていましたが、これには驚きました。

確かに、最近はマクドナルドとかでも「ご自由にお使いください」と書かれたコンセントを目にしますし、PCを使っている人も多くいます。
営業部門と製品部門がなぜ対立しやすいのか等も、小説の中によく書かれています

全体的に読みやすく、ためになる一冊でした。
お勧めです。

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一風変わったお寿司

WSJに面白い記事が載っています。
女性のすし職人の話なのですが、それ以上に面白いのは出来上がった寿司です。

昨年末にオープンした、なでしこ寿司の17人掛けのカウンターの後に控えるのは若い女性だ。店の名物は、漫画のパンダ、およびカエルの頭部のような形をした寿司だ。客の90%を男性が占める。
>>東京に女性職人のすし店開業、業界に波紋

WSJ:Hot Women Serving Cold Fish Make for Raw Feelings in Tokyo

パンダの寿司とは斬新ですね。
味はおいておいて、なかなか面白い試みだと思います。
職人気質な人は「こんなの寿司じゃない!」とか言うかもしれませんが、それを決めるのは顧客であり職人ではありません

またWSJのビデオを見ると、寿司職人の千津井さんは稚拙ながら英語で話しています。
外国人向け、女性向けのすし屋さんとして、新たな分野が開けそうです。
今は9割男性ですが、今後はちょっとずつ構成が変わっていくと思います。

理経済:納豆を売り込む人々

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イノベーター理論② - 三つのポイント

前回の後編です。
ツイッター加入者数の推移を肴にイノベーター理論について書きます。

理経済:イノベーター理論① - ツイッターと革命者

さて、イノベーターに続くのがアーリーアダプターです。
いわゆる流行の最先端にいる人達です。

次に来るのがアーリーマジョリティ(前期追随者)で、その後レイトマジョリティ(後期追随者)、ラガード(遅滞者)が来ます。
この辺の言葉の問題は大して重要ではありません。

重要なのは3点。
一つは前回紹介した革命者の存在で、二つ目はアーリーマジョリティとレイトマジョリティの境目です。
ここは加入者の伸び率が0になる点、つまり極値です。

前回紹介した図を見ても分かるとおり、アーリーマジョリティが全員加入し終わっても加入者の累積値は上がり続けます。
この段階では潜在加入者数の半分しかいないからです。

逆に言えば半分は既に加入しているのですから新規は少しずつ少なくなります。
結果、累積値は増えるものの失速が目立つようになり、最終的には横ばいになります
これでその商品は飽和するわけです。

これが即ち商品の寿命ではありません。
使い続けてくれるのならば定期的に利益が上がるようになり、PPMで言う所の金のなる木になります。

商品はどんな商品であれ、必ず飽和します
ですから私は一過性の人気製品ではなく、ブランドロイヤリティ、永続的なビジネスモデルを重視するのです。

理経済:ブランドにも変化が必要

Twitterも私へのフォローが凄く増えています。
トータルでどうなっているのか分かりませんが、私のような末端のユーザにまで大量のフォローが来るという事は、既にアーリーマジョリティ同士が既にフォローしあってしまったからに思えます。

ですからフォロンティアを求めて私のような者の所まで来たのだと思います。
これから加入者数の鈍化が見られるようなら黄色信号です。

さて、この理論で重要な事がもう一つあります。
それはブームが来る前にも後にもその商品を使い続けている人がいるであろう事です。
イノベーター理論は確率密度関数で表されていますから、その分布が正規分布であれべき分布であれ、常にその商品を買う(使い続ける)人がいるという事です。

AIBOという商品がありましたが、売れ行きが芳しくなく2005年に製造中止となりました。
しかし未だに使っている人も、少数ながらいるようです。
そういえばうちにもファービーがまだありましたね。

このように流行が終わっても、少数ながら使い続ける人がいます。
また流行にならなかったようなものも使い続ける人がいたりします。
オーダーメイドという業種が存在できるわけですね。

また流行の発生前にも少数ながら大ヒットするようなアイデア、あるいはアイデアの種を持っている人が存在する事になります。
彼らは起業までは行かないものの、アイデアを持ち続けているわけです。

顧客のクレームや他社のアイデアは実はとても重要なのです。
常にアンテナを張っておく事が大事なわけです。
最初の所でアイデアに乗っかれれば美味しい思いができるわけです。
世の中何が起こるか分からないわけです。

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イノベーター理論① - ツイッターと革命者

ここ数日、Twitterフォロー数が急激に伸びています。
先週までは100人位だったのに今では400人を超えました。
今シリーズはこれを前座にしてイノベーター理論と、ツイッターに対する私の不安を書こうと思います。

さて、私は明らかな宣伝とかではない限りフォローを返しますが、自分からフォローする事はほぼありません。
ブログで呟いているので、ツイッターにはあまり投稿しません。
態々私の退屈な呟きに付き合わせるのは酷でしょう。

と言うわけで自分からはフォローをしません。
それにサーバーが重いのがきついです。

普通この手の交友ツールでは、自分から動かない限り輪が広がらないものなのですが、なぜこんなにフォローが増えているのでしょうか
実際先月まではこんなにフォローされませんでした。

また、なぜか韓国の方々からフォローされまくっています。
知り合いのハングルマスターに読んでもらった所、特別広告などが多いわけではなく、携帯好き(主にスマートフォン)の人や日本人と仲良くしたいという人が多いようです。

私自身英語で苦労していますから、外国語でツラツラ書かれた文章は大変だと思うのですが。
チャレンジャーが多いんですかね

こちら↓はYahoo!ログールから見る当ブログに来た方々の所在地の図です。
海外からの方が常に1~2割いらっしゃいます。

来訪者の出身地

サーバーが海外にあるだけなのか、外国在住の邦人なのか、本当に外国からの訪問なのかよくわかりませんが、なぜかいっぱいいます。
ツイッターのフォローも同じ理由なのでしょうか。

さて、そんなそんな人気絶頂のツイッターなのですが、このフォロー数の急激な増加を見ていると彼らのユーザ伸び率が心配でなりません

マーケティングでは商品の流行に関して様々な研究が行われています。
その一つにイノベーター理論というものがあります。
要約すると会員数や商品の売れ行きがどのように変化しているかを示した理論です。

こちら↓がその概要図です。

イノベーター理論

MITSUE LINKS:イノベーター理論
Wikipedia:流行

流行の分布が正規分布型になっていると仮定して、普及率を示しています。
正規分布が良いかどうか別にして、とても実感とあっています。
Twitterの例からこの理論を見てみましょう。

まず"流行の最先端"のさらに先に、流行を仕掛ける側の人やそこから直接話を聞いたような方々が最初にいます
この時の普及率は極めて低く、見向きどころか名前を聞いた事も無いような人が殆どです。
これをイノベーター(革命者)といいます。

Twitterで言えば創業者や極初期にアカウントを持った人です。
ほとんどが身内や共同創業者でしょう。

今をときめくクラウドコンピューティングですが、マーク・ベニオフ曰く、「今は会場一杯の聴講者がいるが10年前は2人しかいなかった」と述べていました。
私も4年前に彼にお会いしたのですが、その時は彼の言っている事がさっぱりわかりませんでした。

この様に時代の最前線を行くような方々をイノベーターといいます。
一般に全体の2.5%、つまり2σの外側にいるような、明らかに有意な方々です。
偏差値に例えると偏差値70以上の人。
良い意味でも悪い意味でも浮いています。
彼らによって流行の種ができるわけです。

さて、次に続くのがアーリーアダプターです。
直訳すると初期採用者です。
彼らがどういう人達かというと…。

長くなったので続く。

理経済:イノベーター理論② - 三つのポイント

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痒い所に手が届く商品作りを - 痒い所はたくさんある

先日、家族で山に行ってきました。
正直そんなに行く気は無かったのですが、家族旅行だとただで色々飲み食いできるので好きです。
最近親がよく旅行に行きますが、やはり私が社会人になったからなんですかね?
仕送り分と学費がまるまる浮くわけですから、月平均20万円位浮きますからな。

↓証拠写真

山2

山1

そんな山登りですが、家族はご来光を見たり高山植物を見てワイワイ言っていましたしたが、私自身はそれよりも別の所に目が行っていました。
まあ卒業旅行に松本に行っても、風景とか城以外の所を見ている様な人間なので、仕方がないんですかね。

さて私が興味を持った物は2点有ります。

1点目は多くの登山者が、飲料用に「いろはす」と言う水を持ってきていたことです。

I LOHAS

これは、映像にあるように飲み終るとかなり小さく潰せます。
しかも、これだけ潰しても穴が開きにくいので、1,2回潰した程度であれば開いてまた使えます(ただし、容積が減ります)
あまりに軟らかすぎて、中身が入っていても、ぶつけるとボコボコに凹みます。

また、ベコベコに潰せるほど軟らかいので、普通のペットボトルより軽いです。
長距離を人力で移動する場合、山であれ平地であれ荷物の重さが重要になります。
軽いと言うのはそれだけで便利です。

勿論アウトドア用にビニールで作った水筒(水入れ)も有るのですが、冷たいものを入れると霜が付くし、家のまずい水を持っていくのはきついです。
バックの脇に挿せないのもマイナスです。

このため、私も含め結構持ってきている人がいました。

2点目は山小屋の電力事情です。
とってもエコで、すべての電力をソーラーパワーで賄っていました

元々山小屋では電気を殆ど使えません。
高い所だと家電も運べませんし、電線を引くことも難しいからです。
あるものは最小限の電灯と天気予報の為のテレビぐらいですかね。
飲料物や食材は湧き水で冷やしています。
ですからソーラーパネル十数枚で足ります。

ソーラーパネルは持って行くのが大変ですが、一度持っていけば後はケーブルだけで設置可能です。
日光は上でも下でもある程度同じぐらい射しますし、電池があれば雨の日も使えます。
少なくとも、電線を登山道に沿って引いてくるよりは、金銭的にも時間的にも有利に出来ています。
エコがどうとかではなく、必要に駆られて使っているわけです。

さて、ここから私が学んだことは「商品は何に使われるかわからない」と言うことです。
必ずしも企画者が思った通りにはいかず、思わない方向で使われることが間々あると言うことです。

いろはすソーラーパネルも、本来エコをメインにしたもので、アウトドア用に作ったものではありません。
ホームページの開発者コメントは、そういう雰囲気ではありません。
痒い所というのはいたるところに存在するわけです。

以前iPhoneの改良方法について提言しました。
そこで「ニーズを捉え目的としないと、優れた商品は作れない」と言いました。
これは逆に言えば、ニーズさえ捉えていれば既存の商品でも売れるわけです。

痒い所に手が届く商品作りを - iPhone3GSを売るために

いろはす一般向けにはあまり売れていないようです。
地元の人は一生懸命買っているようですが。

ニーズはいたるところに有り、ビジネスチャンスは転がっていることを、今回の旅で感じました。
市場をよくよく観察し、色んな所を見る事が、新しい商品を開発する原動力になるのだと思います。
技術開発のみが成長の源泉では無いようです。

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情報格差の減少 - ニュースサイトの有料化

ロイター通信等ニュースサイト各社は、有料化を模索しているようです。

情報サービス大手トムソン・ロイタートム・グローサー最高経営責任者(CEO)はCNNの単独取材に応じ、一部のニュースサイトは引き続き無料を維持するだろうとの見通しを示した。
>>「一部のニュースサイトは無料維持」 ロイターCEO予想

以前、ロイターのサイトでもそういったシンポジウムのレポートが書かれていました。
ロイターに掲載された記事が見つからないのですが、朝日新聞のサイトに欠片が有りました。
彼らもかなり苦境なようです。
今回は彼らの苦境の原因と、課金の影響についてです。

asahi.com:再送:新聞・テレビは新ビジネスモデル急務=トムソン・ロイター討論会

私自身、日経NETとかロイターとか散々見ていますが、特に新聞を取ったり彼らにお金は落としていません。

日経ヴェリタスも、CMでネット版と紙媒体の各々の特徴を強調しています。
ヴェリタス創刊時に、「ネットで良質な情報がいくらでも手に入るのに、態々新聞なんて買わない」とアンケートに書いたのが効いたんですかね。
悪い事したな(;;;´Д`)ゝ

しかし実際問題として新聞を見るより詳しい情報が、ブログなどを介して流れることは珍しくありません。
株関係の情報もファイナンスサイトのRSS(?)機能で、すばやく手に入ります。
ゴールドマンの0.03秒が問題になるのも、ある意味今のように情報が早く手に入るからこそなのでしょう。

これは新聞にもテレビにも映画にも言える事ですが、ネットの普及によって随分情報格差が無くなりました。
1人の人が知っていると、ネットを通じて色んな人がその情報を共有できます
ですから、特化することの優位性が昔より薄れたわけです。

最近調子が悪くなると、自分の症状、特徴からある程度病気を特定し、療法を見ながら様子を見たり、市販薬で済ませたりします。
医者には怒られそうですが、特に病院にも行かなくてもさしたる問題も起こっていません。
ネットの体験談はかなり詳しく、「確かにそんな症状だ」ということが多々有ります。

投資をするとき、私は証券マンの意見をあまり聞きません。
優秀な投資家がブログで色々書いていたり、無償でレポートが公開されているからです。
態々証券会社に行って、高い手数料と口座管理費を払ったりしません。

これ等の職業は免許が必要で、所謂情報の非対称性があった分野です。
情報の非対称性とは、商品(サービス)の売り手と買い手の知識の差(情報格差)のことです。
プロとアマの差の情報版みたいなものです

例えば、医者は薬や病気に詳しいですが患者は知りません。
ですから医者が「この症状はまずいです」と言われると、患者は鵜呑みにし易い。
患者自身はその真意を確かめられるほどの知識が無い為、それに縋るしかないのです。
証券会社のそれは更に顕著です。

この為知識のない人が騙されないように、国や協会は免許を交付し保障をするわけです。
その一方で、医者、弁護士、会計士等々、「ボロい商売」になり易いです。
ちょっと知識があれば自分で何とかできる事も相談に来ますし、言われた事は割と素直に聞いてくれます(医者のくれた薬について議論する人はそういません)

しかし、ネットによってこの情報格差はドンドン減少しています
新聞サイトの有料化もこの一環と捉えられます。

もし、ネットが無く情報量が少ないならば、消費者の購入商品候補は新聞やテレビなど、限られた媒体からのみもたらされます。
あとは精々スーパーで見る程度。

そうなると広告を出せば、必然的に買われる確率が高くなり、費用対効果は上がります。
広告主も万々歳、新聞社も広告費が入るで、企業側はハッピーです。
痛い目を見るのは広告費の出せない中小企業(だから下請けが多いんですかね?)や、商品を押し付けられた消費者です。
場合によっては、広告主の都合で真実を捻じ曲げられるかもしれません(トヨタと消費者金融は常習犯)

しかし、ネットの普及によってこれが少なくなりました。
例えば口コミは、明らかに従来の広告の外側に有ります。
そうなると新聞を見てもらい、広告も見てもらったとしても、買われる可能性はぐっと減ります。
広告の費用対効果は、それに連動して減っていきます。
広告主も当然減ります。

ですから新聞社は別の収入源を探さねばいけないんですね。

情報は重要です。
ロイターなどの情報は深いものも多く、見る価値が有ります。
そうなると課金すると言う考えが出ても不思議ではありません。

しかし、果たして課金しても人が来てくれるでしょうか?
まあ情報にお金を払いたくない人が、広告に出た商品を買うとは思えませんが、アクセス数は大幅に減ると思います。

課金云々より、ビジネスモデルそのものを見直してみたほうが、活路を見出せそうです。
結構難しいですが、マスコミの影響力自体は相変わらず強いので、可能性は十分有ると思います。

理経済:マスコミの力は衰えていない①

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痒い所に手が届く商品作りを - iPhone3GSを売るために③

前回まで、iPhone3GSをいかにして売るか?携帯電話市場にはどのような”痒い所”があるのか書きました。

理経済:痒い所に手が届く商品作りを - iPhone3GSを売るために
理経済:痒い所に手が届く商品作りを - iPhone3GSを売るために②

痒い所と言うものは至る所に有ります。
そして、お客さんは「何所をかけ、其処は違う」とか色々な難題を出してきます
具体的な位置の指定があればマシなのですが、大概は本人ですら何所だか分からないので苦労します。

しかし企業や政府は、顧客の意味不明な指示に応える事で売上を伸ばしてきました。
資本主義とは、これ等痒い所を皆でかきあっている社会システムだとも捉えられます。
痒そうだが誰もかいていない所を探せば、商機は見えるわけです。

さて前座はこのあたりにして、本日は提案の三つ目です。

③文字盤を黒電話風にする

前回ゲーム機のコントローラーを例に挙げて、「感覚的に使える」のであれば、よりすんなりと操作できると言いました。

メインボタンの数が次世代ゲーム機になっても、ぜんぜん変わらないのはユーザーがそれに慣れているからです。
この為文字コードがABXYから○×△に変わっても、全く気になりませんでした。

これは携帯電話でも同じことです。
お年寄りに売る場合、如何に彼らにとって使い易いかが重要になります

と言うわけで、文字盤をこんな風にしてみましょう。

黒電話

DoPao's De-sign Recipe:600Type(黒電話600形) ★オリジナルデザインTシャツ★

皆さんお分かりになりますか?
所謂黒電話の文字盤です。
最近の人だと、あまり見たことがないでしょう。
平成生まれの子達は使えないとか。

しかし歴史的に見れば、このタイプは随分長い間親しまれてきました。
プッシュ式になったのは割と最近であり、私が5歳くらいの時にも黒電話は家に有りました

特にお年寄りには馴染み深く、多分文字盤を見ずとも、誰かに説明を受けずとも使いこなせるでしょう。
公衆電話くらいしかなかったプッシュ式よりも、ずっと感覚的に使えます。
あまりに馴染み深く、未だに現役もあるとか。

システム的にもそんなに難しくないでしょう。
ボタンに触った瞬間に数字を認識し、後のグルグル回るシーンは単なる動画にすればいいのです。

動画が終了したら数字を表示する形にします。
間違えた時は文字盤上部の受話器マークを押すなどして、電話を置ける様にします。

そもそも、何故このタイプの文字盤から今のプッシュ式になったのでしょう?
おそらく携帯電話の影響が強いと思われます。

プッシュ式とグルグルタイプだと、後者の方が回る分だけ時間がかかります。
また、おそらくグルグルタイプの小型化は難しかったのでしょう。

プッシュ式は数字の羅列なので、場所を取りません。
電卓みたいに四角く並べられ、中央を空ける必要もありません。
数字部分を小さくしても、押すだけなので指分のサイズだけあれば事足ります。
しかし、回すタイプではある程度半径がないと難しいです。
中身の問題もあったのでしょう。

結局今のプッシュ式にその座を譲ったわけです。

でもこれはメーカーの都合であって、消費者の都合ではありません
これではニーズと目的が食い違ってしまいます。

消費者を置いてけぼりで手法を変えたのですから、痒い所が新たに出来てしまったというわけです。
手が長い若者は良いのですが、老年層は取り残される事になりました。

しかし時代は更に進歩し、今まで使っていたボタンすら必要が無くなりました。
そして、これを使えばプッシュ式とグルグルタイプが共存できます。

ネットで落とせるようにしたり、携帯を買う際に一言聞いて、場合によっては店員が変えてやれば簡単に切り替えられます。

アドレス帳全盛期の今、果たして文字盤が必要なのか疑問ですが、黒電話にアドレス帳なんてありませんから多分使いません。
名前を囁くと連絡帳を呼び出せると、なお良いのですが多分其処までは無理でしょう

とまあ、このように文字盤に工夫をするのが最後の提案です。

実際にこれ等の機能を導入した携帯が売れるかどうかは、正直分かりません。
「事実は小説より奇なり」で人がどのように動くかは分からないからです。

しかし、かなり自信が有ります。
減給覚悟で提案するくらいの覚悟です。
残念ながら我社はそういう仕事をしていないし、iアプリにしても多分売れない(iアプリを落とせる老人は携帯に詳しいからです)ので、私の手で実現するのは難しいのですが…

なお、アイデアは自由に使っていただいて結構です。
誰か提案してくれないかな。
そして私のブログを宣伝してくれ・・・
う~ん、他力本願で自己嫌悪。

追記:
やっぱり3GSはあまり売れていないみたいです。

Iphone3gs

もう在庫があるんだ。

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