経済・政治・国際

配慮のしすぎも考え物 - 人吉市の取り組み

熊本県人吉市にある、くま川鉄道がアニメキャラとコラボ(?)した様です。
問題は成人向けゲームとのコラボ(?)である事です。

熊本県南部の人吉市と湯前町を結ぶくま川鉄道は、2016年10月8日に発売を予定していた「くま川鉄道特別応援切符」の発売が4日、正式に中止となった。…(中略)…似ているとされるのは、デジタルノベルブランドLoseのゲーム「まいてつ」。くま川鉄道と人吉市を舞台にしている。その登場人物「ハチロク」と「れいな」、さらにロゴがそっくりなのだ。…(中略)…「ゲーム会社(Lose)は以前からくま川鉄道の現状を気にかけてくれており、キャラクターを使って応援したいと、無償で協力をしてくれた」
>>「『なぜ』はこちらが聞きたい」...美少女キャラ切符発売中止のくま川鉄道、ショック隠せず 市議会指摘に苦渋判断

くまてつフェア

人吉市といえば、ハラル認証の取得に力を入れていた自治体ですね。
挑戦をしている自治体でのニュースだけに残念です。

日本は人口減少とあいまって、地方自治体はおろか東京ですら縮小傾向です。
少々毛並みが変わっていても、アレコレ挑戦して人を呼び込まないと首が絞まるはずなのですが、なかなか理解してもらえない様です。

ややこしいのは、著作会社が絡んでおり絵もそっくりなのにも拘らず、コラボでないと主張している点です。
こういった場合、権利侵害には当たらないのでしょうか。
当たらないにせよ、行政として大丈夫なのかも疑問で、将来的に週刊誌とかで叩かれそうです。

また、九州鉄道はOKしていながら、発売直前で中止になったのも問題です。
聖地巡礼で人吉旅行を考えていた人はがっくりですし、公的機関である役所がドタキャンと言うのも頂けないですな。
あまり売れたゲームではないと言う認識ですが、結構巡礼している人も多い様ですし。

ツッチーの趣味まみれな毎日!:「まいてつ」聖地を巡礼!

ドタキャンが可能なら、もっとドタキャンした方が良い案件が結構ある様な…。

NHKスペシャル「追跡 復興予算 19兆円」まとめ

まあ、考え方は色々ありますが、エニックスやスクウェアだって成人向けゲームを作っていた訳ですし、多少はいいと思うのですが、時代の流れなのですかね。

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日銀の総括検証 - 手のひら返しが酷い

日銀がマイナス金利政策を導入して久しいですが、景気の方はパッとしません。
円安誘導のおかげで旅行者が増え(※)輸出はそこそこ好調な状態ですが、最初に異次元緩和が叫ばれた時の事を思い出すと、随分萎んでしまったなと言う感じです。
※円安誘導も、そもそも製造系輸出業を伸ばしたいという話しだった様な…。

そんな中、これまでの日銀の政策について検証する「総括検証」が実施されるそうです。
経済紙等では、今回の緩和政策の副作用を唱えるエコノミストやアナリストが多い様です。

日銀は20~21日に開く金融政策決定会合で、金融政策の「総括的な検証」を実施する。…(中略)…金融緩和が長期戦となるなか、課題となるのが政策の副作用をいかに抑えるかだ。日銀は今年1月、量的・質的金融緩和に加えてマイナス金利政策の導入を決定。長期金利の低下に拍車がかかり、保険や年金の運用難などで「経済活動に悪影響が及ぶ可能性」(黒田東彦総裁)も出てきた。
>>黒田緩和、枠組み修正へ 日銀20日から「総括検証」

日銀の総括検証

ZDNet Japan:日銀の金融政策を本音で「総括検証」

緩和が開始された当事は随分持て囃されましたね。
ノーベル賞を取ったクルーグマン氏も緩和を絶賛していました。
最近では予想が外れて凹んでいる様ですが…。

さて、日銀の金融緩和の良し悪しについても興味のある所なのですが、それよりも個人的に頭に来るのが、緩和当事に賞賛しまくっていた、あるいは過去に緩和が少ないと叫んでいたアナリストやエコノミスト達の手のひら返しです。

当ブログでは、従前より今の様な異常な金利低下を推し進める事について懐疑的な意見を投稿しておりました。

理経済:金利を下げるデメリット
理経済:黒田総裁の誤算

古い投稿ですと2009年頃から低金利の弊害について書いていますが、当事は日銀に対して緩和しろとの声が各所から上がっていました。

当事日銀の総裁だった白川総裁は利下げを避け続けていましたが、その結果政府だけでなく経済人からも緩和しろと責められ、四面楚歌状態でした。
周りから馬鹿にされているという悲しい状態で黒田総裁に交代させられ、今の緩和路線に入ったわけです。

しかしその経済人達の指示に従った結果がこれです。

もし、当事彼らの言う事を聞いて、何か商品を買っていたのなら、おそらく結構な損をさせられていたのではないでしょうか。
うまく売り逃げられていたなら良いのでしょうが、失敗した方は酷い目にあっているのではと推察します

私の考えとして、金融情報サービスはお客を儲けさせてナンボだと思っています。
売る時は調子の良い事を言って、旗色が悪くなったら逆の事を言ってお客の損など知らん顔というのはあまりに酷いです。

お客は口八丁手八丁で何とかなるのかもしれませんが、それも酷い話です。
ただの早耳だけで、お客を儲けさせられないのなら、そのアナリストのポジションを変えた方が良いでしょう。

まあそれを選ぶのもお客の自由なので、多くは口出しできませんが、損ばかりさせられたお客達は、もう商品を買ってくれません。
貯蓄から投資へと言っても中々投資に移らない一つの理由は、過去に散々損をさせられながら営業マンに逃げられたとか、そういう人が身の回りにいたからなのではと思っています。
それがすべてとは思いませんが、結構影響はあるのではないでしょうか。

こんな後だしジャンケンの様な分析は混乱を招くだけなので、しないで欲しいですね。

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銀行外しが着々と進む② - 証券化ビジネスのネット化

低金利化に加えて電子化の流れから、市中のリスク商品の利益率は日に日に減っている事から、間接金融の担い手であり高い手数料を取っていた銀行をとばして、企業同士がやり取りする様になって来ています。
今回もそんな話。

銀行外しが着々と進む① - 債権補償の充実化

今まで証券会社や銀行が行っていた証券化ビジネスにも、低コスト戦略を使う方々が押し寄せています。

金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックベンチャーのTranzaxは、下請けの中小企業が持つ売掛金を電子債権にして早期に現金にするサービスを8月に始めた。中小に仕事を発注する大企業と共同で金融コストを削減する。…(中略)…債権の割引率は東京銀行間取引金利(TIBOR)に信用力に応じた金利を上乗せした1%前後にできる
>>中小の資金繰り、フィンテックで支援 Tranzax

電子記録債権サプライチェーン・ファイナンス

Tranzax:電子記録債権サプライチェーン・ファイナンス
グノシー:FinTechの流れを後押しする、中小企業用の新たな資金調達システムに注目!

「新しい」と言われていますが、これは所謂売掛債権の証券化と同じ仕組です。
ファクタリングや融資と異なり、SPC等を通じて任意の投資家が債権者となっています。

売掛債権流動化の財務ソリューション一覧

トップマネジメント:ファクタリングと売掛債権証券化、売掛債権担保融資の違い

今までは銀行や証券会社が手間隙をかけてやっていましたが、往々にして手間賃が高くついていました
昔はそれ程高くは無かったのですが、低金利化によって調達金利と比べ相対的に高くなっています。

法的な話も多く、個々の企業に応じてある程度カスタマイズしないといけない為、仕方が無い部分もあるのですが、手間も時間もかかり高くつきます

証券化のノウハウ自体は既にかなり知れ渡っていますから、逆に言えば、個別に改良をしなければかなり低コストで証券化が出来るわけですね。
かつて対面証券や対面銀行の顧客が、同じサービスなら安い方へとネットに流れた様に、証券化でもその風が吹いている様です。

興味深いのは、投資家がいる点です。
このサービスの場合、銀行などの金融機関が短期の融資を行い、数ヵ月後の支払期日には債務者(発注元)が債務を支払う事で金融機関の融資が返済される事になります。

証券化では投資家への説明に手間がかかるものですが、このアイデアだと、ある程度お決まりのリスク説明で投資家がお金を出してくれる様です。
信用力の低い中小企業への融資でも、短期融資であれば、リスクはそこまで取らずに済むとの考えなのかも知れません。

しかしリスクがない分、手形の割引より利ざやは少なくなっています
銀行は、新サービスに利益を取られ、今まで取れていた利ざやを出せなくなっているわけですから、彼らの存在感も薄れていると言えます。

この仕組だと、十分に現金を積んでおけば信用保証会社でも投資家になれるわけですし、銀行も今までのやり方やリスクの取り方を踏襲した殿様商売では、だんだんと要らない存在になりそうです。

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銀行外しが着々と進む① - 債権補償の充実化

その昔、本ブログにて信用創造についての記事を書きました。
そこでの主張としては、経済危機時において「銀行を救う必要はない」と言う事でした。

理経済:何故銀行を救うのか?④ - 銀行なんて放っておけ

最近の新サービスを見ていると、これを後押しする様なものがしばしば見られる様になりました。

企業格付け会社のリスクモンスターは取引先企業が倒産した際の焦げ付きを補償するサービスを29日に始める。月1万円の利用料で、倒産企業の格付けに応じて最大500万円を支払う。格付け会社による同様のサービスは珍しいという。3年以内に1千社の利用を目指す。
>>リスクモンスター、取引先の倒産時の焦げ付き補償

債権保全サービス「Secured Monster」のスキーム

リスクモンスター:Secured Monster

格付会社以外では時々ありますが、裏で格付もセットで行ってくれるのは良いですね。
A格から遠いほど補償額が小さくなる為、補償金の期待値はコントロールされている様ですが、使い方次第でメリットがありそうです。
個々の会社同士の掛けや手形決済が増えそうです。

さて、こういったサービスが流行ってくると困るのが銀行です。
彼らは貸付により信用創造を行っているわけで、経済的に重要な位置にある事から守られています。

しかし、個々の企業間で掛取引等が活発化し、さらに電子化が進んで、特定の場所で差額決済をされ出したら、銀行の地位は相対的に低下します
直にどうにかなるというわけではないでしょうが、影響力の低下は避けられないでしょう。
経済危機の際に救済もされる確率も低下します。

電子化によるコストカットも手伝って、リスクモンスターの様な補償する側は薄利多売でもやっていける様になりますし、今後の新規参入も多くなるでしょう。
銀行への逆風は早々収まりそうにありません。

尤も、このサービスにしても、補償を行う会社の後ろには保険会社や銀行が付いているはずです。

昨今では低金利化のあおりで貸出等の間接金融からの利益が減ってしまい、格付の低い社債や証券化商品がかなり売れています。
保険や信金はもとより、当の銀行までも債券等直接金融に傾倒しています。

見方にもよりますが、自分で自分の首を絞めている様に思います。
低金利が続く限りこの構造は変わらないでしょう。

続く…

理経済:銀行外しが着々と進む② - 証券化ビジネスのネット化

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米国の採用面接の変化 - 実質定年が下がっている

昨今のアメリカでは、賃金の伸び率の停滞からか、就職面接の際、早々に給料の話が出る様になっているです。
求職者と雇用主の給与提示額が大きく食い違っている場合、選考プロセスを進めるだけ無駄になるからです。

電子エンジニアとして20年余りのキャリアを積んだピート・エドワーズさん(53)は6ケタに上る給与をもらっていた。だが今、レイオフで仕事を失い、求職中のエドワーズさんにとって、前職の高給が重荷となっている。…(中略)採用担当者らは給与について早めに聞くことで、人件費を抑える一助になると指摘する。…(中略)…応募者をふるい分けるこの方法は賃金の伸びが停滞するひとつの要因かもしれないと分析するアナリストもいる。
>>高給取りは門前払い-再就職に苦しむ求職者

1時間当たりの米平均賃金の前年比の推移  年齢別にみた前職と転職後の1時間当たりの賃金比較
左図:1時間当たりの米平均賃金の前年比の推移
右図左:失業期間別にみた最終後の給与額の増減(グレー:減額、クリーム:同じ、緑:増額)
右図右:年齢別にみた前職と転職後の1時間当たりの賃金比較(2012年)

アメリカにもデフレの足音が近づいているのでしょうか。
賃金の伸び率の鈍化が消費を抑え込みインフレ率を下げる事にもなるのですが。

この面接手法はある意味合理的なわけですが、一方で妥協点を満足に探らない為、賃金を抑え込む形になりがちです。

雇用主と求職者の提示額の乖離に対し、許容額を何処に設定するのかにより、影響は大きく異なるでしょう
この匙加減は相当微妙でしょうから、雇用主が安きに流れるのは致し方ないとも言えます。

さて、これによる問題や弊害は多々あると思いますが、私が気になっているのは、この記事に出てくるエドワーズさんの様な、年齢の高い方々についてです。
ポイントは定年の年齢

日本では一般的な定年制度ですが、アメリカでは年齢による差別が禁止されている為、定年がありません
この為、本人が希望する限り働き続ける事が出来ます。

シニア活用:世界の定年制―アジア~アメリカ~ヨーロッパ―
ガベージニュース:米平均退職年齢は62歳に上昇、でも「66歳まで働きたい」

しかし、この話には続きがあり、年齢による定年は無いものの、給与水準による「自主的」な定年退職があります。
「自主的」なので、その年齢は経済状態によって変化します。

年齢の高い方は、それだけキャリアも積んでいますから、給料も高くなりがちです。
いずれかの段階でキャリアに対する給与と会社側が求める給与の乖離が大きくなります
労働者はその段階で給与水準を大きく下げるか、定年退職するかを考えるわけです。

今回の事例を見ると、長引く不況から来る賃金の伸び率の低下から、このキャリアに対する給与が下がっている様に見えます。
採用方法が変わっているだけにも見えますが、それはある種の方便で、本質はキャリアに対する予算が削られているというのが実態なのではないでしょうか

そしてこれはアメリカの実質の定年年齢が、次第に下がってきているとも言えます。
キャリアを積みすぎると、日本の定年延長の様な形で賃下げに甘んじるしかないわけです。
決して良い状態とは言えませんね。

そして、定年間近だった労働者からすると、当初60歳そこらまで働いて老後の資金を貯める予定だったのに、梯子がはずされてしまったわけですから、老後の不安は大きそうです。
低賃金でも良いからと、労働市場に逆流してきて、混乱が起きそうです。

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日本の10年国債がマイナス利回りに - 低金利の弊害

マイナス金利(事実上)導入された日本ですが、今日はついに10年国債の落札利回りがマイナスになってしまいました。

財務省が今日午後に発表した表面利率0.1%の10年利付国債(342回債)の入札結果によると、平均落札利回りがマイナス0.024%、最高落札利回りがマイナス0.015%と、ともに初のマイナスとなった
>>超長期債が大幅高、20年・30年・40年利回り最低-10年入札通過で安心

落札利回りがマイナスと言う事は、平たく言えば、借入額より返済額が少なくなる事です。
100万円借りたら、10年後に99.9万円返済すれば良いわけですから、借りている側の日本政府は借金をすればする程利益が出るわけです。
日本政府は笑いが止まりませんな。

さて、これはこれで重要ですし、マイナス金利が導入された事もニュースである通り重要です。
しかし、もっと重要なのは異常な低金利が続いており、しかも一段の金利下落が予想される事です。

こちら↓は10年金利の長期の推移(月足)です。
長期のトレンドを見ても延々と金利の低下が続いている事がわかります。

1988年からの金利の推移

DreamVisor.com:551 長期金利 (為替・債券 )

教科書的に言えば、金利を下げる事で企業はお金が借り易くなり、生産を拡大させ経済は良くなると言う様に言われますが、それは金利が一定程度高い水準にあり、経済学がまともに機能している時の話しです。

ここまで金利が低くなると、リスクの高い中小企業に貸し出しても高格付の企業に貸し出してもあまり差が出なくなってしまい、結局高格付の企業にばかり融資が集まってしまいます

また、大手と中小への貸出金利差が縮む事で融資が薄利多売になりやすくなります
しかも、今後さらに事態が酷くなる可能性あります。

そうなると少人数で多くの資金を動かせる、金融商品への投資に業務がシフトしていきます。
公募債への投資なら、融資の様に対象企業へ訪問したり、ニーズを聞く必要もありませんから少ない人手で大量の銘柄を捌けます。

こうして中小企業への貸し出しは少なくなっていきます。
こちら↓は金融機関の貸し出しと預貯金の比率を表した「預貸率」の推移です。

預貸率の推移

国土交通白書2014:民間金融機関の国債保有残高と預貸率の推移
理経済:お金がさっぱり回らない

100%に近い程、預金を金融機関が貸付に回していると言う事です。
通常、金融機関(特に銀行)は顧客から預かった預金を、別の企業や個人への貸付に回しますが、これが低いという事は、貸付がうまく行われていないという事です。
これが信用創造に繋がるわけですね。

もちろん、企業側にニーズが無いという事も考えられますが、世界と比較しても非常に低い事を考えると、景気や企業の問題だけではない事は明らかです。
社債等の直接金融にシフトしているとも考えられますが、金融先進国のアメリカより発達しているとも思えません。

世界の銀行預貸率

日本銀行:アジアにおける金融:バンキング・ビジネスと資本市場 PDF
Murray Hill Journal:預貸率の国際比較 from 日銀資料
白川前総裁のコメント

個人の自己防衛による預金増もあるでしょうが、貯蓄から投資へとか言っている昨今に、この預貸率は酷いです。
如何に融資をしていないかが良くわかります。

以上の様に、経済学は現在の様な異常な低金利ではうまく事態を説明できていません。
経済学は過去からの経験に立脚しているのですから、現状を見て適宜修正しないといけないはずなのですが、不思議とお金をばら撒けば何とかなるという部分は見直されず、緩和を求める声は大きいままです。

マイナス金利の解説は大量にされていますが、意外と貸し出しがうまくいっていない事実や経済学がまともに機能しない状況にある事は報道されません。

マイナス金利も大事だとは思いますが、問題とは往々にして随分前から芽が出ているものです。
それにばかり目を向けていると、長期の流れを見失う気がしてなりません。
マイナス金利など、このトレンドの前には小事にすぎません。

日銀前総裁の白川さんはこの辺りの事を正しく理解していた様ですが、大衆には勝てませんでした。
現在の金融政策は、むしろ経済にとって逆効果としか思えませんな。

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英国が男女の賃金格差報告を義務化

イギリスで、男女の報酬格差を義務付ける方針が打ち出された様です。

英国政府は13日までに、男女間の報酬格差を是正する対策の一環として同国の企業に対し2018年から報酬やボーナス支払額での差額に関する詳細な情報提供を義務付ける方針を決めた。…(中略)…これらの情報を使い、政府は報酬額における企業別の男女格差に関する一覧表を作成し、公表に踏み切る方針。
>>男女の報酬格差、18年から報告義務付け 英

男女の報酬格差

日本でも統計はとられていますが、ざっと調べる限り、どうも報告義務は無い様なので、正確性には疑問符がつきます。
そういった面で、この様な義務は良いと言えますが、企業には手間が増えるだけなので、あまり良いとは言えませんな。
メリットとデメリットの差分はどの程度なのでしょう。

英国はこれにより、女性社員の報酬の「相場」を示し、個々の企業が極端に低い給与設定にしない様にしたい様ですが、さて、どうなる事やら。
特に、日本の様に、そもそも平均が低い場合は、効果が限定的になりそうですし。

ちなみに、こちら↓は女性の収入が、男性のそれに対しどれ位あるかを示したものです。
日本の女性は男性の半分しかないみたいです。

男女の報酬格差の日米比較

HUFF POST:女性の年収、低すぎ? 日本はこの30年、男女の格差が埋まっていない

日本では女性労働力率 M字カーブになっている事が知られています。
高収入になりやすい管理職への道も、M字カーブの谷の部分で閉ざされる事が多く、報酬が低いままとなり、格差は広いままです。

前述のものとは統計方法が違う様なので一概に比較は出来ませんが、日本は米国が著しく低いのは間違いないでしょう。
比較対象が少ないのです確実ではありませんが、これに関する日本のレベルは、世界的に見て最低クラスの様です。

英国の様に報告を義務化したら、こういったものも、少しは緩和されるのでしょうか。

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サウジアラムコが上場検討中

サウジアラビアの石油公社「サウジアラムコ」が上場を検討しているそうです。
今の時期に上場しても見入りは少なくなってしまうと思うのですが、そこまで追い詰められているのでしょうか。

世界最大の石油企業であるサウジアラビアの国営サウジアラムコは9日までに、同社もしくは一部の子会社の株式上場などを含む民間投資の受け入れ策を検討していることを明らかにした。…(中略)同社は世界の原油生産量のうち12%を占める。確認済みの埋蔵量でも世界全体の約15%に当たる約2610億バレルを押さえている
>>財政難のサウジ、国営石油の上場検討 時価総額数兆ドルか

理経済:サウジアラビア通貨庁(SAMA)が投資資金を引き上げ

国家の収入を確保するため、四苦八苦している様です。

株式には発行市場流通市場があります。
ざっくり言うと、流通市場とは皆様が普段売買しているであろう、東京証券取引所等の取引が出来る場所・システムです。

一方発行市場はIPOやPOなど、取引所で取引される前に行われる株式の売買(募集・売出)です。
個人も参加できますが、大部分は金融機関等の機関投資家内で行われます。
会社にお金が入るのは、この発行市場での金額が基準となります
その後株価(流通市場での評価)が上昇しても、必ずしも企業にお金が入るわけではありません。

詳細はこちら↓をご覧ください。

日本証券業協会:株式投資編
金融大学:発行市場と流通市場

サウジアラムコの収入源は、(当たり前ですが)ガソリン・ディーゼル(軽油)・重油に偏っています

サウジアラムコの製品構成

サウジアラムコ:2014年 年次報告書 PDF

石油価格の下落は収入に直結しますし、将来性を示せず、発行市場での価格が下がってしまうのですが、それでもがんばる様です。
サウジも相当追込まれている様です。

まあ、そうは言っても採算ラインは1バレル6ドル程度の様ですから、ドル箱なのは変わりない様ですが。

サウジアラビアの原油生産直接コスト

Market Hack:サウジ・アラムコがIPOを検討

それにしてもサウジは追詰められている割には原油の減産を支持していません。
シェールやイランの原油輸出を恐怖しているのでしょう。
日本も、今は原油が下がっていて油断していますが、将来的にはOPEC側の寡占が進んで、前より厳しい事になりそうです。

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ギリシャのデフォルトが心配② - 窓口機能の低下と立場悪化

シリーズ後編です。
前回は移民を労働力に繋げる事は、その国の製造コスト等を抑え、競争力を高めるというメリットを書きました。

理経済:ギリシャのデフォルトが心配① - 移民を労働力にするメリット

さて、では何故これらの内容がギリシャの立場の悪化させ、ひいてはデフォルトに繋がるのでしょうか。
それは、北アフリカからの移民受入時の窓口としての価値が下がったからです。

難民のドイツ流入のルートは、概ねギリシャを経由するルートとなっています。
フランスやイタリア等の移民(難民ではない)を受け入れたい国は、移民には一旦ギリシャを中継してもらい、落ち着いてから地中海諸国に散らばってほしいと思っていたのではないでしょうか。

異文化を持つ人々はゆっくり自国に取り込まないと、自国民と軋轢が生まれます
実際ドイツがそれで大変な思いをしました
フランスやイタリアは、ギリシャと言うクッションを使って、慎重に取り込むつもりだったのでしょう。

そう考えると、先日のギリシャのデフォルト騒動で、支援賛成国と反対国がどの様な利害の下、分かれたのかがわかります。
すなわち、支援額を損金としても、ギリシャを対アフリカ(行く行くは中東諸国も)の窓口とさせる事により、自国に利益があるのか否かと言う事です。

こちら↓は先日のデフォルト騒動の際の賛成国と反対国、中立国です。
賛成国と反対国が、ほぼ北と南、と言うか地中海に面しているか否かで別れている事がわかります。
ギリシャがやばくなったら飛び火しそうなポルトガルでさえ、反対しています。

ギリシャ支援賛成国・反対国

赤:支援賛成国、青:支援半大国、茶:中立国

大和総研:ギリシャへの最後の審判の日 PDF より作成。

地中海に面していれば、ギリシャから船を使って安価に、そして大量に人が運べますから、出稼ぎ労働者が多かった場合でも、移送は可能となります。
賛成国は、予定のシナリオ通りなら自国への恩恵が大きくなる為、ギリシャに抜けてもらっては困ると思ったのではないでしょうか。

ところが、移民が難民化してしまった事で事態は急変。
国の都合にお構いなく難民が押し寄せて来た為泡を食っているのでしょ。
自国ではうまく取り込めず、ドイツに先を越されているわけです。

ここで最初の話題を思い出してみます。
お題はギリシャの立場だったわけですが、ギリシャ支援国は元々アフリカとの窓口としての役割を期待していたわけです。

しかし、その窓口の機能は、色々あって低下しているのが現状です。
そうなると、支援国から見れば、旨味が少なくなっており、支援額と支援による恩恵を、再度天秤に乗せる事になるでしょう
恩恵が減っている分支援額は下がり、つられてギリシャのユーロ残留の意義が揺らぐわけです。

先日ギリシャがデフォルトせずユーロに残留した為、一旦この件は収まっていますが、2,3年経って再びデフォルト懸念が台頭するでしょう。

それまでに何があるのかわかりませんが、その時、きっとこの件が各国首脳の頭によぎり、マイナスポイントとなるでしょう。
だから問題を先延ばしすべきではなかったのに…。

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ギリシャのデフォルトが心配① - 移民を労働力にするメリット

難民を受け入れているドイツですが、企業達は敏感なもので、早速低賃金労働者としての取り込みを始めている様です。
これを見ていると、ドイツ企業の貪欲さを思うと共に、ギリシャの立場の悪化が気になります

ドイツに100万人近い移民・難民が流入している中、ドイツ企業は先を争って彼らを新たな労働力として確保しようとしている。だが、新規労働力というこの新たな鉱脈は様々な課題も投げかけている。
>>難民を労働力に-人材確保に走るドイツ企業

EUの難民受入数

朝日新聞:難民16万人、EU加盟国内で割当案 中・東欧は反発

本題に入る前に、まず移民受け入れによる経済的影響を書きます。

国家にとって、低賃金労働者の存在は見過ごせないポテンシャルを持っています
自国の生産品のコストを下げる為、国際的な優位性が出ます。

日本では低賃金労働者の取り込やそうしない場合の対策が、国民の反応も薄かった為か、手薄になっていました。
この為派遣による強制低賃金化や、中国等の低賃金国への工場移転が行われました。
結局、国内消費の落ち込みを招き、経済が低迷しがちになる一因を作っています

一方ドイツは、自国民の賃金上昇による企業のコスト増や、それに伴う企業の海外移転を避ける為、EUに加わったポーランドやチェコなどの東欧の出稼ぎ労働者を取り込みました
ポーランドからの労働者だけで、2007年時点でドイツには約50万人、英国には70万人が流入しています。

ポーランドからの出稼ぎ先

単位:千人

岡山大学:EU加盟に伴うポーランド人労働者の域内移動分析 PDF

労働者は自国よりも高い賃金(ドイツ人よりは安い)で働けますし、稼がせる側の国も、仕送りを通じて国内の景気が良くなる為万々歳(※)です。
※自国内で賃上圧力が高まる為、事業者からの不満はある様ですが。

この要因だけではないものの、この様な事情もあってドイツは成長率の維持を行っていました。
しかし、東欧の経済が成長してくると、こういった旨味もなくなってきます

また、ドイツや海を挟んだ所にあるイギリスは良いですが、フランスやイタリアには恩恵が少なくなっています。
そこで目をつけているのが北アフリカ。
EUは、欧州とは呼べないにも関わらず、北アフリカに接触を図っていました。

ジェトロ:EU の対アフリカ戦略 ~FTA 交渉を中心に~ PDF

おそらく、取り込みのための初期のステップなのでしょう。

さて、では何故これらの内容がギリシャの立場の悪化に繋がるのでしょうか?
長くなったので続く…

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