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記憶と運動の関係についての疑問② - 運動は記憶に良いのか悪いのか

シリーズ後編です。
本題の私の疑問について話したいと思います。

理経済:記憶と運動の関係についての疑問① - 海馬と大脳皮質

脳の記憶領域は、海馬と大脳皮質の2箇所で行われているとの事。
海馬は短期記憶、大脳皮質は長期記憶に優れており、記憶は一旦海馬に溜められた後、一定時間経つと大脳皮質に送られます
この時間は運動をする事で短くする事が出来るそうです。

しかしここで疑問。

そもそも何故記憶媒体を分ける必要があるのでしょうか?
もし大脳皮質と海馬で記憶の脳科学的な意味で仕組みが同じなら、そもそも分ける必要はありませんから、大脳皮質での記憶方法と、海馬での記憶方法は異なるのでしょう。
また、短期記憶と長期記憶という区切りがあるという事は、この2つは似ている様で違うのでしょう。

さて、これについて自分なりに考えてみました。

件のNHKの番組では、脳の記憶構造をPCに例えていました。
PCの記憶構造の特徴は、CPUの処理が近い媒体から順に高速処理ができ、代わりに高価で容量が小さくなっています。

PCの記憶の仕組み

パソコンの仕組み:キャッシュメモリの仕組み
基本情報講座:基本情報技術者講座 キャッシュメモリーを使用した実効アクセス時間の計算

より多く使うデータ程キャッシュメモリによせて行く事で、少ない容量でもデータ処理速度をそこそこ早くする手法で、人類の知恵とも言えます。

思うに、脳の構造も実はこの仕組みが使われているのではないでしょうか。
海馬はキャッシュメモリにあたり、高速で処理できる代わりに容量が小さく、それを補うために大脳皮質がバックアップし、頭の容積を効率的に使っているのではと考えます。

調べてみると、海馬と大脳皮質の違いは出てきませんが、短期記憶と長期記憶の違いは出てきました。

記憶の2成分理論

うめっきぃ=umekkii:ヒューマンモデリングⅡ PDF

これを見ると短期記憶の方が記憶時間が短い代わりに想起速度が高く、「聞かれればすぐ答えられる」という状態にあり、長期記憶はその逆である事がわかります。
両者の機能が同じと言う事はないはずであり、その能力にも差があってしかるべきでしょう。

もしそうだと仮定すると、短期記憶と長期記憶は役割が変わってくる為、運動をして早めに記憶を海馬から大脳皮質に移すのは非効率かもしれません。
職業によっては記憶が直に呼び起こせる様にしないといけませんから、運動を少し控えた方が良いかもしれません。

まあ所詮素人考えなので何とも言えませんが、この辺りについて、是非教えて欲しいものですな。

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記憶と運動の関係についての疑問① - 海馬と大脳皮質

NHKのサイエンスZEROで、記憶のメカニズムが紹介されていました。
現在では、人の記憶について随分わかってきている様です。

この調子だと、漫画や小説の様に、記憶を人に転送したり、頭から引っ張り出したりするという時代もそう遠くはない様です。
良いか悪いかは置いておいて。

海馬と大脳皮質

サイエンスZERO:“記憶”のミステリー ~最新脳科学が解き明かす記憶の正体~

番組の内容はと言うと、記憶は脳の中の海馬大脳皮質によって行われるというものです。
海馬は今起きた出来事や内容を記憶し、一定時間経つと大脳皮質へと情報が転送されます。
大脳皮質は海馬と比べ容量が大きく、また長期の記憶に有利なのだそうです。

番組では、不慮の事故により海馬を摘出した男性の話が出てきました。
男性は最近あった出来事や、今聞いたばかりの看護婦の名前や顔を忘れて(記憶できない)しまいます。

しかし看病に来た両親の顔は忘れていない点や、歩いたり食事を取ったり等、日常的な行動については問題なくこなせる事から、記憶の全てが無くなった訳ではなく、長期的に行われていた記憶は残っている事がわかりました。

そこから、上述の様に記憶は事象からの「経過時間」によって海馬に記憶されたり大脳皮質に記憶されたりする事が言えるわけです。

番組ではこれをPCに例えており、海馬がPC本体、大脳皮質がバックアップの外付けHDDとしています。
記憶が海馬から大脳皮質に送られると、海馬の中からは消去されます。

学習後の時間経過に伴い、記憶を想起する際に必要な脳領域が変化する

科学技術振興機構:海馬における生後の神経新生が恐怖記憶の処理に関わることを発見

また、この記憶の転送は、神経新生という脳内の代謝により行われ、通常28日程度で転送が完了するそうです。
しかし、この神経新生はある程度コントロールが可能で、運動する事により、より早く転送が完了します

筑波大学:記憶を高めるには軽運動が有効!~軽運動が記憶を高める分子基盤の一端を解明~ PDF

海馬と比べ、大脳皮質の方が用量が大きく長期間の記憶に優れている為、運動する事で記憶の定着率をあげる事が出来るのだとか。
最近は、仕事の帰りがけに運動に行く人が多い様ですが、体調を整える事以外にも記憶の定着にも有効なのかも知れませんね。

さて、これを前提とした上で考えてみると、ある疑問が生まれます。
長くなったので続く…

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触媒の高耐久化に成功

また九州大学燃料電池の改良技術を開発したそうです。
毎週の様に新しい技術が生まれるあたり、日進月歩という言葉が良くあいます

九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所I2CNERの研究グループは、低温加湿下で発電する固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)の電極触媒の作製法を工夫することで、耐久性の飛躍的な向上に成功したと発表した。…(中略)…市販の触媒を用いた場合では起電力が5000サイクル程度で半減するのに対し、開発した電極では120倍となる60万サイクル後でもほとんど起電力の減少が見られなかったという。
>>燃料電池の耐久性を120倍に、実用化が近づく触媒技術

PEFCの触媒 PEFCの触媒2

九州大学:固体高分子燃料電池の飛躍的な超高耐久性実現-「不死身化」に向けて-
理経済:九州大学が白金の代替触媒を開発

触媒はFCVの高コストの原因な様で、コスト低減の為の技術開発が進んでいます。
120倍もの耐久度があるのでしたら、車自体の寿命にも繋がり、FCVの低コスト化だけでなく、中古車市場の活性化にも貢献しそうです。

中古車市場の活性化、すなわち流動性の向上は、新車の実質的価値も高まりますから、市場全体にも好影響でしょう。
エネファームの様な自宅用発電機にも応用がききそうです。

FCVの次のモデルが出る頃には、もっとお手軽に、お安く購入出来る事に期待が高まりますな。

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二項分布の利用法② - 確率分布に分散投資

シリーズ後編です。
まずは解説から。

理経済:二項分布の利用法① - 幼き日の疑問

まず見ていただきたいのはこちら↓のグラフ。
これはその成績が何%の確率で発生するのかを計算したものです。

二項分布1

確率(確率質量関数 )は、nCk・P^k・(1-P)^(n-k)で計算されます。
詳しくはこちらをご覧ください。

高校数学の美しい物語:二項分布の平均と分散の二通りの証明

例えば、5人チームで全員が成功し、平均飛距離2mを出す確率は59%、6人の場合は53%という事を表現しています。

ついでに、5人と6人だけだと劇的な差が見えないので、100人で同様のゲームを行った場合の結果も掲載しています。
その場合、平均距離2mを出す事はほぼ不可能という事になりますが、一方で0mに近い所の確率もほぼ0になります。

平均飛距離1.3mラインだと、6人なら10%ですから、勝てる可能性を捨てる代わりに負けるリスクも抑えられます。
結果、期待値である1.8m(2m×90%)に値が集中しています。

ちなみに、100人組のデータは低確率にへばりついている様に見えますが、これは1点毎に確率が設定しているからです。
100人組は概ね連続分布の様になるので、(厳密ではありませんが)面積が1になる様になりますが、5,6人の場合は離散分布になる為です。

こうやって見ると、6人チームの方が最高値である2mを飛ぶ確率が、5人チームより6ポイント小さく、決して公平とは言えません。
よって前回のゲームが公平化不公平かという問いの答えは「不公平」となります

100点満点のテストで、クラスの半数だけが6点おまけされてたら、私はずるいと思いますね。
私が当時引っかかっていたのはこの部分だった様です。
この差を回避するためにはチームの人数差がほぼなくなる様にする(100対101とか)か、失敗した場合は再度の挑戦を認め、成功率をほぼ100%にするかです。

とは言え、6人組だと低い記録が出難いと言うメリットもあります。
また、6%の差異を大きいと捉えるか小さいと捉えるかは人によるでしょう。

これを投資に例えれば、(厳密ではありませんが)他の銘柄より6%高い確率で上昇すると言う事ですから、十分投資対象になると考えます。
よって2問目の私の回答は「5人チームに賭ける」となります。

子供の頃の疑問はこの様なロジックで解明されました。
スッキリ♪~ヽ( ´ー`)ノ

さて、ではこれがどういう風に投資に役立つかというと、分散投資に役立ちます
投資の格言に「卵は一つのカゴに盛るな」と言うものがありますが、感覚的にはわかるのですが、確率論で見ると一目瞭然です。

例えばこちら↓は成功率が70%の場合です。

二項分布2

成功率が少し下がると、結果が0mとなる様な確率が結構あります。
株式の様なリスクの大きい金融商品の場合は、リスク・失敗確率をコントロール為に分散が有効というわけです。

逆に、社債やソブリン債の様にリスクが小さい・成功確率が高いものの場合、必ずしも分散が有効に機能しなかったり、足を引っ張る結果になる場合があります

かつて、投資王バフェットは「分散投資は、リスクヘッジではなく無知に対するヘッジ」と語っていましたが、あるいはこう言った点を表現したものなのかもしれませんね。
企業を分析しつくし、絶対の成功を確信しているのであれば、分散はむしろ失敗要因です。

証券会社に行くと屡分散しろと言われますが、こう言った確率論的な背景を押さえて聞いた方が、自分にとって分散が有効なのか判断できるでしょう
もし営業マンに国債も分散投資とか言われたら、この辺りについての意見も聞いてみてはいかがでしょうか?

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九州大学が白金の代替触媒を開発

九州大学燃料電池用触媒である白金の代替品を開発したそうです。
九州大学と言えば、メタンを燃料電池に使う理論を発見するなど、FCV関連に積極的ですね。

燃料電池の電極に使われる白金(プラチナ)に代わる正極側の触媒の開発に、九州大の小江(おごう)誠司教授(生物無機化学)らの研究チームが成功した。負極側はすでに開発済みで、両極がそろったことで、より安価な燃料電池の開発が可能になる。…(中略)…化学反応をさせるのに必要なのが、正負の電極に使われる触媒だ。通常は白金が使われるが、価格が鉄の10万~100万倍と高価で、埋蔵量も限られるのが難点とされる。
>>燃料電池コスト減へ 白金の代替触媒開発 九大チーム

九州大学:非貴金属分子触媒で水素の活性化に続く「酸素の活性化」に成功
理経済:九州大学が高効率な燃料電池を設計

白金と燃料電池

田中貴金属:燃料電池(固体高分子形)の原理と白金の役割

ハイブリットカーの排ガス対策としてプラチナが使われているのは有名ですが、燃料電池にも触媒として使われている事も一部の間では有名で、より効率的で安価な素材の研究が産学連携で進められています

こちら↓で示す様に、基本的に白金(元素記号:Pt)含有量が多い程、その触媒として影響力が強く、電圧に対する発熱(※)が少なくなります。
※中学校でやったオームの法則で出てきたやつです。

プラチナの含有量と電気抵抗

asta muse:スパッタリング蒸着した白金および白金合金の電極を有する燃料電池
産総研:固体高分子形燃料電池の高性能触媒を開発

この為燃料電池の製造には、記事にもある様に一定程度のプラチナが必要となり、水素自動車の費用を押し上げているわけです。
コストの逓減の為にも大切な研究と言え、今後の発見にも期待ですな。

ちなみに、一口に燃料電池と言ってもいくつか種類があり、白金を必要としないものもあります。

燃料電池の種類

高度情報科学技術研究機構:燃料電池発電技術の研究開発 表2

トヨタのMIRAIやホンダのFCスタックは固体分子型なので、プラチナはもろに関係してきます。
高効率で安価な技術の開発は水素社会を推し進める上で、重要な位置を占めるでしょう。

トヨタ自動車:テクノロジーファイル
HONDA:V Flow FCスタック

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微生物の活用法② - 触媒への転用

シリーズ後編です。

前回はメタンハイドレートとはどういうものかについて記載しました。
今回は、その過程において微生物がどの様に関わっているかと、新発見の微生物の活用法について記載します。

理経済:微生物の活用法① - メタンハイドレートと微生物

メタンハイドレートは地下では固体化している為、このまま大量に吸い上げる事は困難です。
そこで登場するのが微生物です。
現在、メタンを分解し栄養とする微生物がいる様だとされていますが、これをハイドレート層に注入する事により、気体化させて吸い上げる方法が検討されています。

メタンハイドレートの開発 メタンハイドレートの開発2

小出仁:地中メタン生成古細菌によるカーボン・リサイクルの提案 PDF
安藤明:インヒビター注入によるメタンハイドレートの相平衡条件及び分解挙動に関する研究 PDF

この様な抽出の為の触媒的な存在をインヒビター(分解促進剤)といいます。
メタン生成の微生物は現在研究中だそうで、まだこれらは研究段階ですが、この微生物の発見が世界のエネルギー情勢を大きく変える事となるでしょう。
微生物が世界を変えうるわけです。

翻って、今回発見された微生物のミソは、電気を食べるだけでなく二酸化炭素を同時に吸収するという点です。
それをたんぱく質等の有機物に分解するわけです。

現在、地球温暖化の兼ね合いで、CO2を砂利等と混合させ、地下に貯蔵しようというプロジェクトが進んでいます。

CO2の地下貯蔵

経済産業省:CCS2020 PDF

一定の所まで貯まったら、この微生物を注入し、液体の形で有機物を取り出せれば、地下のCO2も有効活用が出来そうです。

この様に、微生物を触媒の如く活用する事で、新たな可能性を開く事が出来るでしょう。
更なる研究に期待ですな。

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微生物の活用法① - メタンハイドレートと微生物

理研が電気で生きる微生物を発見したそうです。

共同研究チームは、電気エネルギーを直接利用して生きる微生物を初めて特定し、その代謝反応の検出に成功しました。…(中略)…本研究により、鉄酸化細菌の一種であるA.ferrooxidansは、鉄イオンの他に電気をエネルギー源として利用し、増殖できることが明らかになりました。この結果は、電気が光と化学物質に続く地球上の食物連鎖を支える第3のエネルギーであることを示すと同時に、二酸化炭素の固定反応に関わる微生物代謝の多様性を示すものです。
>>電気で生きる微生物を初めて特定

A.ferrooxidansの顕微鏡像 微小の電力を使って生きる生物の代謝経路

電気を吸収しCO2を別の物質に変えてくれるのは、今後に期待できそうですね。

さて、これが凄い発見であると言う事は多くの方が認識している事と思いますが、ではこれが具体的に何に使えるのか、というのは中々回答に窮する所でしょう。
これは科学全般に言える事で、ニュートリノの研究でノーベル賞を取った小柴教授も、自身の研究を「まったく役立たない」としています。

幸いにして微生物は様々な可能性を秘めており、実生活への貢献も期待できます。
その筆頭がメタンハイドレートの開発です。

最近は原油価格が大幅に下落した為、話題性が薄れてしまいましたが、日本の近海にはメタンハイドレートと呼ばれる巨大なエネルギー資源が眠っています

メタンハイドレートとは、メタンが水分子と交じり合って凝固したものです。
見た目は氷なのですが、火を近づけると燃え出す為、燃える氷とも呼ばれています。

水分子がある温度・圧力環境で、かご状の構造を作ります。そのかご構造の中にメタン分子が含まれているものをメタンハイドレートと呼びます。メタンハイドレートのように、何かの分子(ホスト分子)が分子規模の空間(かご構造)を作り、その中に他の分子(ゲスト分子)を取り込むものを包接化合物クラスレートと呼びます。
>>メタンハイドレートとは何か?

メタンハイドレートの結晶構造

これを取り出す事が出来れば、日本国は多くのエネルギーを安定的に入手する事が可能となり、世界情勢に振り回されにくくなり、また企業誘致の材料や輸出資源としても活用できます。
メタンからは水素も抽出できるので燃料電池の活用を促す事にも繋がるでしょう。

良い事尽くめのメタンハイドレートなのですが、問題はこれを大量に取り出す術がまだ確立していない点です
地中では圧力や温度の為安定しているのですが、地上に持って来ようとすると不安定化してしまいます。
迂闊に掘って失敗すると、大量のメタンが大気中に放出される事となります。

メタンの地球温暖化係数はCO2の25倍ですから、温暖化が劇的に進んでしまいます。
5500万年前に海洋生物が大量絶滅しているのですが、これはメタンハイドレートの爆発した事による環境変化が原因である(メタンハイドレート仮説)とする学者もおり、原発以上のリスクを抱えている可能性もあります。
開発は慎重に行わねばなりません。

この抽出技術について、現在最も有力視されているのが、メタンハイドレートからメタンを生成する微生物の存在です。

メタンハイドレートが埋まっているとされる海域では、なぜかベニズワイガニが大量に生息している事が知られています。
メタンハイドレートがある→メタンを食べる微生物が集まる→微生物を食べにベニズワイガニが集まるという構図の様で、この微生物を使う事で、地下深くの固体化であるメタンハイドレートから気体のメタンを抽出できると考えられています。

産総研:新潟県上越市沖の海底にメタンハイドレートの気泡を発見

続く…

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九州大学が高効率な燃料電池を設計

ろくに普及していない燃料電池ですが、九州大学東京ガスが高効率な燃料電池を設計したそうです。
多段スタックにして排気ガス(?)からエネルギーを回収するそうです。

九州大学および東京ガスは7月29日、燃料電池の高効率発電を実現する技術の理論設計に成功したと発表した。…(中略)発電効率が高い固体酸化物形燃料電池(SOFC)を用い、燃料電池セルを多段化。セルスタックを流れるうちに燃料組成も動作温度も変わることを踏まえ、効率が最大となるような構成のパラメーターを最適化した。
>>超高効率、変換効率80%の燃料電池に向けての理論設計に成功

プロトン導電性電解質と電気化学的2段酸化の模式図 2段酸化の各ステージにおける平衡組成と電気化学反応パラメーター

ガソリン車と異なり、排気ガスも燃料となる水素が含まれている為、これを使う事で高効率化が実現できるのだとか。
排出された水を回収するというのは考えましたが、ガスの状態でも利用可能というのは驚きです。

もう一つポイントなのは、水素ガスではなく、メタンガスを直接使っていると言う事です。
メタンから水素を取り出して使うと言う話は前からありましたが、今回は直接メタンガスから発電できる計算になっています。

内燃型エンジンにはガソリンや軽油などの種類がありますが、燃料電池でもそういう燃料の種類が出来るかもしれませんね。
実際に開発されてほしいです。

それにしてもこの電池、よく見ると大量のCO2を排出する様です。
普通の燃料電池でも水素を作る過程でCO2が出るので、なんとも言えませんが、どちらの方が環境に良いのかは検証が必要そうです。
そもそもCO2が温暖化の原因なのかも疑問が多いですし。

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常温核融合が復活していた

似非科学と言われていた常温核融合が、再び日の目を見始めたようです。

常温核融合では、こうした大がかりな施設が不要で、基本的には水の電気分解と同じような簡単な装置で核融合が実現できるとされ、「試験管の中の太陽」とも呼ばれた。だが、ユタ大学での報告を受け、各国で一斉に追試が行われた結果、米欧の主要研究機関が1989年末までに否定的な見解を発表、日本でも経済産業省が立ち上げた検証プロジェクトの報告書で、1993年に「過剰熱を実証できない」との見解を示した。…(中略)常温核融合は似非科学とのレッテルを張られ、ほとんどの研究が打ち切られた。しかし、一部の研究者たちはその可能性を信じ、「固体内核反応」「低エネルギー核反応」、そして「凝集系核反応」などの名称で地道な研究を国内外で続けてきた。
>>「試験管内の太陽」 似非科学のレッテル外れ再び熱気

常温核融合

偽者と言われながらも可能性を信じて研究を続けた方々には頭が下がります。

現代社会において、小型の大容量エネルギー源は極めて重要です。
スマホにせよPCにせよ車にせよ、各々の出来る事が増えた為、より多くのエネルギーを使う様になりました。
小さく大容量な電池がないと、スマホの様に予備の電池を持ち歩く羽目になるわけです。
しかも電気抵抗の関係上、熱によるエネルギーロスも多くなっています。

常温核融合が完成すれば、水素社会をも覆す影響がありそうですね。
夢が広がりますな。

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渋滞を緩和する② - 吸収車を走らせる

前回、渋滞発生メカニズムについて書きました。
自動車は車間距離が詰まると、それが揺らぎとなって渋滞を形成します。

理経済:渋滞を緩和する① - なぜ渋滞が起きるのか

ではどうやって解決すればいいのでしょうか?
一つの解答となるのが吸収車による渋滞緩和現象です。
わざと遅く走る車を走らせる事で、渋滞の発生を防ぎます。
この遅い車が吸収車となります。

吸収車

大阪大学大学院:EcoPacemaCar PDF

態々遅い車なんて走らせたら逆に車間距離が詰まって、渋滞が発生しそうなものですがあら不思議、なんとこの吸収車が渋滞の終点として機能し、長い渋滞ができ難くなります。
結果、渋滞発生を放置するよりも早く目的地に着ける人が増え、社会全体として効率化するわけです。

しかし、話を聞いても、いま一つイメージできません。
これについて、渋滞学の西成活裕先生達が実証実験をしており、確かに渋滞が緩和されている事がわかります。

西成活裕:渋滞のサイエンス PDF

動画を見ると、吸収車がある事で最後尾の車が渋滞に巻き込まれず、スピードも落とす事なく進めます
吸収車の後ろ2台分位はイライラしますが、社会全体としてはプラスになるわけです。

西成さんとJAFが公道で実験していますが、こんな感じで吸収車を走らせると良さそうです。

個人だと結構きついものがありますが、NEXCO等の交通管理隊の黄色い自動車でやれば、他のドライバーの批判も少ないでしょう。
コスト的にはそれ程でもなさそうですし、社会全体の利益を得る為にやってみるのもありだと思います。

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