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2016年9月

最近注目の指数

最近株価が好調で右肩上がりな訳ですが、頭が重い動きも見られます
著名投資家方もS&P500の下落予想や、経済の後退を予想しています。

著名投資家ジョージ・ソロス(86)が米株式市場に対して弱気の見方を一段と強めている。…(中略)…ソロス・ファンドの6月30日時点でのS&P500種株価指数に連動する上場投資信託(ETF)のプット・オプション保有数は約400万口。3月31日時点の210万口からほぼ倍増した。
>>ソロス氏、S&P500種の下落に「倍賭け」

理経済:次の景気後退はいつ? - ジム・ロジャーズの見立

一方で、事実として株価は上昇しているわけで、読み難い相場と言えます。

そんな中、個人的に注目している指数があります。
一つは従前からお話をしている原油です。
一時期に下がりまくったおかげで最近では底堅い動きを見せています

もう一つ、ここ最近注目している指数がVIXです。
1993年から公表されている指数ですが、長期チャートで見ると、現在の水準が歴史的に見て極めて低い事がわかります

VIX指数の長期チャート

世界の株価と為替レート・為替電卓

歴史的に見て最も低い値は10ポイントを少し割る位です(終値ベース)
直近ですと2014年に付けた10.32ポイントです。

では現在どれ位かと言うと12ポイント前後と、かなりの低水準です。
FRBの利上げ懸念から上昇していましたが、利上げなしとわかるとまた急落しています。

この指数は恐怖指数と言う別名からわかるとおり、株価が下落する時に高くなる傾向があります
数式的にはボラティリティを参照するので、下落の時も上昇の時も同じ様に反応するはずなのですが、実際は人間心理のためか下落する時ほどボラティリティが上昇し、指数が跳ね上ります

今後、もし株価が大きく減少するのならば、VIXの値は上昇する事となるでしょうし、反面、これ以上の下落は過去実績から見て、可能性は低いと考えています。

投資していて思うのですが、最大のリスクヘッジは兎に角安く買うor高く売る事だと強く実感します。
良い感じに価格が下がっている現在、私は参入のタイミングを淡々と狙っています。

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日銀の総括検証 - 手のひら返しが酷い

日銀がマイナス金利政策を導入して久しいですが、景気の方はパッとしません。
円安誘導のおかげで旅行者が増え(※)輸出はそこそこ好調な状態ですが、最初に異次元緩和が叫ばれた時の事を思い出すと、随分萎んでしまったなと言う感じです。
※円安誘導も、そもそも製造系輸出業を伸ばしたいという話しだった様な…。

そんな中、これまでの日銀の政策について検証する「総括検証」が実施されるそうです。
経済紙等では、今回の緩和政策の副作用を唱えるエコノミストやアナリストが多い様です。

日銀は20~21日に開く金融政策決定会合で、金融政策の「総括的な検証」を実施する。…(中略)…金融緩和が長期戦となるなか、課題となるのが政策の副作用をいかに抑えるかだ。日銀は今年1月、量的・質的金融緩和に加えてマイナス金利政策の導入を決定。長期金利の低下に拍車がかかり、保険や年金の運用難などで「経済活動に悪影響が及ぶ可能性」(黒田東彦総裁)も出てきた。
>>黒田緩和、枠組み修正へ 日銀20日から「総括検証」

日銀の総括検証

ZDNet Japan:日銀の金融政策を本音で「総括検証」

緩和が開始された当事は随分持て囃されましたね。
ノーベル賞を取ったクルーグマン氏も緩和を絶賛していました。
最近では予想が外れて凹んでいる様ですが…。

さて、日銀の金融緩和の良し悪しについても興味のある所なのですが、それよりも個人的に頭に来るのが、緩和当事に賞賛しまくっていた、あるいは過去に緩和が少ないと叫んでいたアナリストやエコノミスト達の手のひら返しです。

当ブログでは、従前より今の様な異常な金利低下を推し進める事について懐疑的な意見を投稿しておりました。

理経済:金利を下げるデメリット
理経済:黒田総裁の誤算

古い投稿ですと2009年頃から低金利の弊害について書いていますが、当事は日銀に対して緩和しろとの声が各所から上がっていました。

当事日銀の総裁だった白川総裁は利下げを避け続けていましたが、その結果政府だけでなく経済人からも緩和しろと責められ、四面楚歌状態でした。
周りから馬鹿にされているという悲しい状態で黒田総裁に交代させられ、今の緩和路線に入ったわけです。

しかしその経済人達の指示に従った結果がこれです。

もし、当事彼らの言う事を聞いて、何か商品を買っていたのなら、おそらく結構な損をさせられていたのではないでしょうか。
うまく売り逃げられていたなら良いのでしょうが、失敗した方は酷い目にあっているのではと推察します

私の考えとして、金融情報サービスはお客を儲けさせてナンボだと思っています。
売る時は調子の良い事を言って、旗色が悪くなったら逆の事を言ってお客の損など知らん顔というのはあまりに酷いです。

お客は口八丁手八丁で何とかなるのかもしれませんが、それも酷い話です。
ただの早耳だけで、お客を儲けさせられないのなら、そのアナリストのポジションを変えた方が良いでしょう。

まあそれを選ぶのもお客の自由なので、多くは口出しできませんが、損ばかりさせられたお客達は、もう商品を買ってくれません。
貯蓄から投資へと言っても中々投資に移らない一つの理由は、過去に散々損をさせられながら営業マンに逃げられたとか、そういう人が身の回りにいたからなのではと思っています。
それがすべてとは思いませんが、結構影響はあるのではないでしょうか。

こんな後だしジャンケンの様な分析は混乱を招くだけなので、しないで欲しいですね。

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九州・ドライブとダムの旅 2日目 - 熊本ダムめぐり

九州旅行2日目。
2日目は熊本から大分へ横断ドライブです。

理経済:九州・ドライブとダムの旅 1日目 - 熊本観光

天草を早朝に出発し阿蘇山へ。
大分に抜ける為+阿蘇山にあるラピュタの道を見に行きました。

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見に行くつもりだったのですが、曲がる道を間違えて阿蘇山外周を周るだけとなってしまいました(涙)
まあ、他も良い風景だったので良かったのですが、こういう↓風景を見たかったです。

なお、先日の地震で崩落してしまい、無残な状態になっているそうです。
早く元のようになり、立ち直ってくれる事を祈ります。

そのまま細い道を進むこと1,2時間。
日本一美しいダムといわれる白水溜池堰堤、通称白水ダムへ。

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なにげに重要文化財だそうです。
う~ん、天気が良かった事もあり、白が映えて美しいですな。

白水ダムを堪能したので、次は廃墟好きな人が来ると言う沈堕発電所跡を目指します。

途中、原尻の滝に寄って昼食をとりました。
ここは観光客が多く、メジャーな場所のようです。
幅の広い滝(滝群?)があり遠い所から写真を撮ると雄大な感じになります。

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原尻の滝から30分位走って沈堕ダム・発電所跡に到着。
なぜかカーナビに表示されず、道があっているか不安でしたが、何とかなりました。

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廃墟好きには有名だそうで、私もそういったサイトで知りました。

かつて九州電力の水力発電用のダムがあったそうですが、別の発電所が出来た為、その役目を終え今の様になったのだそうです。
他の方の写真を見ると、晴れた日より小雨の位の方が雰囲気があっていいですね。

廃墟の風景:沈堕発電所跡

日も落ち始めましたが、時間があったので、予定を前倒しして由布院の「フローラルヴィレッジ」へ。
前の投稿で紹介して以来、行くタイミングを狙っていましたが、今回の旅行で行く事ができました。

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メルヘンなだけあって、色々な動物がいました。
個人的にフクロウがとても良かったのですが、写真は撮れませんでした。
残念。

温泉に入り宿のある別府へ。
食事をして就寝。
2日目終了。

続く…

理経済:九州・ドライブとダムの旅 3日目 - 福岡滞在

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エタノールの燃料電池 - 日産の技術力停滞が露呈

日産がエタノールを使った燃料電池を作るそうです。

日産自動車は6月14日、バイオエタノールで発電した電気で走行する燃料電池システムの技術発表を行った。希少金属や高圧の水素タンクが不要なため既存の燃料電池車よりも低コスト化が可能で、2020年頃の実用化を目指すとしている。
>>日産、エタノール燃料のFCV技術「バッテリーEVの苦手領域をカバー」

日産のバイオエタノール型FCV

Response:日産、バイオエタノールから発電した電気で走行する新燃料電池システムを発表

これは日産のFCVに対する技術的な遅れが露骨に出ている発表だと思います。

そもそも何故FCVが水素やメタンなどを利用しているのでしょうか
いくつか理由はあるでしょうが、一つは食料との競合があるからでしょう。

2007年~2008年頃、原油が高騰した事を背景にガソリンより割安なエタノールに需要が集中しました。
その結果、エタノールの原料であるサトウキビやとうもろこしの価格が高騰しました

さらにとうもろこし等が高値で売れる様になった事から、大豆農家など、別の作物を育てていた人々もとうもろこし等を作る様になってしまいました
この為、エタノールの材料だけでなく、その他の食料品にまで価格高騰が波及してしまったのです。

その後、アラブの春などの抗議デモや暴動が新興国に蔓延する事となります。
この余波はイスラミックステート等のテロ行為にも派生しています。

食料品価格高騰を一因とする各国の抗議運動や暴動

農林水産省:国際的な食料需給をめぐる動向

もちろん、エタノールを使う事がすぐさま世界情勢を不安定化させるとは言いませんが、大きな影響を及ぼ事はまず間違いないでしょう。

またエタノールを使うと、上述の理由から世界の人口や食糧需要次第で燃料価格が振り回される事になり、ガソリンの二の舞になります。
水素だと、食べられないのである程度安定するでしょうが、エタノールはそうは行きません。

テロの助長をした挙句燃料価格が安定しないのでは、使う意味がありません
各社がエタノールを使わない理由の一つはここにあるのではないでしょうか。

そして、日産がこれを進めるのは技術力の遅れを叫んでいる様にしか見えません。
これだと、開発しない方が世の為人の為になってしまいます。
遅れてはいても、水素系の燃料電池の開発に注力するか、撤退をすべきだと考えます。

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芝浦工大が孫育て用哺乳瓶を開発

段差に強い車椅子を作った芝浦工業大学が、また新しい商品を開発しました。
その名も「ほほほ ほにゅうびん」だそうで、お年寄りでも使いやすい形状になっています。

芝浦工業大学デザイン工学部デザイン工学科の女子学生と橋田規子教授がBABAラボと共同でデザイン開発した、目盛りが見やすく指にフィットして持ちやすい新しい形の哺乳瓶「ほほほ ほにゅうびん」が商品化されました。近年、共働き家庭の増加と保育施設の不足を背景に「孫育て」の機会が増えている高齢者と赤ちゃんの安全を考え、哺乳瓶の落下事故や計量ミスを防ぐ工夫を施した、今までにない視点でのデザインとなっています。
>>シニア世代の育児参加を促す 孫育て用 哺乳瓶 が商品化されました

ほほほ ほにゅうびん  2

COLOCAL:学生がデザイン! 子育てする高齢者に配慮した 哺乳瓶〈ほほほ ほにゅうびん〉
理経済:段差に強い車椅子を開発

BABAラボって(笑)
ネーミングもすごいです。

芝浦工大の商品はアイデア一発な商品が多いですね。
技術的には最先端の○○を使った~という様なものではなく、割と技術科の延長線上で出来そうな商品が多いと思います。

個人的にはとても良い事だと思っています。
兎角、新製品は複雑な新技術や特許が盛り沢山ですが、黒物家電ならいいのですが、こういった身の回りの製品は、意外とちょっとした工夫で売れています

例えば「メロンパンの皮」や「シュレッダーはさみ」もそう言った部類に入るでしょう。
孫の手だって枝の先を曲げただけですし。

真似され易いという欠点はあるのですが、真似される頃には大ヒットしているわけですから、それはそれで採算は取れるかも知れません。
学生にとっても実物が出来るのはモチベーションになるでしょう。

10個出して1個当たるかというヒット率だとは思いますが、続けて行くと良い事がありそうです。

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九州・ドライブとダムの旅 1日目 - 熊本観光

※こちらの投稿は、熊本の震災前に旅行した際の旅行記です。

ふるさと納税で入手したピーチエアのポイントが余っていたので、休みを取って行った事が無かった九州へ旅行する事にしました。
今回はそんな投稿です。

関東からピーチエアに乗る為に成田へ。
ピーチはLCCのため、11時からのフライトと、遅めの時間に出発です。
特に何事も無く福岡に到着。

日時を調整したことで費用は往復で2万円程で済みました
昔は片道で2,3万円はかかったのに、随分と値下がりし便利になったものです。
機内サービスやキャンセル時の対応など、色々不便な事もありますが、この値段なら十分です。

飛行機を降りてレンタカーを調達。
今回はマツダのアクセラハイブリッドを使ってみました。

トヨタの技術提供によって出来たハイブリッドカーだそうですが、どちらかと言うとホンダ系な印象で、あまりハイブリッドっぽくない感じがしました。
ちょっと今一つでしたが、ヘッドアップディスプレイが滅茶苦茶便利で感動しました。
後付できる様なので、是非欲しいです。

さて、まずは腹ごしらえのため、福岡空港近くのラーメン北熊へ。
以前、ロケットニュース24で紹介されており、美味しそうだったので行ってみました。
昼時の為5人ほど待ちましたが、それ程時間もかからず、目的のラーメンにありつけました。

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折角なので、奮発してチャーシューメンを注文。
背油たっぷりな割りに塩気が少ないためか、見た目よりあっさりしてます

腹も膨れたので、デザートを食べる為に熊本までドライブ。
高速道路がすいていた為、ストレスフリーで熊本まで到着しました。

高速を降り、阿蘇山方面にあるアイスクリーム屋「ついんスター」へ。
自称「アイスクリーム業界のブラックジャック」がアイスを作っており、芸術的なアイスが売りだそうです。
一部の人の間では有名なのだとか。

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アイスは乳成分たっぷりでこってり甘うまです。
表面積が大きい為か、普通のアイスより溶けるのが早い様に思います。
個人的には半溶け位が好きなのでうれしいですな。

ちなみに向かいの庭ではヤギを飼っています。
愛称は私のブログネームと同じナルだそうで、名前を呼んで鳴き返してくれると、幸運が訪れるのだとか。

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デザートを食べ終わったので、熊本城へ。

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花より団子な私は、熊本城下の露天街へ行き、食べ歩きをしていました。
馬肉のメンチカツは赤みが多いためか、しっかりとした味がして美味しかったです。
からしレンコンはイマイチ。
お酒と一緒に少量食べる位が良いかもしれません。

ドライブを兼ねて長部田海床路へ。
ここは干潮の時には道ができ、満潮の時には海になる不思議な道路です。
満潮時には、海の中に電柱が立っている様に見えます。

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この辺りは遠浅で、干潮時は船が着けられないそうで、その為干潮時に沖につながる道が出来る様に設計したそうです。
昔、お酒の二階堂のCMで採用された事から、一部の人の間で有名でした。
熊本県のホームページでも紹介されています。

熊本県広報課:びっくまもとスコープ #01 海の上を走るトラック!?編

ちなみに隣りには有名な御輿来海岸がありますが、タイミングが悪く良い景色が撮れませんでした。

なお、千葉県木更津市の江川海岸にも似た様な海床路があるそうです。

ロケットニュース24:【絶景】まるで「千と千尋」の世界! 東京から車で1時間の木更津市『江川海岸』が美しすぎる

時間も遅くなってきたので天草のホテルへ。
夜のドライブをした後、近くのジョイフルで夕食をとり、就寝。
1日目終了。

続く…

理経済:九州・ドライブとダムの旅 2日目 - 熊本ダムめぐり
理経済:九州・ドライブとダムの旅 3日目 - 福岡滞在

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銀行外しが着々と進む② - 証券化ビジネスのネット化

低金利化に加えて電子化の流れから、市中のリスク商品の利益率は日に日に減っている事から、間接金融の担い手であり高い手数料を取っていた銀行をとばして、企業同士がやり取りする様になって来ています。
今回もそんな話。

銀行外しが着々と進む① - 債権補償の充実化

今まで証券会社や銀行が行っていた証券化ビジネスにも、低コスト戦略を使う方々が押し寄せています。

金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックベンチャーのTranzaxは、下請けの中小企業が持つ売掛金を電子債権にして早期に現金にするサービスを8月に始めた。中小に仕事を発注する大企業と共同で金融コストを削減する。…(中略)…債権の割引率は東京銀行間取引金利(TIBOR)に信用力に応じた金利を上乗せした1%前後にできる
>>中小の資金繰り、フィンテックで支援 Tranzax

電子記録債権サプライチェーン・ファイナンス

Tranzax:電子記録債権サプライチェーン・ファイナンス
グノシー:FinTechの流れを後押しする、中小企業用の新たな資金調達システムに注目!

「新しい」と言われていますが、これは所謂売掛債権の証券化と同じ仕組です。
ファクタリングや融資と異なり、SPC等を通じて任意の投資家が債権者となっています。

売掛債権流動化の財務ソリューション一覧

トップマネジメント:ファクタリングと売掛債権証券化、売掛債権担保融資の違い

今までは銀行や証券会社が手間隙をかけてやっていましたが、往々にして手間賃が高くついていました
昔はそれ程高くは無かったのですが、低金利化によって調達金利と比べ相対的に高くなっています。

法的な話も多く、個々の企業に応じてある程度カスタマイズしないといけない為、仕方が無い部分もあるのですが、手間も時間もかかり高くつきます

証券化のノウハウ自体は既にかなり知れ渡っていますから、逆に言えば、個別に改良をしなければかなり低コストで証券化が出来るわけですね。
かつて対面証券や対面銀行の顧客が、同じサービスなら安い方へとネットに流れた様に、証券化でもその風が吹いている様です。

興味深いのは、投資家がいる点です。
このサービスの場合、銀行などの金融機関が短期の融資を行い、数ヵ月後の支払期日には債務者(発注元)が債務を支払う事で金融機関の融資が返済される事になります。

証券化では投資家への説明に手間がかかるものですが、このアイデアだと、ある程度お決まりのリスク説明で投資家がお金を出してくれる様です。
信用力の低い中小企業への融資でも、短期融資であれば、リスクはそこまで取らずに済むとの考えなのかも知れません。

しかしリスクがない分、手形の割引より利ざやは少なくなっています
銀行は、新サービスに利益を取られ、今まで取れていた利ざやを出せなくなっているわけですから、彼らの存在感も薄れていると言えます。

この仕組だと、十分に現金を積んでおけば信用保証会社でも投資家になれるわけですし、銀行も今までのやり方やリスクの取り方を踏襲した殿様商売では、だんだんと要らない存在になりそうです。

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日本の起業環境の悪さはVCにも一因があるのかも

世界を見渡すと、Googleアリババなど、創業年数が浅いにも関わらず世界トップクラスに成長する企業が多く見られます
たった10年で取引所の順位を覆した、BATSもこれらの仲間に入りますね。

理経済:米国の取引所BATSが上場申請

彼らの偉業は猛烈ですが、ある意味では新陳代謝の一環であり自然な流れとも言えます
翻って日本はというと、大きな新興企業がさっぱり出ず、新陳代謝が悪くなっています。

先般大型上場を果たしたLINEも、時価総額1兆円と、すごく大きいとは言い難いものがあります。
しかもLINEは日本で商売をしていますが、どちらかと言えば韓国系ですから、アメリカンドリームならぬジャパニーズドリームの賜物です。
新陳代謝の一環とは言えないでしょう。

なぜそんな事態が発生するのかという事で、しばしば議論がなされますが、よく聞くのは起業の為の教育体制がない事やベンチャー投資家の数が少ない事です。
サラリーマン上がりなので経営者のラインまで行かないと言う事も聞きますね。

HORIEMON.COM:ホリエモン「起業家向けの投資と教育が足りない!」日本から世界的起業家が現れない理由を激白!

起業したての人やしようとしている人に会うと、「社会貢献が~」とか「夢の実現に向けて~」という話になり、儲けたいという話は少ないと感じます。
良く言えばお金にキレイとも言えますが、気持ちで負けている様にも見えます
今一つ貪欲さに欠けるのは、文化というか教育環境の問題なのでしょうな。

そんな中、VC(ベンチャーキャピタル)の視点から日本のVCに駄目出しを行っていたコラムがありました。

ベンチャーキャピタリストのジェームズ・ライニー氏がシリコンバレーにいたころは四六時中、出資を求めて売り込む起業家たちに追いかけられていたものだ。しかし、東京に来て様相が一変した。日本の起業家たちはお金のことになると卑屈になり、口にすることさえ消極的という。…(中略)…日本ではベンチャーといっても大企業が関与している場合が多く…(中略)…リスクを取らずに官僚的に判断するきらいがあるという。
>>もっと貪欲に、と米VC-借りる理由を言えない日本の起業家たち

ベンチャー投資に大企業が関与する比率(日米比較)

VCと会ったのに資金調達の話をしないという事がまったく理解出来ないのは、私の感覚がずれているからなのでしょうか?

インタビューを受けたライニー氏は「企業VCはしばしばサラリーマン的で、出資が成功しようがしまいが給料には影響ない」と語っていますが、それはむしろ楽観的です。
多分「成功しても給料は増えないが、失敗すると極端な説明責任が発生し、出世にも響く」と言うのが正解です。
だから形式的な提案説明を求めており、失敗の際の言い訳にするのでしょう。

大企業のVCは、どちらかと言うと子会社設立の延長線上あるものですから、対象が特別大きくなる必要もないのでしょう。

子会社だと失敗の際に人の整理等が大変ですが、VCなら資本関係を切るだけで済みますし、良い人材がいたらそこだけピックアップできます。
確かにこれでは大きな新興企業は出来ませんな。
環境の無さには落胆してしまいます。

ただ、これはある意味追い風かも知れません。
日本ではライニー氏は起業家にコンタクトを取っている会いに行っているわけですから、こちらからコンタクトを取った場合、直に合ってくれるかもしれません

アメリカで同じ事をすると順番待ちしなくてはいけないわけですから、これはむしろ行幸です。
ライバルが少ない方が色々都合がいいので、ものは考えようかも知れませんね。

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