« 日本の起業環境の悪さはVCにも一因があるのかも | トップページ | 九州・ドライブとダムの旅 1日目 - 熊本観光 »

銀行外しが着々と進む② - 証券化ビジネスのネット化

低金利化に加えて電子化の流れから、市中のリスク商品の利益率は日に日に減っている事から、間接金融の担い手であり高い手数料を取っていた銀行をとばして、企業同士がやり取りする様になって来ています。
今回もそんな話。

銀行外しが着々と進む① - 債権補償の充実化

今まで証券会社や銀行が行っていた証券化ビジネスにも、低コスト戦略を使う方々が押し寄せています。

金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックベンチャーのTranzaxは、下請けの中小企業が持つ売掛金を電子債権にして早期に現金にするサービスを8月に始めた。中小に仕事を発注する大企業と共同で金融コストを削減する。…(中略)…債権の割引率は東京銀行間取引金利(TIBOR)に信用力に応じた金利を上乗せした1%前後にできる
>>中小の資金繰り、フィンテックで支援 Tranzax

電子記録債権サプライチェーン・ファイナンス

Tranzax:電子記録債権サプライチェーン・ファイナンス
グノシー:FinTechの流れを後押しする、中小企業用の新たな資金調達システムに注目!

「新しい」と言われていますが、これは所謂売掛債権の証券化と同じ仕組です。
ファクタリングや融資と異なり、SPC等を通じて任意の投資家が債権者となっています。

売掛債権流動化の財務ソリューション一覧

トップマネジメント:ファクタリングと売掛債権証券化、売掛債権担保融資の違い

今までは銀行や証券会社が手間隙をかけてやっていましたが、往々にして手間賃が高くついていました
昔はそれ程高くは無かったのですが、低金利化によって調達金利と比べ相対的に高くなっています。

法的な話も多く、個々の企業に応じてある程度カスタマイズしないといけない為、仕方が無い部分もあるのですが、手間も時間もかかり高くつきます

証券化のノウハウ自体は既にかなり知れ渡っていますから、逆に言えば、個別に改良をしなければかなり低コストで証券化が出来るわけですね。
かつて対面証券や対面銀行の顧客が、同じサービスなら安い方へとネットに流れた様に、証券化でもその風が吹いている様です。

興味深いのは、投資家がいる点です。
このサービスの場合、銀行などの金融機関が短期の融資を行い、数ヵ月後の支払期日には債務者(発注元)が債務を支払う事で金融機関の融資が返済される事になります。

証券化では投資家への説明に手間がかかるものですが、このアイデアだと、ある程度お決まりのリスク説明で投資家がお金を出してくれる様です。
信用力の低い中小企業への融資でも、短期融資であれば、リスクはそこまで取らずに済むとの考えなのかも知れません。

しかしリスクがない分、手形の割引より利ざやは少なくなっています
銀行は、新サービスに利益を取られ、今まで取れていた利ざやを出せなくなっているわけですから、彼らの存在感も薄れていると言えます。

この仕組だと、十分に現金を積んでおけば信用保証会社でも投資家になれるわけですし、銀行も今までのやり方やリスクの取り方を踏襲した殿様商売では、だんだんと要らない存在になりそうです。

|

« 日本の起業環境の悪さはVCにも一因があるのかも | トップページ | 九州・ドライブとダムの旅 1日目 - 熊本観光 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

信用創造という言葉を知っていろいろとネットを漂っています。
今回のトピックのような証券化は面白い反面、証券をいろいろと組み合わせたモーゲージ債やリーマンの破綻を描いたマネーショートという映画を彷彿とさせるようです。
日本はリーマンの破綻よりまえに、長銀などの土地神話バブルがあったから金融は進んでいたのかもしれないと考えています。
バブルというのは、預金準備制度下ではあって当たり前のシステムだったんだなと最近知るようになりました。
今後もこのようなサイトでちょくちょく金融や経済を知りたいと思います。

投稿: 巳摩 | 2016年9月 3日 (土) 00時57分

巳摩さん
コメントありがとうございます。

金融によってバブルが発生したり恐慌が発生したとよく言われますし、
実際そういう面もあります。
証券化がリーマン、と言うか米国の土地バブル崩壊の被害を世界にばら撒いた一面があるのは事実です。

ただ、自分がそういうのに関わっているからというのもありますが、
金融は道具であって原因ではないと考えています。

包丁は人を刺せるから危ない。だから禁止しようというようなもので、
過剰な恐怖は利益と同時に大きな不利益ももたらします。

要するに使う側の問題という事で、その点を踏まえて謙虚に、そして勤勉になる事が肝要だと思います。

随分前に書いた投稿ですが、こちらもよろしければどうぞ。

理経済:金融工学は悪玉か?
http://rikeizai.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-1ea7.html

投稿: なる | 2016年9月 3日 (土) 15時20分

包丁のたとえわかりやすかったです。たしかに自動車なんかも便利だけど、走る凶器でもありますよね。
ちょっと前に、100分で名著という番組でカントの国際ルールで道徳というものを持つことが必要だということがありましたが、カントのいう道徳とは「普遍的法則」でした。
普遍的法則という難しい概念でしたが、常に考え続けていかないと大変なことになるということについては共通しているように思いました。

投稿: 巳摩 | 2016年9月 3日 (土) 19時36分

巳摩さん
コメントありがとうございます。

詰まる所、幸も不幸も人間次第ということです。
感じるのが人間なのですから当然ですね。

状況も変わるものですから、
常に考えながら対応して行くのが肝要ということですね。

投稿: なる | 2016年9月 3日 (土) 22時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/528305/64129423

この記事へのトラックバック一覧です: 銀行外しが着々と進む② - 証券化ビジネスのネット化:

« 日本の起業環境の悪さはVCにも一因があるのかも | トップページ | 九州・ドライブとダムの旅 1日目 - 熊本観光 »