日銀の総括検証 - 手のひら返しが酷い
日銀がマイナス金利政策を導入して久しいですが、景気の方はパッとしません。
円安誘導のおかげで旅行者が増え(※)、輸出はそこそこ好調な状態ですが、最初に異次元緩和が叫ばれた時の事を思い出すと、随分萎んでしまったなと言う感じです。
※円安誘導も、そもそも製造系輸出業を伸ばしたいという話しだった様な…。
そんな中、これまでの日銀の政策について検証する「総括検証」が実施されるそうです。
経済紙等では、今回の緩和政策の副作用を唱えるエコノミストやアナリストが多い様です。
日銀は20~21日に開く金融政策決定会合で、金融政策の「総括的な検証」を実施する。…(中略)…金融緩和が長期戦となるなか、課題となるのが政策の副作用をいかに抑えるかだ。日銀は今年1月、量的・質的金融緩和に加えてマイナス金利政策の導入を決定。長期金利の低下に拍車がかかり、保険や年金の運用難などで「経済活動に悪影響が及ぶ可能性」(黒田東彦総裁)も出てきた。
>>黒田緩和、枠組み修正へ 日銀20日から「総括検証」
緩和が開始された当事は随分持て囃されましたね。
ノーベル賞を取ったクルーグマン氏も緩和を絶賛していました。
最近では予想が外れて凹んでいる様ですが…。
さて、日銀の金融緩和の良し悪しについても興味のある所なのですが、それよりも個人的に頭に来るのが、緩和当事に賞賛しまくっていた、あるいは過去に緩和が少ないと叫んでいたアナリストやエコノミスト達の手のひら返しです。
当ブログでは、従前より今の様な異常な金利低下を推し進める事について懐疑的な意見を投稿しておりました。
古い投稿ですと2009年頃から低金利の弊害について書いていますが、当事は日銀に対して緩和しろとの声が各所から上がっていました。
当事日銀の総裁だった白川総裁は利下げを避け続けていましたが、その結果政府だけでなく経済人からも緩和しろと責められ、四面楚歌状態でした。
周りから馬鹿にされているという悲しい状態で黒田総裁に交代させられ、今の緩和路線に入ったわけです。
しかしその経済人達の指示に従った結果がこれです。
もし、当事彼らの言う事を聞いて、何か商品を買っていたのなら、おそらく結構な損をさせられていたのではないでしょうか。
うまく売り逃げられていたなら良いのでしょうが、失敗した方は酷い目にあっているのではと推察します。
私の考えとして、金融情報サービスはお客を儲けさせてナンボだと思っています。
売る時は調子の良い事を言って、旗色が悪くなったら逆の事を言ってお客の損など知らん顔というのはあまりに酷いです。
お客は口八丁手八丁で何とかなるのかもしれませんが、それも酷い話です。
ただの早耳だけで、お客を儲けさせられないのなら、そのアナリストのポジションを変えた方が良いでしょう。
まあそれを選ぶのもお客の自由なので、多くは口出しできませんが、損ばかりさせられたお客達は、もう商品を買ってくれません。
貯蓄から投資へと言っても中々投資に移らない一つの理由は、過去に散々損をさせられながら営業マンに逃げられたとか、そういう人が身の回りにいたからなのではと思っています。
それがすべてとは思いませんが、結構影響はあるのではないでしょうか。
こんな後だしジャンケンの様な分析は混乱を招くだけなので、しないで欲しいですね。
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