その昔、本ブログにて信用創造についての記事を書きました。
そこでの主張としては、経済危機時において「銀行を救う必要はない」と言う事でした。
理経済:何故銀行を救うのか?④ - 銀行なんて放っておけ
最近の新サービスを見ていると、これを後押しする様なものがしばしば見られる様になりました。
企業格付け会社のリスクモンスターは取引先企業が倒産した際の焦げ付きを補償するサービスを29日に始める。月1万円の利用料で、倒産企業の格付けに応じて最大500万円を支払う。格付け会社による同様のサービスは珍しいという。3年以内に1千社の利用を目指す。
>>リスクモンスター、取引先の倒産時の焦げ付き補償
リスクモンスター:Secured Monster
格付会社以外では時々ありますが、裏で格付もセットで行ってくれるのは良いですね。
A格から遠いほど補償額が小さくなる為、補償金の期待値はコントロールされている様ですが、使い方次第でメリットがありそうです。
個々の会社同士の掛けや手形決済が増えそうです。
さて、こういったサービスが流行ってくると困るのが銀行です。
彼らは貸付により信用創造を行っているわけで、経済的に重要な位置にある事から守られています。
しかし、個々の企業間で掛取引等が活発化し、さらに電子化が進んで、特定の場所で差額決済をされ出したら、銀行の地位は相対的に低下します。
直にどうにかなるというわけではないでしょうが、影響力の低下は避けられないでしょう。
経済危機の際に救済もされる確率も低下します。
電子化によるコストカットも手伝って、リスクモンスターの様な補償する側は薄利多売でもやっていける様になりますし、今後の新規参入も多くなるでしょう。
銀行への逆風は早々収まりそうにありません。
尤も、このサービスにしても、補償を行う会社の後ろには保険会社や銀行が付いているはずです。
昨今では低金利化のあおりで貸出等の間接金融からの利益が減ってしまい、格付の低い社債や証券化商品がかなり売れています。
保険や信金はもとより、当の銀行までも債券等直接金融に傾倒しています。
見方にもよりますが、自分で自分の首を絞めている様に思います。
低金利が続く限りこの構造は変わらないでしょう。
続く…
理経済:銀行外しが着々と進む② - 証券化ビジネスのネット化
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