記憶と運動の関係についての疑問① - 海馬と大脳皮質
NHKのサイエンスZEROで、記憶のメカニズムが紹介されていました。
現在では、人の記憶について随分わかってきている様です。
この調子だと、漫画や小説の様に、記憶を人に転送したり、頭から引っ張り出したりするという時代もそう遠くはない様です。
良いか悪いかは置いておいて。
サイエンスZERO:“記憶”のミステリー ~最新脳科学が解き明かす記憶の正体~
番組の内容はと言うと、記憶は脳の中の海馬と大脳皮質によって行われるというものです。
海馬は今起きた出来事や内容を記憶し、一定時間経つと大脳皮質へと情報が転送されます。
大脳皮質は海馬と比べ容量が大きく、また長期の記憶に有利なのだそうです。
番組では、不慮の事故により海馬を摘出した男性の話が出てきました。
男性は最近あった出来事や、今聞いたばかりの看護婦の名前や顔を忘れて(記憶できない)しまいます。
しかし看病に来た両親の顔は忘れていない点や、歩いたり食事を取ったり等、日常的な行動については問題なくこなせる事から、記憶の全てが無くなった訳ではなく、長期的に行われていた記憶は残っている事がわかりました。
そこから、上述の様に記憶は事象からの「経過時間」によって海馬に記憶されたり大脳皮質に記憶されたりする事が言えるわけです。
番組ではこれをPCに例えており、海馬がPC本体、大脳皮質がバックアップの外付けHDDとしています。
記憶が海馬から大脳皮質に送られると、海馬の中からは消去されます。
科学技術振興機構:海馬における生後の神経新生が恐怖記憶の処理に関わることを発見
また、この記憶の転送は、神経新生という脳内の代謝により行われ、通常28日程度で転送が完了するそうです。
しかし、この神経新生はある程度コントロールが可能で、運動する事により、より早く転送が完了します。
筑波大学:記憶を高めるには軽運動が有効!~軽運動が記憶を高める分子基盤の一端を解明~ PDF
海馬と比べ、大脳皮質の方が用量が大きく長期間の記憶に優れている為、運動する事で記憶の定着率をあげる事が出来るのだとか。
最近は、仕事の帰りがけに運動に行く人が多い様ですが、体調を整える事以外にも記憶の定着にも有効なのかも知れませんね。
さて、これを前提とした上で考えてみると、ある疑問が生まれます。
長くなったので続く…
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