燃料電池搭載型のハイブリッド飛行機が誕生
イギリスのLCCが、ハイブリッドカーならぬハイブリッド飛行機を導入したそうです。
電池にはリチウムイオン電池等の通常の電池だけでなく、燃料電池を使う様です。
イギリスのLCC、イージージェットが、排出物ゼロ(zero emissions)の燃料電池を使用したハイブリッド・タキシング・システムを導入する…(中略)…着陸のブレーキング時に運動エネルギーを回生、充電するとともに、水素を燃料とする燃料電池で発電し、その電力でタキシングやプッシュバックを行います。…(中略)…使用される燃料の約4%がタキシングに使用
>>イージージェット、ハイブリッド・タキシング・システムを開発
理経済:なぜトヨタは燃料電池車の特許を開放したのか③ - ハイブリッド技術の拡張
ハイブリッド型の飛行機は、アイデアとして以前考えてみたのですが、自動車と異なり速度の加減速が少なく、言う程発電されないでしょう。
着陸の際には逆噴射や主翼の抵抗を最大化させる等、あの手この手で減速します。
回生による発電は、止まる時より減速する時の方が効率的に発電してくれますから、急ブレーキが普通である飛行機の場合、それ程メリットがないと思ったからです。
飛行するだけの電力は得られないでしょう。
今回は地上で使う為の発電だそうですが、削減できる燃料は4%分と、それ程大きくありません。
電池を積む事による重量増・高燃費化と、発電による低燃費化のバランスがどの程度になるか注目です。
もう一つ興味深いのは、プッシュバックの牽引車が不要となる事で、地上に留まる時間がどれ程減らせるかという点です。
LCCはそのビジネスモデルから、空港での飛行機の駐機時間を短くする事で、飛行機の回転率を上げています。
正確な統計はありませんでしたが、通常の空港使用時間は60分のところ、LCCは30分なのだとか。
富国生命保険:日本の空は視界良好 PDF
格安航空会社LCC研究所:なぜ安くできるのか〜空港での工夫〜
また、空港によっては離着陸が多い程着陸料が割安になる場合があります。
駐機時間の短縮はLCCにとって至上命題という訳です。
このハイブリッド・タキシング・システムで、どの程度の時間短縮が可能なのか注目です。
ちなみに、日本は離着陸回数が多くても(公式には)割引は無い様です。
この辺りからしてLCC向きではなく、差分は回り回って消費者が負担する事になります。
最近は改善する動きも見られる様ですが、全国的に実施されるのは暫く後でしょうな。
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