海運業界の不況と新興企業の参入① - 海運業界の受難
しばしば不況に陥る海運業界ですが、今回はいつにも増して酷い状況の様です。
中国における需要減少が世界最大級の海運会社に重大な打撃を及ぼしており、業界が直面するこれまでで最も深刻な危機を生き残るため船舶を投げ売りする企業も出ている。…(中略)…スコルピオが運ぶコモディティー(商品)相場が急落したことで全ての船舶を売却してしまい、その損失は4億ドルに上った。
>>海運大手が空前の危機、船舶の投げ売りも
皆様もご存知のとおり、現在、原油を中心とする商品市場が酷く下落しています。
船会社は積荷に対して運賃を設定するわけですが、原油等の積荷の価格が安い→需要がない→運行需要も冷え込み、運賃も下がるという図式により積荷が下がると運賃も下がります。
しかし不思議な事に、資源が下がる時は大体運賃も下がるのですが、資源が上がっても運賃は必ずしも上がりません。
ここ最近その状況が続いた様で、運賃を示すバルチックドライ指数は低空飛行(さらに降下中)を続けています。
日本海事センター:バルチック海運指数(BDI) PDF
Bloomberg:BDIY:IND バルチック海運指数
運賃の指数は、原油価格が高かった2008年5月頃は11000ポイントでしたが、現在は300ポイントそこそこまで落ち込んでいます。
実に37倍差という脅威の落ち込みです。
当時が異常だったと言えばそうなのでしょうが、原油が100ドル近かった2012、3年も低水準が続いており、ここ数年の厳しさが伺えます。
運賃価格は資源価格に連動していると言うより、相場の上昇率や下落率に連動しているのかもしれませんな。
運賃が上がっても量が捌けないといけないわけですし、積荷の需要予測と連動しているといった方が正しいのかも知れません。
そうなってくると、数年は今の状況が続く、ないしもっと悪化しそうです。
さて、そんな酷い状況の海運業界ですが、アマゾンが新規に参加する様です。
続く…
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