インホイルモーター搭載のFCVが登場
ガソリンから電池、そして燃料電池に切り替わっているおかげで、熱エネルギーから電気エネルギーの活用に技術が切り替わっています。
技術開発の糊代が、ガソリンのそれと比べて遥かに大きいため、毎週の様に新技術が登場しています。
今回は、かつて電気自動車の敗北により姿を消したインホイールモーターの技術の復活です。
トヨタ自動車は、レクサスブランドのコンセプト車「LF-FC」を「第44回東京モーターショー2015」で発表した。4人乗りの燃料電池車(FCV)で、「5~10年先の旗艦車種を想定した」(チーフエンジニアの加藤武明氏)。前輪をインホイールモーター2個、後輪をモーター1個で駆動する4輪駆動車である。車両寸法は、全長5300×全幅2000×全高1410mm。
>>レクサス初のFCVコンセプト、インホイールモーターを搭載
インホイールモーターとは、タイヤに直接モーターを埋め込むという技術です。
普通は車体の前等にあるエンジンの力をシャフトや車軸を通じて伝えるのですが、インホイールの場合、タイヤ毎に動力をつけます。
三菱自動車:三菱自動車、新型インホイールモーターを4輪に搭載した実験車『ランサーエボリューションMIEV』で「四国EVラリー2005」に出場
タイヤに動力を直接伝えられる為、エネルギー効率が高く、また車軸が不要となる為、4輪すべてに導入すれば、その場で方向転換をする超信地旋回が可能になります。
馬力も上げやすい様です。
この技術は小型化が難しいエンジンでは出来ず、モーターがメインになったからこそ可能となった技術です。
実現すれば真横に移動できるため、車庫入れはかなりやりやすくなりますし、今まででは考えられなかった走行が可能となるでしょう。
社内のレイアウトもかなり自由となります。
また、カーブでもこんな↓感じに、大きな差が出せるでしょう。
既存の車は車軸の所為でタイヤの曲げられる角度に限界があります。
この為カーブの際は一定程度旋回半径が膨らみますが、レクサスFCの様な前輪インホイールの場合は後輪の動きを止め、前輪を真横に向ける事で、殆ど動く事なく曲がれます。
まるで、スーパーのカートのごとく、自由な動きが出来ます。
まあ、実際には制限を設けるでしょうから、上図の様にはならないでしょうが。
欠点としては振動に弱い事や浸水に弱い、回転数の同期が難しい等の難点があります。しかし、一番問題だったのはやはり大容量の電気輸送技術がなかった事でしょう。
FCVの登場で道が開けたわけです。
登場するのはもう少し後になると思ったのですが、思いの他早かったですね。
MIRAIやホンダFCVも良いのですが、レクサスFCもいいですな。
しかし、値段はどう考えても1,000万円は下らないでしょうし、下手すれば2,000万円ありえます。
ついでに、5300mmは車庫入れが大変そう。
欲しいのは山々ですが、身の丈的に無理です。
それにしても、ガソリン車は100年の歴史の中で進化をしてきた為、高級車でも大衆車でも、変わるのは内装や安全性位でしたが、FCVになったおかげで技術者の腕の見せ所が大幅に増えましたね。
お金をかけただけ新しい技術や優れた技術が搭載されるのは興味深いです。
続きが楽しみですな。
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