ブラジルの格下げと世界最大のジャンク債
ブラジル政府が格下げを食らっています。
投資適格であるBBB-を下回り、投機的格付けまで下がってしまいました。
米格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は11日までに、ブラジルの債務格付けを投資適格級の「BBBマイナス」から1段階下の「BBプラス」に引き下げた。BBプラスは投機的水準とされ、今後の資金調達がさらに難しくなる可能性がある。S&Pは見通しについてもさらなる格下げの可能性がある「ネガティブ」とした
>>S&P、ブラジル債務を投機的水準に引き下げ
保険や年金などの機関投資家は、多くの場合、信用格付を基準とする投資規約を設けています。
格付会社は批判されがちですが、現実は格付けで動いていますから、投資適格であるBBBを下回った事で、機関投資家は売却を迫られます。
また新規の投資も出来なくなる事から、今後のブラジル政府の資金調達は極端に厳しくなります。
さらにブラジル国債が格下げとなった為、ブラジルを拠点とする会社が軒並み格下げとなっています。
ブラジルの石油公社であるペトロブラスもジャンク債(投機的債券)となってしまった事から、債券市場では世界最大のジャンク債が誕生したと話題になっています。
Bloomberg:Petrobras Crowned New King of Junk Bonds After Rating Downgrade
Bloomberg:ペトロブラス、世界ジャンク債市場の王様に-信用格付け引き下げで
約7兆円(560億ドル)のジャンクボンドとは、すごい残高です。
当然の事ながら家計は火の車。
2019年には140億ドルの返済があるのに、この状態では中々安定しないでしょう。
こんな事ならさっさと100年債を出しとけばよかったとボヤいていそうです。
Bloomberg:Brazil's Stocks Fall Amid Bets Petrobras Turnaround Will Fizzle
Bloomberg:ブラジル株:下落-ペトロブラスが財務立て直しに苦戦するとの見方
原油安と格下げのダブルパンチで相当疲労しており、株価もメッキリ。
国営企業が冴えないので政府もゲンナリ。
来年はオリンピックがあるのに、大丈夫なのでしょうか。
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