米国学生ローン問題が表面化 - 増え続ける残高とデフォルト
米国で学生ローンの債務不履行が増加している様です。
学生ローンは残高がハイペースで増加していますので、デフォルトすると、影響はかなり大きそうです。
米国の大学・専門学校347校では、学生の半分以上が学生ローンのデフォルト(債務不履行)に陥っているか、7年たっても1ドルも返済していないことが分かった。…(中略)…米国では学生ローンの累積額が1兆2000億ドルに達しており、この問題が大きな注目を集めている。
>>米学生ローン返済遅延鮮明に 債務不履行も多数
※学生の大半が学生ローンのデフォルト(債務不履行)に陥っているか、7年たっても連邦政府の学生ローンを全く返済していないという学校は10校中ほぼ1校に相当
米国の学生ローンは、残高も延滞率もここ数年右肩上がり。
住宅ローンの不振をものともせず、残高は年間10兆円ペースで増加しています。
前々から残高の上昇が問題になっていた上に、景気対策の一環として行われていた金利優遇がなくなり、デフォルトに拍車をかけている様です。
デフォルトが増加しても不動産等資産価格への影響が少ないため、経済に対するインパクトはサブプライムの時ほど大きくはないと思います。
しかし、逆に言えば担保がない為、短期的な損害は相当なものとなるでしょうから、注意が必要です。
ちなみに米国では4年大学を出るまでに、学費が1000万円位かかります。
それでいて金利は結構高いです。
学生ローンの種類 | 金利設定ルール | 2013年の金利 | 上限キャップ |
Undergraduate Stafford Loan | ベース金利+2.05% | 3.86% | 8.25% |
Graduate Stafford Loan | ベース金利+3.6% | 5.41% | 9.5% |
Parent PLUS Loan | ベース金利+4.6% | 6.51% | 10.5% |
fiplanning:学生ローンの金利アップデート
Federal StudentAid:What are the current interest rates?
直近の金利は学部生で4.29%(固定らしい)。
1000万円の借金が金利4.29%となると相当高額です。
日本は2%ちょいですから、かなり高水準であり、デフォルトも頷けます。
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コメント
日本では奨学金は無利子ですが、同じような問題が起こりつつあります。
投稿: | 2016年2月20日 (土) 10時39分
1コメさん
コメントありがとうございます。
ご指摘のとおり日本でも年々奨学金の延滞が増えています。
大学卒業後、「大学を出た」という付加価値分の収入が得られなければ、
返済に苦しむのは日本もアメリカも同じこと。
幸いにしてアメリカと違い金額が1000万円とかにはなりませんが、
問題の芽を抱えているという状態は同じと言えますね。
投稿: なる | 2016年2月21日 (日) 09時34分