微生物の活用法② - 触媒への転用
シリーズ後編です。
前回はメタンハイドレートとはどういうものかについて記載しました。
今回は、その過程において微生物がどの様に関わっているかと、新発見の微生物の活用法について記載します。
メタンハイドレートは地下では固体化している為、このまま大量に吸い上げる事は困難です。
そこで登場するのが微生物です。
現在、メタンを分解し栄養とする微生物がいる様だとされていますが、これをハイドレート層に注入する事により、気体化させて吸い上げる方法が検討されています。
小出仁:地中メタン生成古細菌によるカーボン・リサイクルの提案 PDF
安藤明:インヒビター注入によるメタンハイドレートの相平衡条件及び分解挙動に関する研究 PDF
この様な抽出の為の触媒的な存在をインヒビター(分解促進剤)といいます。
メタン生成の微生物は現在研究中だそうで、まだこれらは研究段階ですが、この微生物の発見が世界のエネルギー情勢を大きく変える事となるでしょう。
微生物が世界を変えうるわけです。
翻って、今回発見された微生物のミソは、電気を食べるだけでなく二酸化炭素を同時に吸収するという点です。
それをたんぱく質等の有機物に分解するわけです。
現在、地球温暖化の兼ね合いで、CO2を砂利等と混合させ、地下に貯蔵しようというプロジェクトが進んでいます。
経済産業省:CCS2020 PDF
一定の所まで貯まったら、この微生物を注入し、液体の形で有機物を取り出せれば、地下のCO2も有効活用が出来そうです。
この様に、微生物を触媒の如く活用する事で、新たな可能性を開く事が出来るでしょう。
更なる研究に期待ですな。
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