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微生物の活用法① - メタンハイドレートと微生物

理研が電気で生きる微生物を発見したそうです。

共同研究チームは、電気エネルギーを直接利用して生きる微生物を初めて特定し、その代謝反応の検出に成功しました。…(中略)…本研究により、鉄酸化細菌の一種であるA.ferrooxidansは、鉄イオンの他に電気をエネルギー源として利用し、増殖できることが明らかになりました。この結果は、電気が光と化学物質に続く地球上の食物連鎖を支える第3のエネルギーであることを示すと同時に、二酸化炭素の固定反応に関わる微生物代謝の多様性を示すものです。
>>電気で生きる微生物を初めて特定

A.ferrooxidansの顕微鏡像 微小の電力を使って生きる生物の代謝経路

電気を吸収しCO2を別の物質に変えてくれるのは、今後に期待できそうですね。

さて、これが凄い発見であると言う事は多くの方が認識している事と思いますが、ではこれが具体的に何に使えるのか、というのは中々回答に窮する所でしょう。
これは科学全般に言える事で、ニュートリノの研究でノーベル賞を取った小柴教授も、自身の研究を「まったく役立たない」としています。

幸いにして微生物は様々な可能性を秘めており、実生活への貢献も期待できます。
その筆頭がメタンハイドレートの開発です。

最近は原油価格が大幅に下落した為、話題性が薄れてしまいましたが、日本の近海にはメタンハイドレートと呼ばれる巨大なエネルギー資源が眠っています

メタンハイドレートとは、メタンが水分子と交じり合って凝固したものです。
見た目は氷なのですが、火を近づけると燃え出す為、燃える氷とも呼ばれています。

水分子がある温度・圧力環境で、かご状の構造を作ります。そのかご構造の中にメタン分子が含まれているものをメタンハイドレートと呼びます。メタンハイドレートのように、何かの分子(ホスト分子)が分子規模の空間(かご構造)を作り、その中に他の分子(ゲスト分子)を取り込むものを包接化合物クラスレートと呼びます。
>>メタンハイドレートとは何か?

メタンハイドレートの結晶構造

これを取り出す事が出来れば、日本国は多くのエネルギーを安定的に入手する事が可能となり、世界情勢に振り回されにくくなり、また企業誘致の材料や輸出資源としても活用できます。
メタンからは水素も抽出できるので燃料電池の活用を促す事にも繋がるでしょう。

良い事尽くめのメタンハイドレートなのですが、問題はこれを大量に取り出す術がまだ確立していない点です
地中では圧力や温度の為安定しているのですが、地上に持って来ようとすると不安定化してしまいます。
迂闊に掘って失敗すると、大量のメタンが大気中に放出される事となります。

メタンの地球温暖化係数はCO2の25倍ですから、温暖化が劇的に進んでしまいます。
5500万年前に海洋生物が大量絶滅しているのですが、これはメタンハイドレートの爆発した事による環境変化が原因である(メタンハイドレート仮説)とする学者もおり、原発以上のリスクを抱えている可能性もあります。
開発は慎重に行わねばなりません。

この抽出技術について、現在最も有力視されているのが、メタンハイドレートからメタンを生成する微生物の存在です。

メタンハイドレートが埋まっているとされる海域では、なぜかベニズワイガニが大量に生息している事が知られています。
メタンハイドレートがある→メタンを食べる微生物が集まる→微生物を食べにベニズワイガニが集まるという構図の様で、この微生物を使う事で、地下深くの固体化であるメタンハイドレートから気体のメタンを抽出できると考えられています。

産総研:新潟県上越市沖の海底にメタンハイドレートの気泡を発見

続く…

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