商社の資源戦略 - 資源は投資のみに絞れば?
シェールガスを中心に投資をしていた商社ですが、資源戦略について撤退か邁進かで対応が分かれている様です。
米国のシェール革命に商機を見いだしていた日本の大手商社が、世界的な原油の供給過剰を契機に資源戦略の転換を迫られている。伊藤忠商事が米シェールオイル・ガス開発事業からの撤退を決め、開発失敗で巨額減損を計上した住友商事も関連の権益の大半を売却する方向だ。一方、先行した三井物産や三菱商事は、価格下落で減損を計上したものの、資源戦略は長期的な視野との立ち位置を崩さない。
>>大手商社「シェール」で分かれる対応 積極派と慎重派に真っ二つ 原油供給過多が契機
三菱商事や三井物産は頑なに続けるそうですが、そもそも高値で参入してしまった時点で既に負けている訳で、後は塩漬けにして我慢大会をするしかありません。
残るのは体力のある会社やシェアトップ位でしょう。
シェアの小さい方々が撤退するのは妥当ですな。
シェールガスも過剰投資がたたっている様で、原油もガス価格も下がっているのにまだ掘ってるみたいですし、ここからは淘汰の時代です。
記事の最後は「体力勝負の時代になりそう」と結んでいますが、既になっています。
まあ教科書通りの顛末です。
世界経済のネタ帳:アメリカの天然ガス価格の推移(月次)
楽天証券:天然ガス先物 (Henry Hub) (NYMEX)
尤も、この原油安の状態が続くのも、循環から考えて3~5年程度の話でしょう。
現在、原油の採掘をしている会社は、横から投資している商社とは比べ物にならない程苦しい状況に立たされている訳で、オイルメジャーですら悲鳴を上げている位です。
シェルが昭和シェル株を手放したのも、明らかに本体がヤバくなり部門再編の必要があったからです。
ここ1,2年は再編に次ぐ再編で、エネルギー業界は寡占が大幅に進む事でしょう。
再編が終わる頃には、世界シェア20%の会社や国営会社だらけ(?)になってしまい、各商社が今エネルギーをがんばっているか否かに関わらず、オイルメジャーのいい値で買わされるのが関の山です。
パワーが違いすぎますから。
正直、原油の様なもろコモディティな商品に関しては、生産に絡まず単純な投資に切り替えても良い様な気がします。
結局どこの石油であれ、重要なのは安定的により安く買えるかどうかですから、必ずしも開発にまで手を出す必要は無いと思うのですが、どうなのでしょうか。
採掘もするのは、優先権がもらえるとかなのですかね。
逃げ遅れたのも絡みすぎていたからな訳ですし、国際帝石の様な国を後ろ盾とする専門家もいるわけで、商社が開発までやるのは手を出しすぎな気がしてなりません。
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