トヨタの種類株が売れている様だが
トヨタが発行した元本保証型の種類株が売れているそうです。
野村証券の全国159の支店ではトヨタ自動車第1回AA型種類株式への問い合わせや予約が殺到、新規口座開設のための来店客が急増している。投資家の需要は3倍から5倍に達したもようだ。…(中略)…かつて投資で「ひどい目にあった」という後藤さんは「世界的に市場が不安定になるリスクがある中、誰もがより安全な方に投資したいと思っているはずだ」と語った。
>>トヨタ新株に5倍の需要、野村最大の引受案件-手数料225億円
安全重視なら国債で良い様な気もするのですが、態々複雑な条項が付いている株式に殺到してしまっていいんですかね。
まあ確かに大盤振る舞いな感じですが。
ちなみに条項は下記の通りです。
- 発行価格は発行価格決定日の普通株式の株価の120%以上。
- 配当は初年度から発行価格に対して年率0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、と上昇し、5年度目以降は2.5%。
- 議決権付き。
- 普通株式への1:1の転換権付き。
- 発行価格での取得を会社に請求できる。
- 残余財産の分配においては、一般債権者に劣後し、普通株主に優先する。
- 譲渡に制限あり(相続とTOBへの応募を除く)。
- 初回5000万株、3回目まで発行を予定(合計で総発行株数の5%未満)。
ダイアモンド:トヨタが打ち出した「AA型種類株式」は買い得か
EDINET:E02144:トヨタ自動車株式会社 S1005DK3:発行登録追補書類(株券、社債券等)
「発行価格」にひもづいて元本保証や配当が行われる為、価値が減価し難いのはメリット大ですが、まるで転換社債みたいな挙動ですな。
金利が上昇し(インフレの追い風により)株価が上昇した場合は転換権を行使すればいいわけですし。
ただ、リスクとリターンは表裏一体ですから、果たして本当に乗っかっていいものなのかは少々疑問です。
また、倍率が高すぎて大した額は買えないでしょうから、思った程利益も出ないでしょう。
記事にあるとおり、トヨタから野村への利益移転みたいな部分もあるのかもしれませんね。
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