高橋是清の時とは違う環境
WSJで高橋是清の時代の金融政策について記事が掲載されています。
日本の景気回復に向けた取り組みには、日本を大恐慌から脱出させたがその後財政の縮小を図り暗殺された豪放な大蔵大臣、高橋是清の影がつきまとっている。…(中略)…そしていま、日本は再び物価と賃金が下落し景気を悪化させるデフレと闘っている。日本銀行は、どこまで高橋の例に倣うか難しい問題に直面している。膨大な公的債務が問題を複雑にしている。
>>アベノミクスのデフレ克服、高橋是清の苦い遺産
1930年代は、日銀の直接引き受けで回復しましたが、当時は第一次世界大戦の後で、物質的な豊かさは少なく、食糧不足もあったと思います。
お金が入れば皆して生活を安定させる為にお金を使ったのでしょう。
消費者のニーズもわかりやすく、比較的一致していたのも、商売する側には有利に働いたと思われます。
お金の供給に対して需要がついて来たわけで、だからこそ思った通りインフレになったのでしょう。
翻って、現代日本ですが、物質的には充足しており、戦後の様な食糧不足があるかと言うとそうでもありません。
彼の時代を引き合いに出して、政策の善し悪しを考えるのはどうかと思います。
発行残高に占める中央銀行の国債保有比率も別記事でまとめられていますが、日銀が突出して高くなっており、バランスの悪さを感じます。
経済環境の違いから、インフレよりも恐ろしい状態になりそうで心配です。
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