劣後債を活用する①+0.5 - 三菱商事のハイブリッド債について
シリーズ後編の予定だったのですが、この三菱商事のコーラブル劣後債について、購入を検討されている個人投資家の方が思いの他多い様なので、その辺りの情報を記載します。
ちなみに、社債の発行条件はこんな↓感じに決まっています。
三菱商事:ハイブリッド社債(劣後特約付社債)の発行条件の決定について
利率は5年コールの60年債で1.31%となっています。
また第1回債は変動利付債、それ以外は固定利付債となります。
注書にあるとおり、残存期間が短くなると金利が上がります。
5年債の利回りが0.1%程度、10年債が0.5%程度である事や色々な特約、最長年限を考えれば妥当なラインですかね。
コーラブルは三菱商事の権利、投資家の義務なので、下手したら不利な条件で60年持たされる訳ですし。
さて、この社債は一般向けと書いてはいますが、1売買単位当たり1億円なので、普通の個人投資家にはまず無理でしょう。
よほど人気が有れば、証券会社がミニ株みたいにばらしてくれる可能性も無きにしも非ずですが、まあ無いでしょう。
一般の個人投資家は諦めた方が良さそうです。
また、正直この程度の利回り(と信用力)の社債は海外ならゴロゴロあります。
為替リスクが~と言う声も聞こえますが、ヘッジは簡単にできますから、個人投資家ならやり方次第でもっと高い利回りを、より少ないリスクで達成できるでしょう。
Yahoo! Finance:BondCenter
理経済:ローリスク・ミドルリターンを達成する
実際には手数料相当を抜かれる為、上図よりも利回りは下がりますが、それでも利回りは結構残ります。
個人投資家の持っている「自由」は、機関投資家にはない特権です。
機関投資家の場合、取れるリスク配分とか慣例主義とか色々あって、案外自由な投資ができませんから、この特権は有効に活用すべきですな。
海外ではIBMやアップルの普通社債(満期一括償還)が手数料込みで3.2~3.5%程度(年利回り)で買えますから、為替ヘッジ込みで2.2~2.5%といったところですかね。
それを考えると、正直三菱商事の社債は背負ったリスクの割りに利益が出ず、割高な印象があります。
基準金利が違うからというのは勿論ありますが、そもそも論として日本の金利が適正なのかという事からして私は疑問です。
私なら、この社債は買えても買いませんが、趣味趣向の問題ですかね。
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