渋滞を緩和する② - 吸収車を走らせる
前回、渋滞発生メカニズムについて書きました。
自動車は車間距離が詰まると、それが揺らぎとなって渋滞を形成します。
ではどうやって解決すればいいのでしょうか?
一つの解答となるのが吸収車による渋滞緩和現象です。
わざと遅く走る車を走らせる事で、渋滞の発生を防ぎます。
この遅い車が吸収車となります。
態々遅い車なんて走らせたら逆に車間距離が詰まって、渋滞が発生しそうなものですがあら不思議、なんとこの吸収車が渋滞の終点として機能し、長い渋滞ができ難くなります。
結果、渋滞発生を放置するよりも早く目的地に着ける人が増え、社会全体として効率化するわけです。
しかし、話を聞いても、いま一つイメージできません。
これについて、渋滞学の西成活裕先生達が実証実験をしており、確かに渋滞が緩和されている事がわかります。
西成活裕:渋滞のサイエンス PDF
動画を見ると、吸収車がある事で最後尾の車が渋滞に巻き込まれず、スピードも落とす事なく進めます。
吸収車の後ろ2台分位はイライラしますが、社会全体としてはプラスになるわけです。
西成さんとJAFが公道で実験していますが、こんな感じで吸収車を走らせると良さそうです。
個人だと結構きついものがありますが、NEXCO等の交通管理隊の黄色い自動車でやれば、他のドライバーの批判も少ないでしょう。
コスト的にはそれ程でもなさそうですし、社会全体の利益を得る為にやってみるのもありだと思います。
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