黒田総裁の誤算
黒田総裁の計画が後ずれしている様です。
原油安を言い訳にしている様ですが、どうも黒田さんの鍍金が剥がれてきた様です。
日本銀行は30日発表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、物価上昇率が目標の2%に達する時期が「2016年度前半頃」にずれ込むと明示した。日銀が物価目標の達成時期を先送りしたのは、昨年秋以降、原油価格が大幅に下落し、物価の伸びが鈍化したことが大きい。
>>黒田日銀、強気崩さず…「物価2%」先送り
日本経済新聞:日銀総裁、2%の物価目標「16年度前半ごろに」
彼は原油安を主な原因としていますが同時に円安も進行しており、影響が無いとは言いませんが、データを見る限りそこまで大きなマイナス要因とは言えません。
ちょっとマイナス位ですかね。
また、下図は消費者物価指数の推移です。
一見物価が上昇しているように見えますが、2014年4月から消費税増税による影響(日銀試算で2%相当)がありますから、出だしは良かったものの、次第に当初の状態に戻っています。
時事ドットコム:【図解・経済】消費者物価指数の推移(最新)
Bloomberg:CPI初のゼロ%、2月に増税影響除き-7カ月連続伸び鈍化
だいたい、原油を含めたエネルギー資源は海外からの輸入に頼っているわけですから、これの価格が上がった結果物価が上昇しても、日本の景気が良くなったとは言えません。
この様なコスト増によるインフレをコストプッシュインフレと言いますが、これでは他国にお金が流れるだけです。
重要なのは、需要増によるインフレ(デマンドプルインフレ)です。
これが高度経済成長期に発生した物価高で、今必要とされる好景気の為のインフレです。
やはりお金をばら撒けば景気が上向くなんて事は、絵空事でしかないのです。
理経済:円高に助けられる - 一次産品の上昇
理経済:需要を掘り起こせ!② - デフレの元凶
日銀の白川前総裁はその辺りをしきりに指摘していましたが、結局世論に負け、耳障りの良い事を言う黒田総裁に移る事となりました。
ロイター:円安でも潜在成長率高まらず=最後の講演で白川日銀総裁
なるツイッター:1 2 3 4
最初に大ボラを吹いた時から(市場の声に反して)黒田さんを疑っていましたが、どうやら現実になりそうです。
黒田総裁は本当に経済と言うものを理解しているのでしょうか?
それとも政治に走って妥協でもしたんですかね。
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