個人に厳しい日本市場
高頻度取引(High Frequency Trading)について、日本の寛容さが目立っているようです。
HFT先進国の米国や欧州では、14年3月出版のマイケル・ルイス氏の「フラッシュ・ボーイズ」を契機に、公平な取引ではないとHFTへの批判が噴出した。…(中略)…日本では、欧米ほどHFTバッシングは起きていない。
>>ターミネーター猛攻、高頻度取引が変えた日本株-発注率7割
記事後半にもあるとおり、東証は注文件数でお金を取っていますから、約定しようが取消しようが利益が出ます。
元々は海外から資本を呼び込み、かつ利益を上げる事が目的で「アローヘッド」を導入したわけですから、取引が増えている現状は彼らにとって望ましいと言えます。
まあそれはいいのですが、高速売買を推奨するような環境を作っている割に、不思議と個人は厳しく取り締まっています。
問題なのは「対当売買」です。
競争売買のなかで、同一取引参加者が売手となると同時に買手となって売買が成立することを、「クロス」又は「対当売買」といいます。
>>クロス
要するに売り注文と買い注文を同時に出す行為です(実際には約定しなくても注意喚起の対象となります)。
まったく同時に出したとなると、合理性が乏しく相場操縦に疑われても仕方ないのですが、この「同時」というところが厄介で、どこまでを同時とするのか、規制側によって区々です。
機関投資家や外資だと上述の様な1000分の1秒単位の売り買いでも「同時」とは見做されない一方で、個人投資家だと数分単位でも「同時」とされます。
明言はされていませんが、結構厳しいのが現実です。
システム的にも高速売買が推奨されているんですから、個人にだけやるなというのは変な話なんですけどね。
寛容と言うより差別的なんです。
というか、投資家属性による差別は、市場を歪めるだけだと思うのですが、いかがでしょうか
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