実践的心理学 - キツネとカメ
皆さま、お久しぶりです。
ようやく一山越えたなるです。
まず初めに、更新してない間も来ていただいた方々、昨日の更新を見に来ていただいた方々。
リピーターの皆様に感謝。
お読みいただき、本当にありがとうございます。
これからも末永くお付き合いいただければと存じます。
さて、本論に入ります。
今回は昔話調のお話を聞いていただき、一つの質問に答えていただくというシンプルな心理テストです。
ぱっと聞くと何の意味もなさそうですが、実によく考えられたテストです。
新人や新上司が誕生する時期ですので、是非色んな人に試してみてください。
まずは質問から。
お話はここから。
あなたは次のお話を聞いて、キツネとカメ、どちらに好意を持ちましたか?
昔々あるところに、山の麓にキツネとカメがいました。
山からは結構流れが速い川が流れています。
キツネ:カメさん、あの山の頂上までどちらが先につけるか、競争しない?
カメ:う~ん、走るの遅いからやだな~。
この川、あの山の頂上まで続いてるから泳いでもいい?
キツネ:いいよ。(流れ速いし、大丈夫かな)
カメ:それなら競争できるね。よし、じゃあ位置について…
キツネ・カメ:よーいドン!
カメはすぐさま川に飛び込み、必死に泳ぎ始めました。
一方、キツネは座り込みます。
カメ:(僕は泳ぎが速いから、必死に泳げばきっと勝てる)
キツネ:(う~ん、走れば勝てそうだけどそれも面倒だよね。なんかいい方法無いかな?)
1時間経ち、2時間経ち、日も落ちてきました。
ところがキツネもカメも、スタート地点から全く進んでいません。
カメは一生懸命、ひたすら泳ぎました。
しかし川の流れは速く、カメの泳ぎでは前に進めず、ルームランナー状態でした。
一方キツネは、(タクシーでも呼ぶか、いや自転車を借りてくるか)と、如何に効率的にゴールするかをひたすら考えていたため、こちらも全く進んでいませんでした。
日も暮れ、夜になると、
カメ:帰ろうか。すごく疲れたし。マジで死にそう…。
キツネ:そうだね、こっちも色々疲れた。
結局、二人ともスタート地点から一歩も動きませんでした。
めでたしめでたし。
お話はこんな感じです。
長文を読んでいただき、ありがとうございます。
さて、解答の前に少し解説をしたいと思います。
このお話、さらっと書かれてますが、実はかなり考え込まれた話です。
お分かりのとおり、ウサギとカメを捩った作品です。
ウサギとカメのお話でどちらが好きかと問えば、普通はカメと答えるでしょう。
これは、カメが圧倒的に不利な立場から逆転勝利するという、サクセスストーリーが織込まれているからです。
一方でキツネとカメの話は、競争方法を限定しない事で、各々が最も得意とする方法で勝負しています。
また、ウサギとカメではカメが勝利していますが、キツネとカメに勝者はいません。
ウサギとカメでは固定観念もあって、中々ウサギが好きとは言い難いですが、キツネとカメでは良い子ちゃんな解答が無いので自由に発言できます。
この話は、もともと文化人類学で使われるお話で、学者の間では時々語られるケースだそうです。
たまたま知り合った文化学の先生が教えてくれたもので、最初はその先生のオリジナルだと思っていました。
しかし他の人からも殆ど同じ内容の話を聞いたので、知る人ぞ知るケースのようです。
※この方は創作と書いていますが、多分この人は件の先生ではないと思います…。
中の人があの先生なら、結構偉い人です。
話が長くなったので、続く…
実践的心理学 - キツネとカメ 解答編
最後にもう一度質問を書きます。
あなたはキツネとカメ、どちらに好意を持ちましたか?
皆さんも是非ご自身の回答と、このケースの意味を想像してみてください。
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