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現ソニーの格下げは妥当 - 円高は殆ど関係ない

ついにソニーが投資不適格の烙印を押されました。
押したのは米英系のフィッチです。

かつては世界をリードする家電メーカーだった両社の格下げは、長年の赤字経営で疲弊した財務の改善に取り組むなかで発表された。フィッチはソニーの格付けを「トリプルBマイナス」から「ダブルBマイナス」、パナソニックを「トリプルBマイナス」から「ダブルB」に引き下げた。両社とも見通しは「ネガティブ(弱含み)」だ。
>>フィッチ、ソニーとパナソニックを「投機的」水準に格下げ

投機的と言う事は、年金団体保険会社の大半が、その投資規約上保有できない債券であると言う事です。
格付け会社を信じるか否かに関わらず、重要な一線を越えてしまったのは間違いありません。

理経済:邦銀が格下げ - なぜ格付けが重要なのか

掲示板ではすでに月曜の株価について様々な書き込みがあります。
ちなみに23日のソニーのADRは小幅下落に留まっています。

注目していただきたいのはソニーのCDS価格の動向です。
CDSとはざっくり言えば借入金利の上乗せ分で、値が高いほど金利が高い、つまり破綻しやすいと市場が判断している事になります。

世界四季報:CDSとは
証券用語辞典:クレジットデリバティブとは

信用格付は、元々債権者に関係がある指標なので、株価よりもまずこちらに影響があるでしょう。
現状、CDS価格はジリ高で、すでに340bpを超えています

ソニーのCDS

NYダウ,ナスダック,CDS,円相場のリアルタイムチャート速報と無料動画:ソニーのCDS指数チャート
東京金融取引所:J-CDS

これがどの位ヤバいのかと言うと、2011年4月の東京電力位です。

2011年3月に地震が起き、経営が急激に悪化した東電ですが、2011年4月1日のCDS価格が374bpでした。
東電のCDSは、その後ドンドン上がっていく事になりましたが、ソニーはどうなるのでしょうか?

さて、この格付けについて、そもそも格付け会社が信用できない事や、日銀が通貨発行量を増やさず円安に行かないからと言う様な、ソニー以外の要因の方に問題があるという論調が屡見られます。

しかし、残念ながら今回の格付けはソニー自体に起因するものであり、他者の問題ではありません。
むしろ格付けをもう少し早く、体力のある内に下げていれば、自身の置かれている状況を正しく認識できたのではとさえ思います。
実際体力がある時には下げられませんが。

まず格付け会社についてですが、フィッチのプレスリリース文は下記の通りです。

Fitch believes that continuing weakness in the home entertainment & sound and mobile products & communications segments will offset the relatively stable music and pictures segments and improvement in the devices segment which makes semiconductors and components.
>>Fitch Downgrades Sony to Speculative Grade; Outlook Negative (要会員登録)

上記の内容はソニーの電子デバイス部門の弱さを音楽部門等が相殺するだろうとしています。

ソニーの収益源はすでに電子デバイスでない事を認識しており、そこを何とかしないと一向に復活できないと言う事を指摘しています。
いたって正しい認識です。
ちなみにソニーの営業利益の構成はこちら↓になります。

2011年度のソニーのセグメント別の売上高と営業利益

Tech-On:【決算】ソニーの2011年度は9.6%減収、最終赤字4567億円

一番赤字が大きいCPSに、テレビやPCが分類されます。
この数字を見れば、彼らがなぜ格下げされたのか、ご理解いただけるのではないしょうか?
過去のブランドだけで商売できる時代では無いのです。

次に為替レートですが、ソニーの場合為替の感応度はかなりフラットになっており、ドル円の影響はすでに受けていません。

為替感応度

マネックス:主な企業の想定レートと為替感応度 PDF
SankeiBiz:【株主総会ライブ】ソニー(4)ストリンガー氏の高額報酬 「第三者機関で適切に判断」

ユーロについては1円あたり60億円の増減ですが、CPSの営業赤字が2300億円もある事を考えると、少し為替が動いた程度でどうなるものでもありません。
40円位円安ユーロ高になれば多少は好転するのかもしれませんが、それを期待している経営者は、そもそも資質がありません。

ましてユーロ崩壊とかユーロ圏の景気減速が叫ばれているのに、日銀の力だけで円安にはできないでしょうし、ユーロの景気を日銀が回復させる事もできません

この様に、今回の格下げにおいて、最も大きな原因はソニー自身にあるわけです。
そこを自覚しないと、未来はないでしょう。

そういえば、大学でソニーに就職した先輩がいましたが、大丈夫なんですかね。
従業員も立派な債権者なので、結構格付と関係があったりするのですが。

理経済:市場の声なき声を聞く - JALから学んだこと

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