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北朝鮮の旨み - 「労働力」「地下資源」「エネルギー供給」

先日、韓国国債の事を書いていたらコメントで北朝鮮の話が出てきました。
ネタ的には面白いのですが、コメント内容と投稿内容が違っていたのでこちらに記載します。

韓国国債買うよりも、政権交代直後の今を狙って、北に経済進出したほうが賢明だと思うが?そして、金を出す以上、主導権は日本にあることが当然という形で......。
>>在日コリアンさん

調べてみると、韓国では政権交代がまだ起きていないので、ここで言われているのは北朝鮮の権力者交代についての事と思われます。

さて、北朝鮮と言えば日本では忌むべき対象としか報じられませんし、そういう認識の人が多いと思います。
ただ、6カ国協議の他のメンバーはそうは思っていないでしょう。

OKWeb:北朝鮮が中国に併合された場合のメリットとデメリットは?

韓国にとって、北朝鮮併合し朝鮮半島唯一の国になるメリットは計り知れません
また、中国は北朝鮮との関係が深いことをいい事に、彼らを食い物にしています。

まずは北朝鮮の経済的観点から見た基礎知識です。
北朝鮮の人口は約2,400万人で、韓国のおよそ半分です。
一方識字率は98~99%と、日本と同水準。
一人あたりのGDPは1,200$と、極貧の国です。

北朝鮮の人口

Google:Public Data 人口

韓国が吸収すれば、人口の半分に匹敵する、低賃金労働力が手に入る訳です。
人口ボーナスも手に入り、それだけでも中々おいしいです。

次に資源を見てみます。
実は、北朝鮮は地下資源が豊富です。
特にマグネシウムが豊富で、世界第2位の埋蔵量があります。

北朝鮮の地下資源

JETRO:中国と北朝鮮の経済関係に関する調査 PDF
経済産業省:2.7 マグネシウム(Mg) PDF

このマグネシウム、非常に優良な鉱石で、色々な物に応用できます。
高温超伝導を可能にしたのもマグネシウムの化合物です。
これのおかげでリニアモーターカーは現実のものとなりました。
そういう意味では、一番常温超伝導(室温超伝導)に近い物質かもしれません。

常温超伝導が可能になれば、PCの性能は飛躍的に上がり、送電の電気的コストはほぼ0になる事から、スマートグリッドは格段に進むでしょう。
リニアモーターカーはあちこちにでき、時間的なコストも下がります。
まさに夢の物質です。

最近では海水の淡水化や燃料としての応用もできると言われています。
お陰で北朝鮮は中国に随分狙っているようです。

マグネシウムの応用法

本田財団:マグネシウム・エネルギー社会の到来 PDF
レコードチャイナ:北朝鮮の豊富な鉱物資源、このままでは中国に掘り尽くされてしまう―韓国紙

マグネシウムは海中等にも多く存在しますが、現状は海中からの抽出はできないので、暫くは地下資源に頼らざるを得ない状況です。
工業製品が多い韓国にとっては、非常にメリットがあります。

もう一つ重要なのは、エネルギーの問題です。
韓国のエネルギーは日本と同じ様な構成です。
今の日本もそうですが、世界平均と比べ天然ガスが少なく、石油の輸入量が多めな事から、天然ガス原子力推進を掲げています。

韓国のエネルギー比率

高度情報科学技術研究機構:韓国における原子力戦略

その為現在考えられているのが、ロシアからのパイプラインによるLNG輸送です。
北朝鮮は、よく見ると端っこの方でロシアと接しています。
現在計画中のラインがこんな↓感じです。

韓露パイプライン計画

TheWorldNet.info:ロシア、韓国のガスパイプラインの大要

見てわかる通り、どのルートであっても北朝鮮を通過するしかありません
当然北朝鮮側にエネルギー上の権限が発生します。
戦争になればすぐに供給を阻害されるでしょうし、平常時でもショバ代を払う必要があります。

もし南北朝鮮が併合した場合、その心配もなくなり、隣国から直接エネルギー資源を受け取れる事になります。
韓国は中東からの石油依存度が高いので、中東でのゴタゴタやマラッカ海峡の海賊に頭を抱えねばなりません。

こちら↓は中東から日本への輸入ルート(シーレーン)です。
韓国も同ルートでしょう。
出典元が個人ブログですが、これ位しかルートが考えられないので正しいと思います。

シーレーン

国民が知らない反日の実態:日本の防衛

パイプラインの建設が、韓国にとって如何程リスク分散になるのかは、これを見れば一目瞭然でしょう。
中東、インドネシア、マレーシア、フィリピンなど、通過する周辺国はかなりあります。

この様に、韓国側から見れば、北朝鮮は「労働力」「資源確保」「エネルギー」と言う巨大なメリットを持った国と言えます。
併合の価値は計り知れません。
北朝鮮は脂ののったおいしい国です。

さて、日本から韓国経由で北朝鮮に進出する件ですが、日本にとっては非常にメリットがある話です。
韓国政府を口説くのは無理でしょうが、韓国経由で民間から出資をする事は可能でしょう。
ただ、ちょっと話が重い上に、精神的な問題から中々難しいと思います。

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コメント

北朝鮮の鉱物資源を中国だけではなく欧米も狙っていると聞いた事がありますが、統一しないかぎり、中国に食べ尽くされる可能性は確かに大ですね!
もし、核や拉致などがなかったら、資本と技術力のない北朝鮮はこの資源を利用して日米欧中を天秤にかけれるのですがね。核を廃棄し、拉致被害者をかえしたらおそらく北朝鮮は資源国として急激に発達するかもしれませんね!これは北朝鮮にとって実に残念な事だと思います。

投稿: 経済はど素人 | 2012年7月 3日 (火) 21時44分

経済はど素人さん
コメントありがとうございます。

北朝鮮の立ち位置は非常に微妙です。

北朝鮮側がどのような将来像を望んでいるのか知りませんが、
どの方向に転んだとしても、転んで北側の国にはメリットがあります。

中国としては今の状況がいいだろうし、
韓国や米国は統合を希望しているでしょう。
元々韓国は民主主義陣営として戦ってきたわけですし、
米国からすれば中国への牽制になるでしょう。
基地も作れますし。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/9350.html

6ヶ国協議が遅々として進まないのはこの辺のせめぎ合いもあるのでしょう。
日本のスタンスはなんなんですかね?

投稿: なる | 2012年7月 7日 (土) 23時58分

(拉致問題、統一にかかるであろう膨大な資金と大量の難民発生を度外視して、安全保障上の日本の取ろうとしているスタンスを推測します)
小国(軍事的)の日本に独自のスタンスなど無いと思います(アメリカへの追随)。
日本は日清日露戦争でも理解できるように、朝鮮半島に積極的に関わってきました。現在は関わる意思が無いと思います。防衛力(予算)とのバランスを考え、日本列島-台湾-フィリピン-インドネシア-ベトナムまでのシーレーン防衛に専念し、半島の将来に関しては何も考えていないし、その立場にない。アメリカ、中国、ロシアは覇権を明確に示している大国ですから、独自のスタンスを示す責務があるし、日本にはその責務は無いと思います。
 日本は小国(軍事的)なので左右へ大きく揺れる韓国に対応できるような力はない。アメリカでさえ、盧武鉉の時代に困惑したのだから、日本が関われるはずがない。

投稿: 経済はど素人 | 2012年7月 8日 (日) 22時44分

統一された場合、韓国は中国と直接国境を接する事になりますが、その事を韓国中枢の安全保障の専門家がどう考えているか?朝鮮半島には地政学的な宿命があり、そうでなければ、2000年近くも大陸の冊封体制下に組み込まれないと思います。

投稿: 経済はど素人 | 2012年7月10日 (火) 01時56分

経済はど素人さん
コメントありがとうございます。

6ヶ国協議とは言いますが、実態は中米のぶつかり合いでしょう。
中国側から見れば併合を機に
国境を介して米国勢と対峙するわけですから、
あまりいい気はしないでしょう。

日本の場合は余りそこまで考えてなさそう。
40年くらい前は中国を警戒しており、
半島に睨みをきかせていたねですが、
最近はさっぱり。
厭戦ムードが続きすぎたんですかね。

投稿: なる | 2012年7月12日 (木) 00時50分

戦後、日本は半島ににらみなどきかせた事はありません!半島に睨みをきかしているのは、日本以外の5カ国であり、朝鮮半島に関与する力は日本にはありません。軍事力がないものが無責任に自分と関係ない地域に対して、独自のスタンスを示すのは、紛争の元です。よくマスコミは日本には、独自のスタンスがないと批判しますが、それは朝鮮半島に対してだけです。東南アジア諸国は日本にとって、生命線ですので、日本は現在積極的に関わっていますし、中国に対してもシーレーンに関しては明確にしめしつつあります。素性の分からない者が『売春』などという下品な話をしているわけではありませんが、このブログは経済、金融が専門ですので、軍事に関しては詳しくは述べませんが、韓国の地というのは非常に特異な地域であり、その事により韓国は大きな危険と隣り合わせになっています。その事は悪い事ではありません。
 明治維新は頼りになる味方が近隣国にいなかった為、周囲の状況に過剰に反応して暴走してしまいましたが、今はアメリカ、東南アジア諸国とともに協力しています。これらは友好国ですので、睨みを効かす必要性もありませんよ。

投稿: 経済はど素人 | 2012年7月15日 (日) 16時23分

経済はど素人さん
コメントありがとうございます。
返信が遅れ申し訳ありません。

隣国と言うものは不思議なもので、
大概は持ちつ持たれつになります。

あまり自己主張が強すぎると、
境界付近で小競り合いが起き、そのうち戦争になります。

自己主張も重要ですが、
最も大切なのは、どううまく付き合うかだと思います。
韓国は重要な輸出対象国ですし、
卑下ばかりしていないでどう付き合うかを必死に考えるべきだと思います。

投稿: なる | 2012年8月12日 (日) 23時26分

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