国別の思考パターンの違い - Geert Hofstedeの研究
世界には色々な国々があります。
皆同じ人間ですが、住む地域によって色々な文化があり、気質に差があります。
海外でマネージメントする際にはとっても重要ですが、意外と比較した論文等は少ないです。
とはいえ、いくつか情報はあります。
今回はそんな数少ない情報源の一つである「Geert Hofstede」についてです。
まずは結果↓から。
GEERT HOFSTEDE:National Culture - COUNTRIES
国民文化と組織文化:Hofstedeは何を測定したのか?―経営学輪講 Hofstede (1991)
各項目の説明はこんな感じです。
ちなみに平均は50で、数値が高いほど、よりそっち系という意味です。
Power Distance (PDI):権力格差
権力格差に対する許容度です。
数値が高いほど、権力格差が大きく、例えば社長と一般社員が顔を合わせる機会が少ないという意味です。
Individualism versus collectivism (IDV):個人主義
個人主義の度合いです。
数値が高いほど、他人と群れる事を避けます。
特に仕事では、範囲がはっきりし同僚の手伝いは、上司から頼まれない限り絶対しません。
Masculinity versus femininity (MAS):男性主義
社会構造が男性優位か否かの指標です。
数値が高いと言う事は、女性の社会進出(管理職の比率など)が低いと言う事です。
Uncertainty avoidance (UAI):不確実性の回避
リスクに対する許容度です。
数値が高いほど新しいものなど、リスクを回避したがり、低いほど果敢に挑戦します。
Long-term versus short-term orientation (LTO):長期主義
長期的な視点かどうかの指標です。
数値が高いほど、長い目で物事を見ていると言えます。
こうやって比較してみると、結構おもしろい結果が出ます。
例えば米国は意外と上司と平の付き合いが多いとか、中国の女性進出度合いが割と高いとか。
他の国も色々あるので、気になるところを試してみましょう。
新たな発見もあるかもしれません。
なお、この統計結果はIBMの社員だけを対象に調査をしたものです。
日米など、IBM社員が多い所の調査はそれなりにサンプルがあり、使えるものでしょうが、新興国は人数が少ないから辛いかも。
その為、役に立たないとの指摘もされていますが、この点についてホフステッドは「基盤はIBMなのだから、違いは国の文化だけだ。だから正しい。」と反論しています。
中々うまい切り返しですね。
完全に言い訳なのですが、妙に説得力があるのはなぜでしょうか。
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