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2012年2月

イエロー・ケーキ ~クリーンなエネルギーという嘘~ を見てきた

先日、イエローケーキという映画を見てきました。
名前の通り、ウラン原料の生産についてのお話です。
ウランは製造が終わると、硫黄のような黄色い粉末になるため、このように言われています。

イエロー・ケーキ ~クリーンなエネルギーという嘘~

この映画は、まず過去の遺物から始まります。
旧東ドイツの国営企業だった、「ヴィスムート」が行っていたウラン採掘事業ですが、今ではウラン鉱山を閉鎖し、今度は埋める作業に勤しんでいます。

また、ウランは採掘の際に水と混ぜる必要があるため、イエローケーキを精製する過程で、汚染されたと思われる水が大量に出ます
これを辺りにばら撒いているため、地盤が緩み、使い物にならない土地になっているようです。

この作品の序盤では、ウラン採掘が如何に秘密主義で行われてきたか、また普通知る事は無い、採掘の現場や事後処理について詳細に語っています
なお、ヴィスムートは、旧ソ連の遺物でもあるので、中身がよくわからない謎企業ですが、調べると結構論文などもあるようです。

ドイツ・ヴィスムート社における鉱山跡措置 PDF
原子力研究バックエンド推進センター デコミッショニング技報第35号

中盤はナミビアロッシング鉱山の従業員の話です。
採掘するか否かを決める含有量の調査が、放射線量的な意味で危険性が高いのが特徴です。
また、女性従業員が働いていることに突っ込みを入れている人もいます。

まあ、この辺りは石油や石炭も大して変わりません
炭鉱で働いている女性も、かつての日本には大量にいましたし、男女平等とか言われているこの世の中ですから、女性がいても不思議ではありません。

興味深いのは、やはり前述した、採掘後の廃棄物です。
水分を含んだウラン鉱石の残骸は、近くの人工窪地に捨てられ、水分が蒸発するのを待ちます。
これが調整池のようになり、そこかしこにやばそうな池を量産しています。

後半はウラン鉱山保有者や、その町の人々の話です。
オーストラリアのアボリジニーが、土地を売り渡す羽目になった事や、カナダのウラニウム市の事を描いています。

前者は、日本でも見かける、ウラン開発の反対運動についてです。
興味深いのは後者です。

ウラニウム市は、その名の通り、ウラン鉱石の採掘で町を作ってきました。
ウランが採れていた間は、キャメコ(カメコ)アレバからの資本が流入し、地域を支えていました。

短期労働のつもりで来た労働者も、いつの間にか所帯を持ち、そのまま地元の人として居座り、"故郷"となっていました
2,3世代は居たようで、そこで生まれ育った人も多かった様です。

しかし、ウランの可採埋蔵量が少な目になってきたのに加え、近くで、さらに含有率の高い鉱脈が見つかり、町は見放されました。
ピーク時には5000人位の人口でしたが、今では89人だそうです。
残った人から見れば、何とも寂しい光景でしょうね。

では残った人が何をしているのかというと、若い人達(映画では女性でした)は、近くの茂みの石や土を掘り、サンプルとして地質学者に送っているとの事です。
曰く、「ここでもまだまだウランが採れるんです!是非来てください!」とのこと。

サンプルは飛行機に乗せられない程の高線量なのですが、「学者は鉛の瓶に入れてずっと研究室に飾っていますが、何ともありません。自分達は少ししか触れないし、大丈夫でしょう」と、全然気にしていないのが印象的でした。

また、中年や年寄りは、使用済みウラン燃料の再処理施設の誘致を願っているようです。
実際に行動しているかまでは描かれていませんでしたが、誘致の話が来てほしいと考えている事は、断言していたので間違いありません。

「みんな原子力を恐れるが、教科書に原子力は安全と載せるべきだ!」というのがおじい様方の主張のようです。
ちなみに彼の一家はキャメコで穴掘りや安全管理で生計を立てているそうです。
町全体がそんな感じだとか。

この作品を見ると、立場によって、ウランや放射能に対する意見の違うというのがよくわかります。
当然、映画の感想や評価も、人によって大きく異なります。
とても考えさせられる作品なので、お勧めです。

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日本の借金を国際比較 - 世界一の借金大国

最近、当ブログにも日本の債務問題に関わる検索ワードでいらっしゃる方が増えています。
それだけ関心があると言う事でしょう。
地震の影響もあって借金は増大、燃料費の増加で貿易赤字に転落と、不安な要素が天子盛りです。

日本国債のデフォルト(債務不履行)に備えた保険料率(日本国債の想定クレジットリスクを示す指標)はここ数週間で急騰し、ギリシャ債務危機が最高潮に達した昨年10月以来の記録的水準に迫っている
>>高まる日本国債への警戒感―CDS価格上昇や格付け見通しに身構える投資家

CDS価格の比較

そんな国債問題なのですが、いろいろ見てみると、意外と債務残高の国際比較がありません。
よく見るグラフとしては、GDPに対する国債残高の比較なのですが、絶対額の比較は無かったので、掲載してみます。

こちら↓は以前セミナーでもらったもの。
こうやって見ると、日本の債務は米国の上を行くんですね。

国債の国際比較

これだけでは情報基として怪しいので、もう一つ。
こちら↓は先進国の国債残高の比率です。

国債発行残高の国際比率

シティグループ世界国債インデックス PDF
日興アセットマネージメント:シティグループ世界国債インデックスとは

こうやって見ると、日本の国債残高は、世界一なんですね。
しかも世界の借金の3分の1は日本のものと言う事になります。
ここには出していませんが、欧州債(EMU国債)が27%強なので、欧州全体よりも日本の債務の方が大きい計算です。

中国やインドなどが入っていないとか、円高の影響もあるという突っ込みもあるでしょうが、それを含めても世界の25%位はあると思われます
日本は文字通り、世界一の借金大国なのです。

日本の資本がプラスなのかマイナスなのかよくわかりませんが、自己資本比率はかなり低いのでしょう。
今は持株会に支えられていますが、大丈夫なのでしょうか。

追記:
なんか中韓が日本国債を買ってくれるそうです。

理経済:韓国国債の現状

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温暖化は真実か - 情報収集の重要性

WSJで、温暖化の原因の真偽を問うています。

この記事は、文末にある16人の科学者から署名を得たものである(編者)(中略)…APSで、大量の陽子が時間の経過とともに変化するか否か、また、多次元宇宙はどう働くのか議論することは認められているのに、地球温暖化の証拠に論争の余地はないのだろうか
>>温暖化は真実か―政治家に求められる合理的な政策判断

相変わらずWSJはいい記事を書きますね。
世論なんてなんのその、真実のためなら、批判も裏取りもバッチリこなしています。
彼らを持ち上げても、私には1円の得もありませんが、これは十分褒めるに値します。

元々、現在の地球は間氷期なので、ほっておいても自動的に暖かくなります。
温暖化はそれに上乗せ部分が出てくるのでは、という議論なのですが、どの記事を見ても、そのことは書かれていません。
いつもの事ながら、ピントがずれているようで仕方がありません

二酸化炭素の懐疑論は今に始まった事ではありません。
元々水蒸気やメタンなど、候補は大量にありました
そして強い温室効果が発見されましたが、なぜかそれらは無視されてしまい、温暖化=CO2という、単調な議論に終始するようになってしまいました。

ECOJAPAN:依然くすぶる懐疑論 人為CO2以外に犯人も?

原因が定着したことで、それ以外の原因の指摘は隅に追いやられました。
なかなか言い出しにくく、ネットで書けば「社員」とか「御用」とか変なレッテルを貼られ、議論になりません。

現代では情報量が異常なほど増えており、その所為か、多くの人が混乱し、大きな力を持った人達の意見を受け入れやすくなっているように思えます
要するに自分の意見が持てないと言う事です。
折角の情報も、消化不良を起こしているわけです。

そういった場合、本来機能すべきはずのメディアも、今一つあてになりません。
WSJの様なジャーナリスト集団が増えてくれればいいのですが、あまり期待はできなそうです。

有用な情報は結構落ちています
大手の(変な)新聞ばかり見ていないで、色々見てみると、色々な発見があります。
如何に情報を集め、処理するかが求められる世の中になったと、強く感じます。

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春秋航空が上場するそうです - LCCの実力

中国の格安航空会社「春秋航空」が、ついに上場するようです。

中国証券監督管理委員会(CSRC)は現在、中国の格安航空会社、春秋航空(本社:上海)の上海での新規株式公開(IPO)申請を審査している。CSRCの最新データで明らかになった。
>>中国証券当局、春秋航空の上海IPO申請を審査中

春秋航空と言えば、中国-茨城を4000円で結んだことで有名ですが、最近ではさらにそれに磨きがかかっているようです。

格安旅行ナビ:春秋航空が佐賀〜上海の運賃を片道3,000円で販売!

安いばかりが良いとは思いませんが、高い航空会社しかない現状を見ると、日本にもこういう航空会社がいてもいいのかなと思います。

最近、経営学の鉄板ネタであるサウスウェスト航空の話を学びましたが、彼らは650km位の距離を、たった15$で飛ばすそうです。
それでいて利益率もそこそこという謎企業。

650kmと言えば、東京-青森位の距離です。
この金額は1980年頃のものですが、インフレ率を考えても、30$程度でしょう。
評判もなかなかのようです。

Yahoo!知恵袋:サウスウエスト航空ってどうですか?11月にロサンゼルスーラスベガス間で使おう...
Yahoo!Finance:Southwest Airlines Company Comm (LUV)

日本でもエアドゥの様な新興航空会社もあったのですが、中途半端な値段設定がたたって、結局つぶれてしまいました。
そりゃ北海道-東京間で12000円じゃ、そうもなります。
5000円は切らないと

日本の航空業界もLCCとか来ないかな。

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