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2012年1月

長所と短所は存在するもの - ナノ技術の長短

モノには善し悪しがあるものですが、ナノ技術にもやっぱりあるようです。

NHKオンデマンド:ナノ・レボリューション 「地球の浄化が始まった」

動画はこちらにあるようです。

ナノ技術を使うことで、太陽電池が効率化し、水の濾過が飛躍的に良くなり、空気や産廃の浄化ができるという、夢の技術です。

確かに、今後は太陽電池LNGが注目されるようになるでしょうから、今後に期待できる技術です。
太陽電池は発電量に対するコストの高さが目立っていますし、LNGはフラッキングバラスト水で揉めています。

そんな夢のような技術なのですが、カナダ系の制作だけあって、両論併記に努めています。
カナダと言えば、タールサンド(オイルサンド)の環境汚染で板挟みですから、バランスを取ってるのでしょうか。

例えば、太陽光発電は日照権を巡る争いが激化するとしています。
しかも企業対個人の集団ではなく、個人対個人になりやすいため、いざこざが複雑になります。
現在でも、日照権を巡る争いは少しずつ顕在化していますし、太陽光パネルの反射光で近所迷惑になったりと、軋轢が多くありますから、満更空想でもないでしょう。

エコジャパン:太陽光 予期せぬトラブル(3)―突如立ちはだかるビル
ケヤキの見える窓辺:エコひいき

水の濾過技術は、水メジャーの独占が加速化しかねないという懸念を示しています。
確かに、エネルギー会社が水を汚し、裏でつながった水メジャーが高値で濾過技術を提供するなんてことも有り得なくはありません。
淡水は貴重な資源ですが、意外とチェックが甘く、寡占化が進んでいます
国家の水事業は、国家安全保障上、極めて重要な意味を持ちます。

世界四季報:ウォーターバロン
理経済:ブルーゴールドを見て

最後の空気の浄化は、ナノ粒子自体の危険性が理解できていない点があります。
アスベストやフロンなど、最初は有効と思われていても、後からヤバい事がわかると言う事はよくあります

特に今回はナノサイズの粒子ですから、抗体や気管支の毛など、人間が本来持っている防衛機能も、効果が薄くなりそうです。
やっぱり駄目でしたなんて事になったら、たまったものではありません。

とまあ、夢の技術も考え次第と言う事になります。
長短色々なわけですから、「あなたはどれだけのリスクを許容できますか?」という、精神論的な議論に落ち着く訳です。
あなたは何を得て、何を犠牲にしますか?

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予算がつかない外国人無料招待

観光庁が企画した、外国人訪問客の呼び込みが頓挫してしまったようです。
比較的少額な予算の申請だったのですが、断られてしまったとか。

2012年に1万人の外国人観光客を旅費無料で招待する計画だ。 ところが、予算審議が進む過程で、多くの人の夢見た日本訪問が夢のまま終わることが決まった。「来年の無料航空券はなし。以上」。予算が認められなかったのだ。…(中略)…同支部の広報担当者、カイリー・クラーク氏は「世界中で数千人ががっかりすることは承知している。ただ、津波で破壊された都市、町、村がなお復興資金を必要としているときに、日本政府が無料航空券を提供すればどれだけ無神経に映ったか、ということをご理解いただきたい」と書いている。
>>外国人1万人の無料招待、予算認められず

予算請求は11億円。
思っているほど大きくありません。

意外と外国人は楽しみにしていたようなので、少し驚きです。
残念がっている外国人に対し、観光局ロンドン支部のカイリーさんのナイスフォローで反発は無い様です。
寄せられているコメントも、単なる言い合いではなく、賛否共に説得力があります。
えらく重くて見難いですが、ぜひご覧ください。

個人的にはこの案に賛成です。
今のこの国は、投資と活気を呼び込む必要があります
東電にはこういうところに寄付金のような形でお金を出させたいです。

コメントで「来れるだけのお金がない人に無料券を配ってどうする」なんて話がありましたが、意外とただ効果は大きいです。
例えばカナダは住んでるだけでただで国籍をくれますが、そのおかげで移民が多く、勝手に人口が増えます。

観光に来た人がそのまま住み着いてしまっても困りますが、ただ効果は宣伝としては十分に価値があります
日本文化や、言語の売り込みを考えれば、安いものです。

また、原文のコメントで、放射能を気にしていないのが笑ってしまいます
さすが新聞で「チェルノブイリは思ったほど酷くなくてよかった」とか書いている国だけあります。

総会で提案してみますか。

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公認会計士数の国際比較 - 会計の重み

アルコアが第4四半期の決算を発表しています。
会計期間は9~12月の3ヵ月分であり、これを持って本決算が確定します。

米アルミ大手アルコアが9日発表した第4・四半期決算は、赤字となった。
>>米アルコアの第4四半期は赤字、需要増加予測し時間外で株価上昇

中身はこの際置いておいて、相変わらずの高速決算です。
本決算なのにわずか9日で集計し、もう公表です。

しかもちゃんと会計士のハンコも貰ってるわけですから、日ごろから決算しやすいように、色々工夫されているんでしょうね。
以前どこかの本で見ましたが、アルコアは高速決算にプライドがあるらしく、これが株主に対する責務であり、顧客や利害関係者に対するサービスなのだとか

会計の授業や、同期の会計士の人に聞いたのですが、日本と欧米では、会計制度もさることながら、大きく違う点があるそうです。
曰く、「日本の場合、○○の費用と言う事である程度まとまって企業から報告が来るのに対し、欧米では領収書単位で来る」そうです。
ロッキード事件もそういった領収書の精査で発覚したのだとか。

では、日本の会計士の人数は、世界的に見てどうなのでしょうか?
意外と国際比較の資料が少なく苦労しましたが、まとめてくれている良いサイトがありました。

主要国の会計士の数

上場会社に対する公認会計士の人数

会計・税金・財務情報(ディスクロージャー):日本の会計の国際的位置付け
金融庁:諸外国の公認会計士制度 PDF

こうやって見ると、日本の会計士がいかに少ないかわかります
政府が増やせというのはわからないでもないです。
しかし、単純に会計士を増やすと、就職難が多発し、試験は通ったのに就職できないなんて方が多数。
うちの会社にも、最近そういう人の入社希望が目立つようになりました。

理経済:公認会計士も就職難

なぜ世界水準まで会計士を増やそうとしているだけなのに、こんなにうまくいかないのでしょうか。
思うにこの差は、会計に対する信頼や責任の違いに由来するものだと思います。

欧米では株をやるのは普通ですが、日本ではまだ一般的とは言えません。
また、オリンパス林原に見られるように、多少の会計操作は咎めにすらなりません。
エンロンの時は、アーサー・アンダーセンとか普通に有罪食らってたんですが。

また、決算の発表も物凄い急かされます。
しかも領収書のチェックや、3か月毎に決算など、抜かりがありません。
手を抜けばボロクソに叩かれます。

今週はJPモルガンが決算、来週にはシティアップルGS等が続々と決算を出します。
まだ30日も経ってないのに。
モザイクとかモンサントとか、たった4,5日で公表してるんですね。
どうなってんだ。

楽天証券:米国企業決算発表スケジュール(決算発表日順)

一方日本の場合、「決算を期末から45日以内に発表すること」という、45日ルールがあります。
労働力が足りないためか、なぜか45日目付近に決算が集中
それでも投資家は文句も言いませんし、不自然でも無い様です。

FPオフィスあみの:投資家泣かせの「決算発表45日ルール」

こういうプレッシャーが常にかかっているからこそ、欧米の会計士は人数が必要なのでしょう。
それでいて席がある。
名前は同じ公認会計士ですが、日本のそれとは、社会から求められている役割に大きな違いがあるように思います。

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オリンパスはお咎め無しの模様

損失隠しで揉めていたオリンパスが、上場維持で決着したようです。
東証側は1,000万円の違反金を取って、事実上の制裁が終了するとの事です。

東京証券取引所が、損失隠しの発覚したオリンパス株式の上場を維持し「特設注意市場銘柄」に指定する方向で調整している。複数の関係筋が9日、明らかにした。月内にも最終決定し、公表する。指定期間中の売買は、通常通りできる。
>>東証がオリンパス上場維持で最終調整、「特設注意市場銘柄」に

東証は金融庁や警察とべったりなので、当然捜査当局と打ち合わせしているのでしょう。
以前仕事で東証の規制部門に話を聞きに行ったら、講演者が前置きで天下りしてきたトークをしだしてビックリしました。
話が生々しすぎて反応が難しい…。

東証側がこの程度のペナルティなのですから、検察等もきついお仕置きはしないというサインなのでしょう
後は民事と海外勢がどう出るかです。

さて、問題はこれが前例となってしまった事
ライブドアの時は実刑なのに、オリンパスがお咎め無しでは、新しい会社はダメで古い会社は粉飾や損失の繰り越しをしてもOKと公言しているようなものです。

一見すると、オリンパスの技術は守られた様な気もしますが、とばっちりは日本の会計や企業統治能力に行きます。
こうなるとトヨタやソニーも、粉飾や隠し事があるのではないかと疑われてしまいます。

特に、粉飾は明らかに人為的に発生し、経営者の都合でやろうと思えばできてしまいます。
だからこそ厳粛に対処せねばならないのですが、日本にはそういうビジョンがないようです。
米国とはえらい違いです。

理経済:アメリカが珍しく金融規制

疑心暗鬼が市場を覆えば、長期的にお金が入らなくなるでしょう。
しかも、日本国債など、今後海外投資家に買ってもらおうとしているものも多いわけですから、投資し難いと思われると、今後の資本誘致に支障をきたします。

先日、オリンパスのウッドフォード元社長が会見を行い、委任状争奪戦を棄権しました。
曰く「やったら勝てるが、外資系と内資系で分かれてしまい、オリンパスにとって不幸なことになる」との事。
勝てたかどうかはわかりませんが、外資と内資に分かれるのはほぼ間違いないでしょう。

最後に、「日本の市場は特殊です」と断言。
確かに、外国で取引すると、日本の市場がとても奇妙に見えます。
なんというか、何をやったかではなく、誰がやったかが強く重視され過ぎている気がします。
やったことはプラスにもマイナスにも評価されないので、なんとなく適当です。

例えば、日本の場合、株主総会は2,3時間とかが普通ですが、海外は丸1日とか普通です。
また議決権の行使は、国内では郵送位で、碌な説明がありませんが、海外ではネットで投票から内容確認まで全部できます。

粉飾に対しても厳粛に対処してくれるので、納得もしやすいです。
決算も最短10日程度で公表されますし、中央銀行や政府も市場に優しいです。
行き過ぎる事も無くはありませんが、日本の冷たさを鑑みると、随分有難い話です。

ネットと英語教育のおかげで海外も近くなりました。
今日においては、中等レベルの英語と度胸があれば、海外への投資も簡単にできます
1000万円とかあれば、シティが日本語で対応してくれますし。

理経済:米証券会社Firstradeから返答のメールが来ました。

そういう状況下でこの判断は、結構無謀だと思うのですが、如何でしょうか。
答えは数年してから出てくるでしょう。

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便利さの裏側にあるもの

最近ナノテクノロジーがブームらしく、色々研究されているようです。
カーボンナノチューブ光触媒は言うに及ばず、IT分野にも大きな影響を与えるのでは、と言われているそうです。

NHKオンデマンド:ナノ・レボリューション 「“原子”が暮らしを変える」
ひかりTV:ナノ・レボリューション “原子”が暮らしを変える

ナノ技術で色々作っている過程でわかった事として、特定の状況下で電圧をかけると、原子が飛び出すそうです。
さらに、その電圧の強さに応じ、浮き出方に差があり、浮き出た後、元に戻るまでの時間が変化するそうです。

この事から、人間のように考えるコンピュータが作成可能であり、これを利用した「ナノシティ」が可能だそうな。
そこでは、健康管理から通販まで、徹底的に便利な生活ができます
まるで、ドラえもんの「ブリキの迷宮」の様な世界です。

しかし一方で、健康状態から行動パターンまで、政府や企業に握られることになり、食べたいものも満足に食べられません。
また、全体的に合理的な見解が進み過ぎてしまい、規制規制で息がつまりそうなのだとか。
世の中うまくいきませんね。

現実の世界もそれに向けて邁進中です。
英国は監視カメラが多数設置され、市民のプライバシーなんてありません。
日本もそれに向けてどんどん進んでいます。
最近駅や街中で監視カメラをよく目にするようになりました

また、最近では顔認証技術も進歩しています。
前に見たのは、走ってくる4人を同時に判別する技術が紹介されていました。
ALSOK等の警備会社も、自宅の老人を見守る等のサービスを開始していましたが、言い換えれば監視しているという事でもあります。
表の世界でこれですから、裏の世界はもっと凄まじい事になっているのでしょう。

監視カメラと顔認証を組み合わせれば、誰がどこにいるか位は瞬時に判断できます。
駅のホームにいるとか、空港にいるとか。
空港ではすでに実装されていますから、他の所に応用されている、あるいは応用される可能性はかなり大きいです。

データを悪用しなければ良いという意見もあるでしょうが、インターネット経由で情報が中央に送られる以上、どうしても痕跡は残ります。
まして、エシュロンNSAの様な組織が監視しまくっている事を考えると、悪用されないにしても、漏れている事は確実です。

NSAの予算はCIAの3~4倍ですから、10兆円近い予算が組まれている事になります。
まともな組織ではないので、実際いくらなのかはよくわかりませんが、これだけITが発展した世界では、彼らの価値はそれ位あるでしょう。

漏れた映像から顔認証を使って場所を割り出し、携帯の通話とネットのログを解析すれば、何をしているかなんてモロバレです
重信房子金正男が発見されるわけです。

なんでもそうですが、光があれば影ができるものです。
抽象的な例えですが、リスクとリターンの関係と同じで、長所と短所は表裏一体です。
健康が守られ、治安も良くなるのはとても良い事ですが、反面もちゃんと見ておく必要があるわけです。
世の中難しいですね。

なお余談ですが、このネタを漁っている際に、VIPの方々が、「監視されてるってよ!」と呟いていましたが、そもそも2チャンはログを取られている為、真の意味で匿名ではありません

以前、2チャンの管理者であるひろゆき氏が、名誉棄損民事裁判で負けてしまいました。
都内の動物病院が、掲示板内で書き込まれた罵声に対し、名誉棄損で訴えたわけです。

当時はログを取っていなかったので、誰が書いたかわかりませんでした。
そのため、なぜか管理者であるひろゆき氏が訴えられました。
裁判所からログの提出を求められましたが、当然提出できず敗訴
彼はこの一件を酷く後悔し、それ以来しっかりログを取る事にしたとの事です。

【2ちゃんの運命は?】 動物病院裁判、最高裁でヒロユキ敗訴
ITmedia:「ないものはないし」──2ちゃんねる管理人・ひろゆき氏が語る“ログ提出拒否”の真意(1)

他の掲示板も、この事を知っていれば、ログを取っている事でしょう。
書き込む側から見ると匿名ですが、裏側から見ると筒抜け状態です。
書き込む時は自身の言葉に責任を持ちましょう

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SNSETFの実績 - Global X Social Media Index ETF

昨年、ソーシャルメディアETFが上場しました。
話題のグルーポンリンクトインで構成されています。

ETF運用会社グローバルXファンズのブルーノ・デルアマ最高経営責任者(CEO)は、25銘柄を組み入れた「グローバルXソーシャル・メディアETF」について、セクター全体に確実に投資できる極めて簡単な方法になるよう組成した、と述べた。
>>初のソーシャル・メディア株ETFが15日に登場

上場からおよそ3か月が経ちましたが、現状はどうかというと、こんな↓感じ。

Global X Social Media Index ETF

Yahoo!Finance:Global X Social Media Index ETF (SOCL)
赤線:リンクトイン、緑線:グルーポン、茶線:グーグル、黄緑線:パンドラ・メディア

うーん、ぱっとしませんね。
価格が下がっているのは問題ないのですが、それ以上に出来高が少なすぎです。
1日2,3千株ではまともなETFとは言えません。
ちなみに大型ETFであるナスダック指数ETFは1日5,6千万株の出来高です。

期待のETFは期待だけで終わっているようです。
組み入れ銘柄が悪いのか、ETFに人気がないのか、なかなか難しいですね。

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ユーロの安値 - 自国通貨安は有利なのか

ユーロが安値をつけています。
1ユーロ100円をつけており、一昔前のドル並に下げています。

ユーロ・円相場は早朝に付けた1ユーロ=99円35銭から一時99円07銭までユーロ売りが進行。2日に98円66銭と2000年12月以来の安値を付けた後、ユーロは100円台を回復していたが、4日の海外市場では再び下落に転じ、一時99円05銭まで下落していた。
>>ユーロ下落、欧州債務懸念で対円は11年ぶり安値圏-仏国債入札警戒

さて、ユーロは日本円に対して歴史的なユーロ安になっています。
とは言っても、米ドルに対してはあまり変わっていないため、ユーロ安というよりは円高のようです。

ユーロの推移

Yahoo!Finance:USD/EUR (USDEUR=X)

↑の図は、ユーロ円、ユーロドルの5年分の推移です。
上に行くほどユーロ安になるように設定してあります。
ドルユーロはあまり動いていないんですね。

さてそんなユーロですが、ユーロ圏随一の輸出国、ドイツの輸出はどうなっているのでしょうか?
普通に考えればユーロ安でぼろ儲けの様な気がしますが、貿易収支を見ますと、意外とそうでもありません。

Germany Balance of Trade

Trading Economics:Germany Balance of Trade
Bloomberg:10月のドイツ輸出:予想上回る落ち込み-景気鈍化と財政危機で

貿易収支は完全に横ばいです。
上昇していたのはむしろユーロ高の時です。

ドイツの輸出の4割はユーロ圏ですが、残りの6割はユーロ圏外です。
当然ユーロの高安は意味があるはずです。
しかし、実際に数値で見てみると、思った以上に起伏がありません。
ユーロ安の恩恵がないのか、それとも恩恵以上に世界景気の落ち込みが激しいのか。

こうやって見ると、グローバルな企業や国家ほど、自国通貨の高安は影響しないのかもしれませんね。
世間では円安は有利、円高は不利と言われていますが、あくまで日本はそう思い込んでるだけで、本当はそうでも無いのかもしれません。

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ウォルマートの影

売上高で世界1,2を争うウォルマートが、オランダの年金団体から突っ込みを入れられています。

ウォルマートは、従業員の待遇が国連の提唱する「人権・労働・環境」についての普遍的原則に沿っていないとしてブラックリストに掲載された。
>>オランダ年金基金、ウォルマートと中国石油をブラックリスト掲載

ウォルマートと言えば、トヨタとソニーとパナソニックを合体させた位の売上高を誇る、巨大企業です。
最近は円高で変化していますが、それでも4,200億$という、巨大な売上高を誇る企業です。

Yahoo!Finance:Wal-Mart Stores Inc. (WMT)

しかし、人権問題は結構ハードです。

商社側を叩きまくっているとか、地域に進出した後、周りのスーパーを潰しまくって、儲からなかったら即撤退とか、そういう部分は前から言われています。
また、以前ご紹介した「くたばった農民保険」も彼らが積極的にやっている事です。

理経済:ムーアのキャピタリズムを見てきました

くたばった農民保険(俗称)とは、生命保険の一種です。
決定的に違うのは、受取人が所属する企業等と言う事です。
その従業員が死ぬと、多額の死亡保険金が企業側に転がり込む寸法です。

ウォルマートはアルバイトなどに、数千万円相当の死亡保険をかけていた事が、映画で示されていました。
映画では確か、時給600円くらいの人に、6,000万円程度の保険金がかけられていたと紹介されていました。

生命保険の理念や、会社側が過剰労働によって従業員を殺害できる事を考えると、とても倫理的に許される事ではありません。
まあ生命保険自体が、他人の死期を予想するギャンブルから始まったという説もありますから、強ち間違いでもないのかもしれませんが。

兎に角、こういったやり口がブラックリストに載る原因だったのでしょう。
大きな樹の裏側には、大きな影ができるようです。

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地域間対立は水面下で進行中

先日、原発の立地自治体が、かなり交付金や寄付をねだっていたと書かせていただきました。

理経済:まるで乞食だ… - 原発ムラへのたかり構造

新聞にせよ私にせよ、「福島」で一括りにしがちですが、色々話を聞いていると必ずしもそうではないようです。
コメントにて、いわきの方と原発立地体の方が対立しています。

いわきとフタバはほとんど関係ありません。
>>こんなことを書くとまたいわきの人から文句が飛んできそうですが

彼らはいわきナンバーを使っていますがそれは彼らが住んでいる双葉郡ではナンバーがないためです。
それに、いわきの町の多くは原発からの金を双葉の連中と違い、直接的には受け取っていません。
もし機会があれば「福島原発の真実」という本を読んでください。
私は双葉の連中は被害者ではなく自業自得であり、むしろ加害者だと思っています。
>>いわき人さん

「双葉の連中」
馬鹿にした言い方ですね。
このように、隣なのに、避難者への理解は皆無。
今に始まったことではありませんが、いわきは、双葉郡を見下すようなところがあり、まさに、井の中の蛙。
気候は好きですが気質は嫌いです。
>>原発難民さん

てっきり私への批判だと思っていたのですが、どう読んでも私宛ではなさそうです。
本文でも「双葉の連中」とは、書いていません。
この様な地域対立は前から聞いていましたが、目の前で行われると驚きます。

福島原発を呼び込んだクズ双葉町の連中だけがこの恩恵を受けている こいつらも加害者だろ、吊るせ ←重いです
福島原発で自治体の責任について、福島原発で誘致した自治体は当然加害者であると...
福島県原発について。東電社長に土下座をさせたり罵声を飛ばしたりしてる福島県民...
原発の立地市町村

私がいわきに行った時も、富岡の封筒を持っている人がウロウロしていたり、小奇麗な服を着た立地自治体の人が、店主と話しをしていました。
店主は「いわきに住んじゃえば?」と言っていた事を考えると、全員が全員対立しているわけではないようです。

問題は今後です。
今回の一件は様々な利権者が複雑に絡み合っています
特に原発立地自治体はその恩恵が巨大でした。

一方周辺自治体は、遠くなるほど恩恵は小さくなり、それでいて被害はそれほど差がありません。
和解額に差が出なければ、むしろ周辺自治体から非難が来そうです。

現在は、行政府の司法を無視した、日和見的な動きの所為で、その辺りは考慮されていませんが、今後はその辺りも争点になってくるでしょう。
感情論的には現行の方針でまずまずなのかもしれませんが、論理的かつ法的に考えれば、どんどん立地自治体の旗色が悪くなるでしょう。

単純に「被災者だから救済」という話にはならなそうです。

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2011年の重大ニュースを見て

ニコニコ動画で、2011年の重大ニュースを投票させています。

まあネットの投票なので、これを基に「TPPは反対票が多い!」とか議論しても意味がないのですが、投票の傾向は興味深いです。
メディアの露出度が高いものほど、"重大"と認識しているようです。

2011年の重大ニュース

国内のニュースを見ても一目瞭然で、メディアで騒がれているものや、直近の話ほど重大としています。
そもそもオリンパスとか載って無い辺り、違和感を感じますし、小沢代表を起訴するか否かも、随分騒がれた割に下方にあります。

また、一票の格差は、何十年も争われ、非常に重要な内容なはずなのに、新聞で出ないためか、最下位になっています

Wikipedia:一票の格差
理経済:一票の格差を是正するらしい

勿論、今まで争われ、度々違憲と言われながらも、無視されて来たから、「いつもの事」と考えて、選ばなかった人もいるでしょう。
しかし、そういう人は圧倒的に少数派だと思います。

特に、次の選挙は衆参両院で選挙が行われる可能性が高いです。
参院は2013年に半数が変わりますし、衆院もこのままだと解散は無い、あるいはぎりぎりまで引き伸ばされ、2013年になるでしょう。

この選挙の何れかが違憲となり、再選挙なんて事になれば、もう一方も再選挙なんてことになりかねません。
いい加減司法がキレて、両方とも再選挙と言い出す可能性も、無きにしも非ずです。
40年も無視されれば、キレても不思議ではありません。

過去、1983年にも同様の事態になったようですが、その時は政権交代なんてありませんでした。
しかし、今回は政権与党の民主党が、参院で大幅改定。
衆院も末期の自民党のように、負け戦の様相を呈しています。

選挙で政権与党が代わった後、それを阻止せんと、再選挙の為に一票の格差を担ぎ出す可能性もあります。

今の国会は次の選挙の事しか考えていないようなので、有り得ない話では無いと思います。
野田さんも「解散しない」と言ったお陰で総理になったわけだし。
「両方無効」なんて事になったら、参院の半数だけで暫く耐えねばなりません。

また、海外のニュースになると、途端に回答が分散しだし、また、全体的に投票率が低いのも特徴と言えます。
世界的に見れば、米国債の格下げや「アラブの春」の台頭の方が、TPPより遥かに重要の様なのですが。

これらニコニコのデータは殆ど使い物になりませんが、ネットの民もテレビや新聞の影響を強く受けており、彼らによる情報の統制は有効と言う事が良くわかる一場面だと思います。

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