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ユーロの安値 - 自国通貨安は有利なのか

ユーロが安値をつけています。
1ユーロ100円をつけており、一昔前のドル並に下げています。

ユーロ・円相場は早朝に付けた1ユーロ=99円35銭から一時99円07銭までユーロ売りが進行。2日に98円66銭と2000年12月以来の安値を付けた後、ユーロは100円台を回復していたが、4日の海外市場では再び下落に転じ、一時99円05銭まで下落していた。
>>ユーロ下落、欧州債務懸念で対円は11年ぶり安値圏-仏国債入札警戒

さて、ユーロは日本円に対して歴史的なユーロ安になっています。
とは言っても、米ドルに対してはあまり変わっていないため、ユーロ安というよりは円高のようです。

ユーロの推移

Yahoo!Finance:USD/EUR (USDEUR=X)

↑の図は、ユーロ円、ユーロドルの5年分の推移です。
上に行くほどユーロ安になるように設定してあります。
ドルユーロはあまり動いていないんですね。

さてそんなユーロですが、ユーロ圏随一の輸出国、ドイツの輸出はどうなっているのでしょうか?
普通に考えればユーロ安でぼろ儲けの様な気がしますが、貿易収支を見ますと、意外とそうでもありません。

Germany Balance of Trade

Trading Economics:Germany Balance of Trade
Bloomberg:10月のドイツ輸出:予想上回る落ち込み-景気鈍化と財政危機で

貿易収支は完全に横ばいです。
上昇していたのはむしろユーロ高の時です。

ドイツの輸出の4割はユーロ圏ですが、残りの6割はユーロ圏外です。
当然ユーロの高安は意味があるはずです。
しかし、実際に数値で見てみると、思った以上に起伏がありません。
ユーロ安の恩恵がないのか、それとも恩恵以上に世界景気の落ち込みが激しいのか。

こうやって見ると、グローバルな企業や国家ほど、自国通貨の高安は影響しないのかもしれませんね。
世間では円安は有利、円高は不利と言われていますが、あくまで日本はそう思い込んでるだけで、本当はそうでも無いのかもしれません。

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コメント

為替が生産に影響をあたえるのは
通常数年後ですよ。

投稿: | 2012年2月21日 (火) 07時37分

コメントありがとうございます。
お返事が遅れて申し訳ありません。

仰る通り、為替の影響は数年たってから出る、
逆に言えば10年後くらいにはすでに出ているのが普通です。

そのため、ドイツの統計は10年軸で出しておりますが、
ユーロの長期推移をみると、2000年頃にはすでに上昇傾向になり始めています。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5070.html

そう考えると、2005年位には貿易収支が落ち込み始めても良さそうなものですが、
実際には横這いが精々です。

2008年のユーロ高がどのように効いてくるかは、2013年位から出ないとわかりません。
しかし、過去の事例を、長期的に見る限り、
日本人が思っているほどの影響は無いのではないでしょうか?

投稿: なる | 2012年4月 2日 (月) 01時05分

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