オリンパスはお咎め無しの模様
損失隠しで揉めていたオリンパスが、上場維持で決着したようです。
東証側は1,000万円の違反金を取って、事実上の制裁が終了するとの事です。
東京証券取引所が、損失隠しの発覚したオリンパス株式の上場を維持し「特設注意市場銘柄」に指定する方向で調整している。複数の関係筋が9日、明らかにした。月内にも最終決定し、公表する。指定期間中の売買は、通常通りできる。
>>東証がオリンパス上場維持で最終調整、「特設注意市場銘柄」に
東証は金融庁や警察とべったりなので、当然捜査当局と打ち合わせしているのでしょう。
以前仕事で東証の規制部門に話を聞きに行ったら、講演者が前置きで天下りしてきたトークをしだしてビックリしました。
話が生々しすぎて反応が難しい…。
東証側がこの程度のペナルティなのですから、検察等もきついお仕置きはしないというサインなのでしょう。
後は民事と海外勢がどう出るかです。
さて、問題はこれが前例となってしまった事。
ライブドアの時は実刑なのに、オリンパスがお咎め無しでは、新しい会社はダメで古い会社は粉飾や損失の繰り越しをしてもOKと公言しているようなものです。
一見すると、オリンパスの技術は守られた様な気もしますが、とばっちりは日本の会計や企業統治能力に行きます。
こうなるとトヨタやソニーも、粉飾や隠し事があるのではないかと疑われてしまいます。
特に、粉飾は明らかに人為的に発生し、経営者の都合でやろうと思えばできてしまいます。
だからこそ厳粛に対処せねばならないのですが、日本にはそういうビジョンがないようです。
米国とはえらい違いです。
疑心暗鬼が市場を覆えば、長期的にお金が入らなくなるでしょう。
しかも、日本国債など、今後海外投資家に買ってもらおうとしているものも多いわけですから、投資し難いと思われると、今後の資本誘致に支障をきたします。
先日、オリンパスのウッドフォード元社長が会見を行い、委任状争奪戦を棄権しました。
曰く「やったら勝てるが、外資系と内資系で分かれてしまい、オリンパスにとって不幸なことになる」との事。
勝てたかどうかはわかりませんが、外資と内資に分かれるのはほぼ間違いないでしょう。
最後に、「日本の市場は特殊です」と断言。
確かに、外国で取引すると、日本の市場がとても奇妙に見えます。
なんというか、何をやったかではなく、誰がやったかが強く重視され過ぎている気がします。
やったことはプラスにもマイナスにも評価されないので、なんとなく適当です。
例えば、日本の場合、株主総会は2,3時間とかが普通ですが、海外は丸1日とか普通です。
また議決権の行使は、国内では郵送位で、碌な説明がありませんが、海外ではネットで投票から内容確認まで全部できます。
粉飾に対しても厳粛に対処してくれるので、納得もしやすいです。
決算も最短10日程度で公表されますし、中央銀行や政府も市場に優しいです。
行き過ぎる事も無くはありませんが、日本の冷たさを鑑みると、随分有難い話です。
ネットと英語教育のおかげで海外も近くなりました。
今日においては、中等レベルの英語と度胸があれば、海外への投資も簡単にできます。
1000万円とかあれば、シティが日本語で対応してくれますし。
理経済:米証券会社Firstradeから返答のメールが来ました。
そういう状況下でこの判断は、結構無謀だと思うのですが、如何でしょうか。
答えは数年してから出てくるでしょう。
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