公認会計士数の国際比較 - 会計の重み
アルコアが第4四半期の決算を発表しています。
会計期間は9~12月の3ヵ月分であり、これを持って本決算が確定します。
米アルミ大手アルコアが9日発表した第4・四半期決算は、赤字となった。
>>米アルコアの第4四半期は赤字、需要増加予測し時間外で株価上昇
中身はこの際置いておいて、相変わらずの高速決算です。
本決算なのにわずか9日で集計し、もう公表です。
しかもちゃんと会計士のハンコも貰ってるわけですから、日ごろから決算しやすいように、色々工夫されているんでしょうね。
以前どこかの本で見ましたが、アルコアは高速決算にプライドがあるらしく、これが株主に対する責務であり、顧客や利害関係者に対するサービスなのだとか。
会計の授業や、同期の会計士の人に聞いたのですが、日本と欧米では、会計制度もさることながら、大きく違う点があるそうです。
曰く、「日本の場合、○○の費用と言う事である程度まとまって企業から報告が来るのに対し、欧米では領収書単位で来る」そうです。
ロッキード事件もそういった領収書の精査で発覚したのだとか。
では、日本の会計士の人数は、世界的に見てどうなのでしょうか?
意外と国際比較の資料が少なく苦労しましたが、まとめてくれている良いサイトがありました。
会計・税金・財務情報(ディスクロージャー):日本の会計の国際的位置付け
金融庁:諸外国の公認会計士制度 PDF
こうやって見ると、日本の会計士がいかに少ないかわかります。
政府が増やせというのはわからないでもないです。
しかし、単純に会計士を増やすと、就職難が多発し、試験は通ったのに就職できないなんて方が多数。
うちの会社にも、最近そういう人の入社希望が目立つようになりました。
なぜ世界水準まで会計士を増やそうとしているだけなのに、こんなにうまくいかないのでしょうか。
思うにこの差は、会計に対する信頼や責任の違いに由来するものだと思います。
欧米では株をやるのは普通ですが、日本ではまだ一般的とは言えません。
また、オリンパスや林原に見られるように、多少の会計操作は咎めにすらなりません。
エンロンの時は、アーサー・アンダーセンとか普通に有罪食らってたんですが。
また、決算の発表も物凄い急かされます。
しかも領収書のチェックや、3か月毎に決算など、抜かりがありません。
手を抜けばボロクソに叩かれます。
今週はJPモルガンが決算、来週にはシティやアップル、GS等が続々と決算を出します。
まだ30日も経ってないのに。
モザイクとかモンサントとか、たった4,5日で公表してるんですね。
どうなってんだ。
一方日本の場合、「決算を期末から45日以内に発表すること」という、45日ルールがあります。
労働力が足りないためか、なぜか45日目付近に決算が集中。
それでも投資家は文句も言いませんし、不自然でも無い様です。
こういうプレッシャーが常にかかっているからこそ、欧米の会計士は人数が必要なのでしょう。
それでいて席がある。
名前は同じ公認会計士ですが、日本のそれとは、社会から求められている役割に大きな違いがあるように思います。
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