皆さんお久しぶりです。
やっと大学院で初めてのテストが終了。
鉛筆オンリーなので、腕が痛いです。
さて、やっぱりというかなんと言うか、世間ではオリンパスの事件が早くも風化し始めています。
上場廃止もなさそう。
政府側が圧力でもかけてるんですかね。
東洋経済は国策上場維持と、過激なことまで言っています。
オリンパスと言えば、内視鏡の世界シェア7割とのキャッチコピーで通っており、その辺りが国策に通じているとの事です。
しかし、私の記憶では内視鏡の市場自体それほど大きくなかったはずですし、逆に大きな市場で7割取っているのなら、時価総額数兆円とかあっても不思議ではないはずです。
ウッドフォードさんもNHKも、キノコや化粧クリームなど、内視鏡と全く関係ないものを買収していたと盛んに報じていたので、少し調べてみました。
ちなみに、上記放送の1時間50分位に、日経の記者が、「あんたらはジャーナリストではない」と、ウッドフォードさんに怒られています。
事実関係を調べればすぐにデマとわかるような事を、碌に調べもせずに聞いた事が不味かったようです。
次の日の日経には「○○について強く否定した」と書かれていました。
否定されたのは日本の新聞そのものだと思うのですが。
さて、オリンパスの分野別売上高を細分化してみると、こんな↓感じです。
オリンパス:財務データダウンロード 分野別売上高より作成
オリンパスの内視鏡世界シェアは7割かもしれませんが、オリンパス内のシェアは2割そこそこのようです。
正直「内視鏡の会社」とは言い難い状況に陥っています。
売上高ベースでみると、情報通信業の方が内視鏡より大きいんですね。
っていうか、オリンパスって情報通信なんてやってたんですね。
オリンパス曰く「携帯電話、光回線の販売や、法人向けソリューション型サービスを通じてユーザーの皆さまに利便性と安心を提供」しているそうです。
要らないでしょう。
ウッドフォードさんのニコ生でのぶらさがり会見では、「中核事業ではないが、赤字でもない」との事で、取り敢えず復帰しても手放さないようです。
文脈から考えると、いい値がつけば売るのでしょうが。
また、オリンパスは売上高1兆円に拘っていたので、内視鏡だけでは限界を感じていたようです。
内視鏡の世界市場は、多く見積もっても5,000億円。
2003年の日欧米の2,550億円ですし、中国等の新興国を含めても、4,5千億円が限界でしょう。
特許庁:平成17年度 特許出願技術動向調査報告書 内視鏡 PDF
なお、変な買収の代表格である化粧品の市場規模は、日本だけで2兆円を超えます。
化粧品の市場規模ですが、日本メーカーの化粧品販売額は経済産業省の化学工業統計平成22年によると1兆4,219億円とされています。これに外資系メーカーの販売額などを加えると市場全体では2兆2,000~3,000億円程度の規模と推計されています。
>>化粧品・トイレタリー産業について調べるには
内視鏡も一事業として位置付け、技術の会社としたかったのかもしれませんが、明らかに方向性が間違っていたようです。
衛星のレンズとか、海底ケーブル、土管の補修用のレンズ技術とか、やりようはあると思うのですが。
経営者の虚飾が凄まじかったようです。
それにしても、事態の収束速度が異常に早いですね。
この手の事象は、ライブドアと同じで、ボディーブローの様にじわじわ効いていきます。
単なる1企業の話ではなく、市場の信頼性や、参加者の行動パターンに大きく影響します。
ライブドアの時は、その後新興市場が低迷するきっかけとなり、IPOが激減しました。
さらに市場そのものの持続力がなくなり、全然上がらなくなりました。
あの時は日経平均は17,000円位ですが、今は半値。
リーマンショックやらヨーロッパのショックやらで海外もやられているのに、日本だけ酷い状態。
円高だから?本当にそうでしょうか。
米国も欧州も、一時期通貨高で悩んでいたはずですが。
厳粛な対応を期待します。
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