業界全体の葬儀のようだった - 言うは易く
昨日太陽光発電の岐路について書きましたが、WSJが追い討ちの如く記事を書いています。
結構悲痛な叫びを出しているようです。
業界の寵児ファースト・ソーラーでさえ、業績悪化とプロジェクト遅延のなか再編に踏み切った。同社のマイク・アハーン会長兼暫定最高経営責任者(CEO)は14日のアナリスト向け会見で、業界が永遠に価格圧力に苦しむだろうと述べた。スティフェルのアナリスト、ジェフ・オズボーン氏はこの会見について、「業界全体の葬儀のようだった」とたとえている。
>>冬の時代に入ったソーラー業界、今後も再編続く
ここ最近太陽光発電は新興国優勢。
安い労働力を武器に、大量生産に勤しんでいます。
タタもBPからソーラー部門の権益を譲り受けています。
WSJ:タタ・パワー、太陽光エネルギー合弁相手の持ち分買い取りで合意
「期待の太陽光発電!」と言われる事が多いですが、実際には言われるだけで、それに対してお金を出す人はあまり多くいない様です。
言うは易く行うは難しというように、「期待してます!」と言うのは簡単な事ですが、「では、あなたはその言葉に対して、何をしてくれるんですか?」と言うと、往々にして皆尻込みをしてしまいます。
以前、クローズアップ現代で、市民ファンドによる太陽光発電の普及についてやっていました。
クローズアップ現代:私のお金を生かしてください ~市民がつくる新たな金融~
おひさまエネルギーファンド:【メディア】NHK『クローズアップ現代』で当社事業が紹介されました
仕組みとしては太陽光発電の売電ファンドで、作ったエネルギーを電力会社に売る、よくあるタイプのファンドです。
さて、問題はなぜファンド形態なのかと言う事。
本当に期待が持てるのなら寄付金でやればよい筈なのに、実際にはお金を拠出させ、年利2%の確定配当を、10年間約束しています。
10年間で2%と言うと、国債並みですね。
しかも配当を出していると言う事は単利なわけですから、下手をすると国債より利回りが低くなります。
業者から言えばAAA格並の金利(配当)で資金調達でき、市民はお金を出しているという"満足感"が得られます。
仕組み的に、株価や基準価格の下落を心配する人はいません。
うーん。
なぜこんな事になったかと言うと、寄付が集まらなかったからとの事。
残念ながら番組のアーカイブが無いのですが、私の記憶では「説明をしたら絶賛されたが、寄付の話になったら急に帰られた」そうです。
実際にお金を出すとなると「お金ないし」とか、そういう話になり、殆ど貰えなかったそうです。
たまにポンと100万位くれる人もいたそうですが、殆どの人は渋ってしまい、お金が集まらなかったそうです。
そこで、仕方なくファンド形式にしたとか。
世の中では様々な甘言がありますが、それを実際にやるのは大変です。
太陽光発電ならば、CO2問題やクリーンエネルギー問題が争点となりますが、これを推進する人ですらお金は出したがりません。
(ちなみに一部の反原発派は東電株を保有しており、いつも撤退を叫んでいました)
ついでに言えば、そもそもエネルギーの消費量を抑えれば、両方の問題は解決します。
火力発電も原子力も太陽光も必要ありません。
我が家(一人暮らし)の先月の電気使用量は47kwhでしたが、調べてみたら少な目の様です。
必要ないから使っていないだけなのですが、それで少ないとなると、逆に多く使われ過ぎな気も…。
もう少し工夫すればエネルギー問題ももっと好転するはずなのですが、世の中そうはなりません。
本当、言うは易く行うは難しですね。
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