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今度はDVAマジック

米国の銀行勢が決算を出してきています。
今まで引当金マジックで利益を調整していましたが、そろそろ弾切れのようです。
新しい手法は、DVA(債務評価調整額)と言われる手法のようです。

JPモルガン・チェースJPMは木曜日に、第3四半期の1株当たり利益を1.02ドルと発表した。コンセンサス予想の0.91ドルをかなり上回ったが、これは、債務評価調整額(DVA)の19億ドルの影響が大きい。社債の評価が下がった時は、その評価差額を収入として計上する。
>>【バロンズ】FRBの金融政策 収入に計上される債務評価調整額

会計ニュース・コレクター:「焦点:米大手銀の第3四半期決算、会計要因が利益かさ上げか(ロイターより)」
理経済:引当金マジックのツケ - FHFAからの反撃

このDVAとはなんなのか調べてみましたが、そのものズバリ載っているサイトはありませんでした。
文章を読み解く限り、大雑把に言うとこんな↓感じ。

資本=資産 - 負債
当期資本 - 前期資本=当期利益 (かなり端折ってます)
つまり、当期負債を減らせば利益が増えます。

発行時の社債価格が$95(額面$100)×1万だった場合、負債部門の簿価は

         負債
        社債 $95万

となります。
普通、社債とかは時価評価あまりしないのですが、会計方針で時価評価に変えたとします。(市場価格なので会計方針は関係ないです。申し訳ありません。)

社債の価格が$70まで下落していたとすると、

Dr. 社債 $95万
 Cr. 社債 $70万
    社債評価益 $25万 ←勘定科目はわかりませんが多分こんなの

社債評価益は利益として損益に載り、社債は圧縮されて負債に載ります。
資産全体は変わっていませんが、会計を弄る事で利益が増えました
正確には良くわかりませんでしたが、多分こんな感じだと思われます。

しかし、社債価格が下がったのはいいのですが、これは将来新規に社債を発行する際に、高い金利を払わねばならないと言う事でもあります

また、社債を本当に買い入れたのなら、償却もしていいと思う(社債償還益)のですが、ただの評価替えなら、将来的な金利負担等は変わりません。
後で額面で償還しないといけないわけですから、償却費用が高くなります。

上記の例でいえば、満期までちょうど10年で定額法とすると、年間の償却費は、

 $95で載せていた時 → 差額$5(100-95)×1万÷10年=$5,000/年
 $70で載せていた時 → 差額$30(100-70)×1万÷10年=$30,000/年

となります。

上述の$25万の利益は、この差額分を一気に手にしたに過ぎない訳です。
償却費用は損失として考えますから、将来の貯金を取り崩しただけで、本質は何も変わっていません
まさに手品です。
大手がやった以上、追随する企業が多そうです。

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