デイノコッカス・ラジオデュランス - 放射線抵抗性細菌
放射線の影響について調べていたら、やたらと放射線に強い細菌がいることを知りました。
その名も「デイノコッカス・ラディオデュランス」。
「放射線に耐える奇妙な果実」という意味らしいです。
マイナーなのであまり知られていないようですが、中には知っている人もいるらしく、ウィキペディアには項目が存在していました。
ネットの情報量は馬鹿になりませんね。
裏取りは必要ですが、糸口を掴む時はとても役立ちます。
デイノコッカス・ラディオデュランスはグラム陽性細菌(グラム染色自体は陽性だが系統、構造的には陰性菌に近い)に分類される極限環境微生物で、放射線耐性生物としては最も広く知られ、研究が進んでいる生物である。
>>デイノコッカス・ラディオデュランス
俄かに信じがたかったので論文などを調べてみると、確かに研究されており、この細菌のDNAが研究されているようです(下記サイト「プレビュー」から本文が見られます)。
日本原子力研究開発機構では、わかった部分の特許も申請しています。
DNA結合を促進するデイノコッカス・ラジオデュランスからの新規蛋白質(DNA損傷)
デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線抵抗性に関与する遺伝子探索
特許第3845687号:放射線抵抗性細菌/大腸菌シャトルベクター
この細菌はDNAの修復能力が飛びぬけており、通常なら致命傷になるようなDNA損傷も、たちどころに直してしまうとか。
うまく行けばがん治療の特効薬になるかもしれませんし、さまざまな放射線を克服できるかもしれません。
ノーベル賞もさる事ながら、多額の経済効果を生みそうです。
さらに色々調べてみると、群馬県の高崎女子高で、実際に実験を行ったようです。
高校なのにすごいですね、うらやましいです。
同校はスーパーサイエンスハイスクールに指定されているそうです。
偏差値68は伊達じゃない訳ですね、う~む。
これによると、デイノコッカスは累積2,000Gyのガンマ線(200万mSv←計算間違ってませんか?)でも問題ないばかりか、むしろ増えています。
大腸菌は死滅しているのに。
実に興味深い細菌ですね。
自然界の生物多様性はやはり凄いの一言です。
地球環境に異変があっても、必ず何かが生き残れるようになっているのですね。
今後の研究に期待大です。
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