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太陽光発電では日本の雇用は生まれない

原発の事故以来、世界では環境に配慮した(?)エネルギービジネスが流行っています。
日本でも「環境に良くて、雇用が生まれて~」と華々しく語られていますが、少なくとも太陽光パネルビジネスでは競争が激化しており、既に脱落者が出ています
思っている程、バラ色な分野ではなさそうです。

米太陽光発電用パネル製造メーカー、ソリンドラ破たんした。かつては太陽光発電の希望の星で、クリーン技術を中心に米国経済を立て直そうという米国政府戦略の象徴的存在だった企業だ。…(中略)…「ソリンドラは、中国の太陽光発電関連メーカーの激しい価格政策の犠牲者だ。エバーグリーン、スペクトラワットなどの同業者も同様だ
>>太陽光発電の希望の星、ソリンドラが墜ちた理由

記事にも名前があるとおり、米国では太陽光発電の敗者が続出しています。
彼らは経営が下手だったわけでもありませんし、お金の借りられない中小企業でもありません。
破綻したエバーグリーン・ソーラーは上場していましたし、スペクトラワットは半導体の大企業、インテルから事業独立させた企業でした。

MarketHack:【海外のエネルギー事情】米国のエバーグリーン・ソーラーが倒産
EETimes:Intelからスピンオフした太陽電池メーカーが倒産

太陽光パネルは半導体を使うので、インテルとしては期待の新事業だったようですが、大コケでした。

理由は「太陽光パネル」がコモディティでなければいけないという事です。
太陽光パネルは発電所と同じで、エネルギー源であり、パソコンなどのような贅沢品ではありません。

ですから、必然的に効率性とか機能よりも、まずコストを求められます
土地が余っているのなら、効率性はパネルの面積でカバーできます。
みんなが使うものは、まず何よりも安くなくてはなりません。
そうでないとお金の無い人が餓えてしまいます。

そうなると、多少粗悪な品でも、製造コストが安い方に流れるのは必然です。
材料の種類を少なくし、組み立てを簡単にし、固定費を加減しやすい人間による製造が主流となります。

結果、中国に流れるわけです。
中国でも人件費は上がっていますが、まだまだ余裕があります。
技術に優れていても、米国の企業では勝てなかった訳です。

これを鑑みると、日本の太陽光パネル製造企業に重点を置いたとしても、失敗するのが関の山です。

いえ、中国やバングラデシュで作って日本に持ち込む、ユニクロ式の製造方法ならば問題は無いでしょう。
また、太陽光パネル開発の特許技術を売るなら兎も角、製造業としては勝てません
しかしそれでは日本の雇用には殆ど貢献しません。

下手に政府からお金を借りると、日本人雇えとか言われるでしょうから、政府の資金で立ち上げた様な企業では、まあ、勝てないでしょう
「太陽光発電を進めると、日本の雇用が増える」と言う議論は、疑ってかかった方が良さそうです。

ちなみに、日本では太陽光万歳みたいな風潮で、テレビ等では語られていますが、実際の企業業績を見ると、そうでもなさそうです。
例えば、太陽電池大手のサンテックパワー(中国系)の場合、利益が伸び悩んでいます。

サンテックの業績

Google!Finance:Suntech Power Holdings Co., Ltd. (ADR)

ちなみに、グラフでは2009年から大きく売上げが減っているように見えますが、これは会計上の問題で、今まで太陽光パネルの販売をすべて「Revenue」に入れていたのを、部分的に「Other Revenue」に付け替えたからのようです。

このため、売上高総利益率も図からは読み取れませんが、2007年には20.3%だったものが、2010年では17.4%に減少しています。
非常に薄利多売なのがわかります。
これなら、パネルはサンテックに外注して、「エコなエネルギーです」と付加価値をつけて売電だけやった方が良さそうです。

太陽光パネル事業は、半導体市場がそうであったように、薄利多売を是とする企業でないと、勝ち残ることはできない市場のようです。
思っている程うまみは無さそう
投資対象としては、魅力がありませんね。

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