« 財政収支の国際比較 - ギリシャより悪い日本 | トップページ | 高齢者雇用より雇用の流動性の低さが問題 »

個人投資家の行方② - 資本の流れ

前回は金融緩和政策で浮かれていた市場が、再び沈黙し始めたことを述べました。
実態を反映しない景気回復では株価は上昇しないばかりか、金利を極端に押し下げ、逆に経済に悪影響が出てしまいます。

理経済:個人投資家の行方① - 仮初の宴の終焉

さて、このような景気の不透明感(と言うか悪化)から、株がガッツリ下がっているわけですが、お金が消えてなくなったかというとそうでもありません
こちら↓は世界のハイパワードマネーです。

主要国のマネタリーベースの推移

ひょうご経済研究所:世界金融危機をどう克服するか

一般に、国が不景気になると財政支出が増えます。
消費が増えないとデフレになるわけですが、同じお金である以上、誰が消費をしてもかまいません。
民間が消費しないのなら、国家が消費するしかないわけです。

仕組みとしては公共事業のそれと同じです。
対象は何でもいいので、兎に角使いまくる必要があります。
ダム、電車、道路、病院、給付金。
兎に角何でもいいから、ひたすら無駄に使いまくるのです。

理経済:交付金と公共投資① - なぜ無駄遣いが止まらないのか

日本はバブル崩壊直後に、ひたすら公共投資を行い、借金を増やし続けました。
これにより市中に資金を供給し続けました。
上図では日本のマネーサプライは伸びていないように見えますが、実際は90年代に大きく伸びました

バブル崩壊後のマネーサプライ

経済産業省:通商白書 2009年版 第1章 試練を迎えるグローバル経済の現状と課題

そして現在、米国等は日本のそれを大きく超えるスピードでマネーを増やしています。
「日本の不景気が長引いたのはお金を刷らなかったから」と言い続けていた連中なので、それを教訓にしたつもりだったのでしょう。
本質がわかっていなかったからか、一向に景気は回復しませんが。

このような歴史を鑑みると、今後も各国の財政支出は大幅に増え、金融緩和策は続けられるでしょう。
市中のお金は増えはすれ、減りはしません

ではそのお金はどこに向かっているのでしょうか?
一つは国債でしょう。
特に米国債は絶対額が大きいので投資対象とは扱いやすいはずです。
他には資源でしょう。
金価格は随分上がってますね。

しかし、それだけではこのお金は支えられません。
金額が大きすぎます。
受け皿になっているのはデリバティブです。
特に、取引所を通さない、店頭取引がどんどん増えています

OTCデリバティブ市場の現状について(市場規模)

東京証券取引所:「OTCデリバティブのポストトレード処理の整備に関する研究会」における最終報告書の公表について

世界のトレンドとして、為替を中心とした金利スワップ市場が伸びていることがわかります。
またCDSも伸びています。
つまり金利によるビジネスです。
今後も暫くは金利ビジネスが主流となるでしょう。
単に金利の高低だけではなく、原資産価格の推移を狙った投機の対象にもなるでしょう。

さて、機関投資家はCDSも、金利スワップも自由自在なのでいいのですが、問題は個人投資家です。
現状では、日本においてレバレッジを大きくかけられる様な商品は少ないです。

しかし世界的に見れば、必ずしもそうでもありません。
例えば社債があります。
米国債は利回りが下がっていますが、社債は意外に下がっていません
CDもあるので、意外に探すと掘り出し物があります。

また、世界ではETFが発達しているため、金利連動型のETFも複数あります。
しかもETFの個別オプションも普通にあるので、レバレッジをかけたい人にはありがたいシステムと言えます。
金利関係のETFと言えば、こんな↓感じ。

SPDR Barclays Capital High Yield Bond (JNK)
SPDR Nuveen Barclays Capital Muni Bond (TFI)
iShares Barclays 1-3 Year Treasury Bond (SHY)
iShares Barclays MBS Bond (MBB)
SPDR DB Intl Govt Infl-Protected Bond (WIP)

他にも色々ありますので、興味のある人は探してみてください。
金利市場は今後暫くは資金流入が続きそうです。
その後は…。深入りはしない事をお勧めします。

理経済:咽元過ぎれば熱さを忘れる③ - 死亡債の価格変動要因

続く…

|

« 財政収支の国際比較 - ギリシャより悪い日本 | トップページ | 高齢者雇用より雇用の流動性の低さが問題 »

投資」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/528305/52713615

この記事へのトラックバック一覧です: 個人投資家の行方② - 資本の流れ:

« 財政収支の国際比較 - ギリシャより悪い日本 | トップページ | 高齢者雇用より雇用の流動性の低さが問題 »