交付金と公共投資① - なぜ無駄遣いが止まらないのか
以前、富岡町の財政について書きました。
それについて、いわき市の方からコメントがございましたので、本文にて解説いたします。
電源立地地域対策交付金(13億円程)
↓
富岡町の税収
↓
箱物作りと役所の給料と分析しておきながら、
1.住民が原発頼みで生活しており、随分豪遊・・・
2.富岡町の住人が東京電力に対して、あんなにこけおろすのは、如何なものかと・・・と、言っているあなたの考えはおかしいですね。
箱物=住民が望んでいるものですか?
どこで豪遊しているのかをきちんと明記してはいかがですか?
>>いわき市民さん
理経済:東京電力は福島から撤退しろ - 自己責任はハッキリと
ちょうど良いので、公共投資について書かせていただきます。
なぜ、政府は無駄な公共投資をしたがるのかと言うことです。
話に入る前に2つお願いがあります。
- せっかくなので是非意見は言ってください。
ブログは実名不要です。恥をかくことはありません。
ストレス解消のためにも、疑問解消のためにも、是非皆様の意見をお聞かせください。 - 建設的な対立の為にも、感情論だけで話を進めないでください。
感情論も必要ですが、程度問題です。
目測ですが、理論6割、現実味3割、感情1割位がいいんじゃないですかね。
以上、理経済の中に人、なるからのお願いです。
それでは本題に入ります。
景気や雇用というものは、謂わば木のようなもので、根っ子に養分を与えると、幹や枝に栄養を運びます。
枝葉に行くほど与えた養分が拡散しますが、確かに全体に回っていきます。
景気で言えば、毒を与えると、収入が減る(減給・失業)→お金を使わなくなる→企業の収益が下がる→税収が減るから雇用対策や企業支援ができない→収入が減る(減給・失業)→…
所謂デフレスパイラルです。
経済は根っ子で繋がっており、一箇所で強烈なマイナス要因があると、それが全体に波及し、国や地方の経済を押し下げます。
何が原因かはケースバイケースですが、悪影響は至る所に広がります。
これを(適度な)インフレスパイラルにして、好況に導くには、大きな消費を誰かが行う必要があります。
すなわち、収入増える→企業業績改善→税収増や減税→起業家増や雇用増大→収入増える→…
問題は、誰が大きな消費をしてもいいのですが、不況下では企業や消費者にそれを求めるのは難しい点です。
このため、政府部門が、何でもいいので大きな消費をするわけです。
これは「大きな政府」を支持する人の理論です。
大家であるケインズの言葉を借りると、以下の通りです。
仕事がないなら、公共投資でピラミッドを作ればよい。
炭鉱労働者が失業した?
それでは炭坑にポンド紙幣を埋めて、それを掘り出させればいい。
財政支出は浪費的かつ消耗的であればあるほど景気対策としては好都合だ。
どんどん無駄金を使うべきだ。
>>ジョン・メイナード・ケインズの名言・格言
重要なのは、出来上がった物ではなく、やる事であるという事です。
これによる影響は、1単位の資金投入に対して、数倍の効果があるとされています。
例えば、1億円の公共投資をした場合、社会全体の所得は1億円以上増えるわけです。
どれくらい増えるかは利益を受け取った人達がどれくらい使うかによります。
もらった給料の半分を貯金、半分を消費すれば2億円の所得増加効果があります。
これを経済学では乗数効果と言います。
菅さんが答えられなかったアレですが、要するに呼び水効果と言うわけです。
長くなったので続く…
理経済:交付金と公共投資② - 富岡町の産業構造
理経済:交付金と公共投資③ - 役場の苦悩
話はそれますが、あの時は財務大臣のくせに知らないのかと馬鹿にされていましたが、重要なのは概念であり、言葉を知っているかではありません。
知っている側が一言説明すれば5分ですんだのに、政局に発展して無駄な時間を費やしました。
品の無いことです。
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