危機は表面化するまで認識されないもの
白川日銀総裁が、国債の引き受けについて言及しています。
日銀の白川方明総裁は28日、都内で開かれた日本金融学会で講演し、財政悪化に警鐘を鳴らすと「オオカミ少年」のように受け取られるが、政府の支払い能力に対する信認は突如低下し長期金利が急騰する可能性がある、と強調した。
>>警鐘はオオカミ少年でない、国債引き受けは通貨の信認低下
白川総裁が言っている事はもっともです。
日本の国債残高は積み上がっていますが、その割には金利は低いままです。
明らかにGDPを大幅に上回る危険水準なのですが、実際に破綻したわけでもありません。
円高に振れてもいます。
そういう状況下だと、何となくこのまま行けるのではないかと考えてしまいます。
そして知識のある人程、その理論を強化するために彼是理屈付けします。
最終的にどうなるのかはよくわかりませんが、不必要なリスクテイクや、過剰な集中は気を付けた方が良さそうです。
そういえば昔、新人類という言葉がありましたね。
バブル期に、株でぼろ儲けした証券マン達の事(他にも使います)を指す用語です。
"プロの技術と分析"で多額の利益を出すので、そんなあだ名がつきました。
当時はバブルだったので、株は買えば儲かるような状態だったのですが、多くの人は彼らの事を信じ、持て囃しました。
今から考えれば滑稽ですが、先の事がわからない訳ですから、当時はその事に疑問は無かったのでしょう。
得てして、本当の危機とは、実際に起こってみないと認識できないものです。
「絶対安全」なんてあるわけが無いのに、原発だってあまり危険視されませんでした。
30年後の私が、今の経済状況と社会認識を見たらどう思うのでしょうか。
自分の痛みは、自分と、精々極近しい人にしかわからないでしょう。
テレビに出ている著名な学者や白川総裁が癒してくれる事はありません。
リスクが高いと感じたら自分で何とかするしか無い訳です。
時間はまだ少々あるようですから、今の内から少しずつ自己防衛した方が良さそうです。
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