太陽光発電と化石燃料 - 地球の熱収支問題
菅総理がG8会場にて、ソーラーパワーなどの再生可能エネルギーを柱とした発電政策を進めると述べています。
名付けて「サンライズ計画」だそうです。
原発から自然エネルギーへの「シフト(移行)」ではなく、自然エネルギーの「推進」にとどめる方向で調整している。それでも、自然エネルギーによる発電量が全体の1%に過ぎない現状からは大きな転換を意味する。
>>G8サミット:エネルギー、主要議題に--仏ドービル、26・27日
「サンセット計画の間違いでは?」という酷評もありますが、まあ世論を受けてそうしたと言うことにしておきましょう。
ポイントは自然エネルギーにシフトしたと言うこと。
太陽光やら風力による発電をメインにして行くようです。
しかし、これも少々考えなしな気がしてなりません。
そもそもエネルギー問題の根本は、過剰に使いすぎている事にあります。
すべての問題はそこから派生しているわけで、目先のエネルギー源を変えた所で、問題を先送りにしているに過ぎません。
例えば、化石燃料は元々生物の死骸等なのですが、それを態々地下から掘り起こしてエネルギー源とした結果、地上に気体などの形で死骸を呼び起こしているわけですね。
理屈で言えば、地下が細り、その分地上が賑やかになってしまったわけです。
人間は環境を簡単に壊す割りに環境の影響を受けやすい生物なので、ちょっとの気温上昇でピーピー言う羽目になります。
今度の太陽エネルギー政策にも疑問があります。
地球にはエネルギー収支(熱収支)と言うものがあります。
太陽光発電は、これに影響を与えることになるでしょうから、仮にすべてのエネルギーを太陽光発電にしても、温暖化の進捗になんら変化はないでしょう。
地球には毎日太陽からエネルギーが送られています。
古来より、太陽から地球に入ってきたエネルギーが循環し、結果としてその大部分がいずれ宇宙に帰っていきます。
この結果、安定してきたわけですね。
Wikipedia:地球のエネルギー収支
電光石科:3.地球のエネルギー収支
なぜCO2が悪いと言われているのかと言えば、それにより温室効果が高まるからです。
上図で言えば大気での吸収が微妙に増えてしまうわけですね。
地球にエネルギーが滞留し、結果として気温が上がるわけです。
太陽光発電は、地球に降り注いだ太陽エネルギーを、地表で反射させずに電気エネルギーとして取り出すわけです。
これでは反射率が変わってしまい、エネルギーを宇宙に吐き出すことができません。
地球全体から見れば大した量ではないのでしょうが、人間には十分なはずです。
得られたエネルギーを運動エネルギーや電気エネルギーとしてだけ扱えれば良いのですが、ジュール熱などの形で熱に変わるでしょう。
化石燃料から太陽光に変わっても温暖化は同じくらい起こるでしょう。
他にも風力やら地熱やらがありますが、どうなることやら。
問題なのはエネルギーの使いすぎということです。
その辺を何とかしないと問題解決にならないのですが、残念ながら目の前に危機が来るまで理解されないのでしょうな。
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