懲りないAIG - 死亡債を販売するらしい
企業の倒産保険であるCDSを販売し、結果1年で10兆円という天文学的な赤字を出した、保険大手AIGが、性懲りも無く怪しげな商品を売り出そうと画策しているそうです。
以前書かせていただいた死亡債です。
米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、高齢者向けの生命保険を裏付けとした証券の販売について、投資家や格付け会社の支持を集めようとしている。
>>米AIGが「死亡債」販売を計画─生命保険を証券化
理経済:咽元過ぎれば熱さを忘れる③ - 死亡債の価格変動要因
懲りない連中です。
人間の死亡確率は大して変動しなくとも、発行している保険会社の死亡確率は常に変動していると言うのに。
まあ、こういう胡散臭い商品の方が宝くじ的な魅力があってよく売れるのでしょうが、それが最終的に自分達の首を絞めるという事を、あの大惨事から学ばなかったんですかね。
だめだこりゃ。
さすがに格付け機関は懲りたようで、S&Pは格付け付与を拒否しています。
しかし死亡債そのものが流行ってしまった場合、S&Pも世間に負けて格付けする事になるでしょう。
多分社会的要請を突っぱねる事は、彼らにはできないでしょう。
加えて、怖いのは保険大国である日本が巻き込まれるのではないかということです。
前回は米国の不動産価格を震源としていましたが、生命保険には国境が無いので巻き込まれる可能性はあります。
しかもサブプライムショックを通じてモルガンスタンレーやリーマンの血が、日本の証券会社にも混ざっています。
死亡債が盛り上がれば、おそらく手を出すでしょう。
特に野村は海外部門をリーマン組に依存しています。
余計なものにちょっかい出して、後で大損しそうです。
大丈夫かな。
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