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日本の三者の関係が歪になっている

WSJが日本のコーポレートガバナンスに文句をつけています。

日本株式会社は、企業の内部者が経営し監査しており、株主の利益は二の次になるケースが少なくない。企業統治の強化に抵抗する勢力が忘れているのは、後回しになる株主はたいてい退職者のための年金基金であるということだ。
(中略)
株主資本利益率が「長期にわたって非常に低い水準」であった場合には、取締役会に注意を喚起することにした。あいまいな表現で、既得権にしがみつく取締役にとってはうれしいものとなった。
>>遅れている日本の企業統治-企業自身だけでなく経済全体に損失

日本の大企業は海外の同業他社と比べて利益率が低い水準にあります。
例えばトヨタとフォードのROAを比べるとトヨタ1.2%フォード3.8%とトヨタが劣勢です。

これは当然株主の利益である株価や配当に跳ね返ってきます。
企業年金やその他年金基金は大量に企業に投資しているわけですから、企業の利益率の低さはこれらに影響を与えます。
一般の人も企業収益に無縁では無いわけです。

思うに、日本の場合株主と企業のバランスが悪いように思います。
企業は株主と経営者と従業員でバランスが取れている方が、うまくいくように思えます。

しかし今では経営者と従業員がくっ付いてしまった上に、日本では持合などを通じて株主もくっついてしまっている為、三権分立みたいな互いが互いを牽制することはありません
株主は持ち合い、経営者は社内で100%培養した従業員上がりではちょっと硬直的です。

経営者だってなにやったってOKなら、リスクを取らないという選択をしたとしても不思議ではありません。

リスクを取らなければリターンも低いままです。
それでいい時代もありますが、少なくとも今はそういう時代ではありません。
同業他社が買収合併や新しい市場の開拓で、ドンドン利益を出して追いついてきています。

こういう時は経営者が率先して社内の改革をすべきですが、前述の通りリスクを取らない経営者が増えてしまいましたので、あまりそういう事は起こりません。
結果、日本の大企業の経営者は、同じような経歴を持つお爺ちゃんばっかりになります。

SankeiBiz:【専欄】経営者の平均年齢60歳超…「老兵国家」ニッポン

女性を入れるわけでもなければ若返りを図るわけでもなく、別の企業から引っ張ってくるわけでもありません。
「日本の若者が駄目だ!」と言うのなら、別に外国人だって良い筈なのですが、そういうことにもなりません。

要はポストを譲りたくないのです。
通常こういう状況では株主が怒りだすため、強制的にトップが替わるのですが、日本ではそういうことはありません。

記事には年金基金が「取締役会に注意を喚起」するだけで、例え駄目な経営者でも注意しかしません。
これでは互いを牽制しているとは言えません。

仲が良いことは良いことかもしれませんが、度が過ぎれば癒着と変わりありません
多少ピリピリしている位の方がちょうどいいのかもしれません。

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