« こうはなりたくない… | トップページ | 債権連合の色が濃くなるヨーロッパ »

なぞの判決を出す日本の裁判所

年金を不当な金融商品に無断で投資したとして、元コンサルに巨額の賠償支払を命じました。
これだけなら単なる詐欺まがいの事件なのですが、判事の最後の一言がとても不思議です。

判決で、東京地方裁判所の中村愼裁判長は「元事務局長に対して元本割れのおそれがあるリスクの極めて高い投資だという説明を怠った」と指摘し、元金融コンサルタントに151億円余りの賠償を命じました。
>>年金資金投資事件で賠償命令

リスクの説明をせずに勝手に投資したことは問題ですが、元本割れをするか否かは関係ないはずです。
量刑にこの要素が入っていたとしたら、日本の金融裁判は時代遅れと言わざるを得ません。

だいたい元本割れしないものなんて、この世の中にあるのでしょうか
現代は国債がデフォルトするんじゃないかと言われているような時代ですから、日本国債や貯金だって安全かどうかわかりません。
他よりマシではあっても元本割れしない保証はありません。

Bloomberg:EUは救済拡大も-アイルランド支援決定で債券売りに歯止めかからず

また、そもそも元本割れとは何なのでしょうか。
例えば100万円を10年間箪笥預金したとすると、通常は物価が上がっており、手持ちの金額は変わらずともお金の価値が減価している分だけ損をしています。
逆に物価が下がるデフレなら、箪笥預金は何もしなくても実質価値が増えていきます。

そう考えると"元本"の名目値が減ったか増えたかはあまり関係が無く、価値がどうなったかが重要になります。
一言で元本割れと言っても色々な見方があり、そんなに単純ではありません

元本割れか否かを判決の材料にするのはあまりに不自然な光景です。

|

« こうはなりたくない… | トップページ | 債権連合の色が濃くなるヨーロッパ »

投資」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/528305/50177264

この記事へのトラックバック一覧です: なぞの判決を出す日本の裁判所:

« こうはなりたくない… | トップページ | 債権連合の色が濃くなるヨーロッパ »