FRBも一枚岩ではない
最近FRBの中の人が結構好き勝手な事を言っています。
昔から似たような事は度々ありましたが、議長の意見を真っ向から意見する記事がいつもより多い気がします。
米ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は1日、連邦準備理事会(FRB)による追加の量的緩和策について、効果よりも悪影響を生む可能性があるとして懐疑的な見方を示した。
>>追加量的緩和のコスト、恩恵を上回る可能性=米ダラス地区連銀総裁
私はインフレにならないと思いますが、地区連銀の偉い人が公然と追加緩和をけん制するとは随分ですね。
市場関係者は追加緩和を期待しているようですが、鍵を握るFRBも一枚岩ではないんですね。
要するに混乱しているのでしょう、プロの間でも。
教科書的に言えば、確かに景気が悪い時は大量の資金を供給すべし、と言われていますが、実際にやってみると思っていたほどの効果が上がっていません。
景気後退は終わったと言われていますが、国民はそうは思っていません。
一方でマネーの供給量は日に日に増えており、FRBの資産も明らかに膨れ上がっています。
クリーブランド連邦準備制度
ロイター通信:米連銀貸し出しは減少、バランスシートは過去最大に=FRB
リーマンショック以降、総資産が目に見えて増えています。
しかも増えているのはモーゲージ証券です。
証券用語辞典:貸付債権担保住宅金融公庫債券
野村證券:モーゲージ証券
地価が持ち直しているうちは良いのですが、逆転すると大変ですね。
所詮銀行のリスクをFRBに移しただけですから、地価が上がれば万事解決ですが、下がればすべて終わります。
問題は何も解決していません。
資産が下落すれば市場や政府からの締め付けがきつくなります。
今の緩和政策の所為で将来の選択肢が少なくなり、自分の首を絞める事になりかねません。
まともな神経をしていれば、静観は出来ません。
経済人である理事会の方々だって、本当にこのまま突き進んで良いのか迷っているのでしょう。
特に彼らは教科書をバッチリ読んでいるでしょうし、市場についても詳しいはずです。
知っているが故に余計混乱するのです。
現状にも自身が持てず、さりとて自身の意見にも自信が持てない。
だから小出しに小声で話すのでしょう。
FRB内部も市場と同様に迷っており、一枚岩ではないようです。
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