歴史は繰り返す③ - 流行りそうな業種
前回までに日本とアメリカの状況を見てきました。
この事を踏まえ、今後米国で大きくなりそうな業種を考えてみます。
理経済:歴史は繰り返す① - 日本の現状
理経済:歴史は繰り返す② - アメリカの場合
①派遣会社
日本の派遣会社と同じような業務をする企業が流行るでしょう。
「○○派遣」的な会社が多数登記されるかどうかはわかりませんが、今までの高給職種ばかりを紹介する転職会社では無く、何人をどこそこへ派遣するような転職会社が台頭するでしょう。
移民の多いアメリカでは、移民や不法労働者を斡旋するような転職会社も出てくるかもしれません。
いずれにせよ、大量の単純労働者を扱う企業が流行ると思います。
②安いものを売る小売、高いものを売る小売
これも日本と同様、15円サイダーとか激安洋服などを扱うような企業が増えるでしょう。
今まで値下げをしなかったコンビニや百貨店も値下げを余儀なくされるでしょう。
飲食店も安い所が名を上げるようになります。
さらに20万円とかするブランド物を扱う店も安売りを行うようになるでしょう。
アウトレットモールなどが各地に建設される事になります。
一方、自動車や時計など超高級な品も流行る事になるでしょう。
彼らはCMもしない、カタログも出しませんし、ビバリーヒルズに店舗を構える事は無いでしょうから、庶民には伺い知る事はできません。
セレブ達の間で密かに流行ると思います。
③就職サイト
不景気が長引くと、生活する人々も精神的に辛くなってきます。
これを克服するために、若者も年寄りも安定志向が強まります。
ですから大学生や若い人は、積極的に大企業に就職しようとするでしょう。
米国では人の入れ替えが激しいですが、まずは長くいられそうな大企業を目指すことになるでしょう。
そうなると、学生が個々に動くよりまとまって動く方がより有利になります。
音頭をとって就職サイトを経営する会社が増えるでしょう。
一方、ベンチャーを起こす人は次第に少なくなるでしょう。
特に米国では様々な規制やら制度やらを導入するようですから、先立つものが少ないベンチャー企業は不利になります。
ベンチャーを支援するようなサイトやら企業やらは飯の種が少なくなるので、こちらは淘汰が起こるでしょう。
④サラ金
今回の本命。
大企業嗜好になるのは何も学生だけではありません。
銀行や投資家も同じようになるでしょう。
中小企業の下の方にはお金が回らなくなります。
必然中小企業の資金繰りは逼迫しますから、破綻も多くなります。
ですから余計に資金が回らないわけです。
銀行も収益が出やすいトレードや大企業向けの融資に傾倒したいようですし。
今まで政府にヘコヘコして中小企業に融資をしていたBOAでさえ、撤退したがっています。
東京財団:中小零細企業経営に必ず発生する想定外の資金ショートに対応する「無担保資金」の環境整備が必要
WSJ.com:【インタビュー】規模よりも収益確保優先=バンカメCEO
日本の場合もバブル期にはサラ金冬の時代でしたが、崩壊後は急に元気になりました。
それだけ中小企業からの資金需要が強かったのでしょう。
低金利時代に高い金利で借りるような人達ですから、借り手の殆どは資金力の無い企業でしょう。
しかも消費者金融の数自体は淘汰によって減少したため、一社あたりの儲けは増え続けました。
郵政研究所:消費者金融会社の好業績とその背景
金融庁:貸金業者数の推移等
あまり知られていませんが、米国ではすでに消費者金融業が再生の兆しを見せています。
例えば当ブログでも紹介した米国サラ金大手のCITです。
彼らは09年11月に破綻しました。
しかし急速に業績が回復し、わずか1月程で再生を完了しています。
今後、彼らの業種には強い追い風が吹く事になるでしょう。
私はこれらのような企業が流行ると考えています。
ではなぜこういう企業が流行るのでしょうか。
それについての補足を少しだけしたいと思います。
ちょっとだけ続く…
理経済:歴史は繰り返す④ - そもそもどういう現象なのか。
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