お金の回らない国
先日、消費者金融が拠り所とする貸金業法が改定されました。
総量規制が導入され、年収の3分の1までしか借りられなくなりました。
予てから本当に導入するのか水面下で騒がれ続けていましたが、お得意の役人根性で規制をかけてしまいました。
その結果、予想されたとおりの混乱が起こっています。
「借りられなくなり、ヤミ金融に手を出してまった」「夫に知られたくなくてヤミ金融から借りたが、返せない」。京都クレジット・サラ金被害者「平安の会」には、4月から施行までは5件だったヤミ金融の相談が、施行後は13件に増えた。施行前はゼロだった女性からの相談も4件あった。
>>総量規制でヤミ金の相談2倍 目立つ女性被害
理経済:米CIT問題と日本のノンバンク問題 - 総量規制とサラ金難民
ぜんぜん知りませんでしたが、意外と女性の多重債務者は多いようです。
理由は子供の養育費や自己満足など色々あるようですが、共通して言えるのは周りの人には秘密にして、こっそりとやっていると言う事。
女性は男性以上に人目を気にすると言う事でしょうか。
そういえば、妻がFXで1000万円の大損、しかも他人は勿論夫にも内緒なんて辞令もありましたね。
女性とは恐ろしい生き物ですな。
女性の話はさておき、改正貸金業法で問題なのは、個人のお金がさっぱり回らないということ。
どんな企業であれ個人であれ、お金の流れは重要です。
日ごろの様々な支払いは殆ど現金(当座系の預金)です。
カードなどの借金も可能ですが、いずれ払う必要があります。
その時に支払いができなければ不渡りとなり、自身の信用が一気に下がります。
貸金業法の改定によって影響が出ているのは、この借金の部分。
この不況で手元の現金も不安定、その上小額の借金もできないとなると、一気に破産してしまいます。
謂わば個人の黒字倒産です。
返せる人まで借りられないのはどう考えてもおかしいです。
現在、景気の低迷を鑑みた日銀や政府が資金供給やモラトリアムを使って、とにかくお金を回そうとしているのに、個人に対してこの仕打ちでは何の意味もありません。
穴の開いた風船状態です。
銀行も資金供給を受けている割には渋ちんで、お金を貸す様子がさっぱりありません。
折角の資金も再び日本国債に集まり金利を押し下げます。
名目の国債金利が下がっても、他にお金が回らないのであれば意味がないのに。
今のデフレにはいくつか原因がありますが、その一つの原因はこの資金の動脈硬化です。
もっと、銀行ではなく市中にお金が回るような政策や規制の撤廃が必要だと思います。
やはり偉い人には庶民の感覚なんてわからないんですかね。
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