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2010年8月

上がらない声が問題

本日日銀が追加の金融緩和策を発表しましたが、期待はずれとして株価や為替は日本側に不利な方向へ傾きました。
また、金融庁は証券税制の減税を続けると言い出しました。

金融庁は30日、証券優遇税制の延長を求めることなどを盛り込んだ2011年度の税制改正の要望項目を発表した。足元の経済情勢などから、経済成長を支える資金の供給促進にかかわる政策的な要請が大きいとしている。
>>証券優遇税制の延長を要望へ=2011年度税制改正で金融庁

まあ減税も緩和もいいのですが、今の日本に足りないのは大きな声だと思います。
こうだと思う事をしっかり表明できず、なし崩し的に前例を真似たり雰囲気に押されているのが現状だと思います。
たぶんお尻に火がついている事に気付いてないからでしょう。

例えば日銀もここぞとばかりに利上げしてみるとか、市場の声を突っぱねて絶対緩和しないと叫んでみるとか。
非難は轟々、罵りも大量に来るでしょうが、綿密な分析の元で発言しているのならば、既存の理論に従っただけの政策より遥かに価値があります

証券税制に関してもなし崩し的に据え置きではなく、いっそゼロにするとか言えば、随分印象が違うと思います。
下手すると外交問題にすらなるでしょう。
それだけ注目を集め発言権が増すわけです。

一時的に税収は減るでしょうが、高々数千億の世界です。
世界からの多額の投資や株式相場の活性化を考えれば安いものです。

大和総研:有価証券取引税廃止で税収大幅アップ
金融庁:証券税制について

日本は声の上げにくい国です。
私が社内のアイデアコンテストに応募しても、これじゃ駄目の一点張りで受理すらされません。
完全に目を付けられてるな…。
頭を低くし、とにかく流れに逆らわず妨げないのが、この国で出世するコツのようです。

民間企業でこれですから、官はもっと凄まじいのでしょう。
なんとなく流れに押し流されている感じがします。
もっと声を上げる気概のある人がいればいいのですが、そういう人はもう日本にはあまり残っていないようです。

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Quickenと税理士

ぜんぜん知りませんでしたが、米国では税理士や国税庁の仕事がガンガン食われているそうです。
税理士や国税庁、果ては会計士もなんらかの変革が必要と言う事でしょうか。

理経済:弁護士も大変そう - 電車の広告を見て

米国で"猛威"をふるっているのはQuickenという会計ソフトだそうです。
日本で言えば弥生会計のようなものですが、普及率に随分差があるようです。

Quicken

米国の場合、個人の確定申告が義務だそうです。
そのためそういう系の資格やソフトは重宝されるとの事。
また義務付けた結果、脱税の類も多く国税庁と熾烈なバトルを繰り返しており、不正をなくすためにも規格化されたソフトや資格者が必要なそうです。

申告書作成にかかる時間は、すべての納税者の平均で26.4時間となっています。米国では、節税を追求するCPAなどの税の専門家と、いかに脱税を防止するかを考えるIRSとのいたちごっこが、今日まで繰り返され、米国税法は年々複雑なものになってしまっています。そのため、確定申告のソフトウェアや申告代行のビジネスが成り立つのが米国の現状です
>>米国の確定申告について

全員義務化とはすごいですね。
日本の場合サラリーマンは源泉徴収ですし、そもそも税制が複雑すぎて確定申告を書くほうも見る方も煩雑になりがちです。
会計ソフト云々の前に、まず税区分を理解する必要があります

私が去年確定申告を出したとき、特に何も言われずに還付金が出ました。
あくまで税理士資格もない個人が作った申告ですから、多分科目の間違いもあったと思います。
しかし特に電話はありませんでした。

また資格取得費が15万円にもなったのですが、この点についての質問とかも来ませんでした。
私はIT系なのでSUNやoracleなど、ベンダ資格を受けていましたからこの額になったのですが、これって普通の事なんですかね。

日本の税理士は顧客の放任主義のおかげで、国税庁はサラリーマンの放任主義のおかげで取る物が取れ、仕事ももらえます。
確定申告が異様に難しいのだって、多分やる人が少ないから不満の声が上がらないのだと思います。

また、以前会計士に頼もうとしたら5万とか言われました。
競争原理が働いていないんですね。

「個人の確定申告書作成」の税理士報酬料金表

会計ソフトについても、e-Taxのおかげで作成もチェックも迅速になりましたが、毎年更新されるため使い方を理解するのが大変です。
弥生会計もあくまで事業者用なので、個人では使えないようです。
相変わらず個人には不親切です。

とは言え、IT化の波は日に日に押し寄せています
オンラインの見積もりだけにとどまらず、例えばテレビ電話等を利用して相談に乗るとか、必要な情報をメールで送ってもらい書類を作るとかやり方は色々あります。

物価が比較的安い地方に住めば報酬も下げられますし、助手を海外で雇えばコストを下げられます。
こういった新たなタイプの税理士が台頭すれば、既存の税理士の方々はピンチです。
新しい会計ソフトが出るかもしれません。

今まで未着手のパイだっただけに、頭の良い人がぞろぞろ来そうです。
人口減少中の日本において、金融業は殆ど手付かずの大フロンティアですから。

会計士も新しい資格「財務会計士」が登場する事になりました。
目論見通りなら、企業にとって普通の公認会計士より重宝しそうです。

IFRSフォーラム:最短で2014年試験から、「財務会計士」は競争力を持つか

時代の流れはいたるところに流れているんですね。

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GMの決算状況が出てる

IPOを目前に控えた米GMの資産状況が掲載されています。
BARRON'Sの調査に基づくものです、確定ではないようですが信憑性はありそうです。
なんだか知りませんが、倒産前とはえらい違いです。

GM決算2010

WSJ.com:【バロンズ】ゼネラル・モーターズのIPO

ちなみに破綻直前の決算書はこんな感じ。
上場廃止したので、Finance系サイトにはありませんでしたが、画像を取っている方がいらっしゃいました。
見るからに駄目企業です。

GM決算2008

Application of Merton's Model: Example 2 GM

一番左が2008年、右に行くほど過去のデータになります。
こうやって見ると借金が4分の1程に大幅圧縮されたんですね。
それだけの大金を突っ込んだ政府は、IPOから如何にお金を回収するのか必死なようです。

さらに、もともとの個人債権者が加わり、一筋縄ではいかないようです。

リュトケ氏は旧GMのいわゆる「ベビー・ボ ンド」を特に推奨している。転換社債を含むこれらの証券は当初25ドルの額面で販売され、多くは個人投資家の手に渡っている。これらは主に流動性の問題により、機関投資家向けの債券(額面1ドル当たり約35セント)に比較してディスカウント(額面1ドル当たり32セント)で取引されている。

何年債か知りませんが、額面一ドルが35セントとはおいしいですね。
10年債だとすると年利11.1%です(ln(1+r)=ln0.35^-0.1)

幸いにして決算状況は良好なので、これらの償還にも応じられるでしょう。
決算書の額面どおりには受け取らない方がいいでしょうが、今後の展開は明るそうです。
競争させられる日本勢には厳しい報告ですが。

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オバマ大統領の支持率

案の定、オバマ大統領の支持率がジリ貧になっています。
だから害トナーを切れと何度も…。

支持しないとの回答は52%だった。イプソスの調査で不支持率が支持率を上回るのは初めて。…(中略)…失業を非常に懸念していると回答したのは72%で、政府支出に強い懸念を示した人は67%に上った。米国が間違った方向に進んでいる、と回答した人の割合は62%となった。
>>米大統領の不支持率、初めて支持率を上回る=調査

理経済:オバマ大統領にして欲しいこと - 取りあえずあいつをクビに…
理経済:ガイトナー財務長官がクビ?

政府はいかに需要を喚起させるかでもめていますが、国民は意外と冷静なようです。
回答者の6割が国家の財政に注目していますから、○○支援的な財政政策よりも痛みを伴う財政再建の方が票を取れるかもしれません
まあ日本の例から言って、あと5年もこの状況が続けば反論する気もうせるでしょうが。

今のような病巣から目を逸らすような政策は、国民の反感を買うだけなのですが、相変わらずオバマ政権はその事がわかっていません。

オバマが悪いのかガイトナーが悪いのかわかりませんが、彼らは歴史をまったく学んでいません。
ばら撒き政策ではいつまでたっても需要を喚起できないと言うのは歴史が証明しています。
最近ではやっと経済人や証券会社達もその辺に気付き始めました。
おいおい。

ここ3年間、先進国の経済政策は、「大規模な公的支出は、デフレを回避し、景気後退から脱却させ、政府主導の新たな成長の時代の起爆剤となる」との古い考えにとらわれていた。しかし、現実は期待通りではなかった
>>【社説】袋小路に追い込まれたケインズ学派

理経済:静かなるキャピタルフライト① - 歴史のおさらい

支持率の低下は景気の遅行指数と言ったところでしょうか。
いつまでもマゴマゴやっていられなそうです。
このまま中間選挙突入かな

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お金の回らない国

先日、消費者金融が拠り所とする貸金業法が改定されました。
総量規制が導入され、年収の3分の1までしか借りられなくなりました。

予てから本当に導入するのか水面下で騒がれ続けていましたが、お得意の役人根性で規制をかけてしまいました。
その結果、予想されたとおりの混乱が起こっています

「借りられなくなり、ヤミ金融に手を出してまった」「夫に知られたくなくてヤミ金融から借りたが、返せない」。京都クレジット・サラ金被害者「平安の会」には、4月から施行までは5件だったヤミ金融の相談が、施行後は13件に増えた。施行前はゼロだった女性からの相談も4件あった。
>>総量規制でヤミ金の相談2倍 目立つ女性被害

理経済:米CIT問題と日本のノンバンク問題 - 総量規制とサラ金難民

ぜんぜん知りませんでしたが、意外と女性の多重債務者は多いようです。
理由は子供の養育費や自己満足など色々あるようですが、共通して言えるのは周りの人には秘密にして、こっそりとやっていると言う事。
女性は男性以上に人目を気にすると言う事でしょうか。

ロイター通信:「ばれたらダメ」女性多重債務問題の行方

そういえば、妻がFXで1000万円の大損、しかも他人は勿論夫にも内緒なんて辞令もありましたね。
女性とは恐ろしい生き物ですな。

女性の話はさておき、改正貸金業法で問題なのは、個人のお金がさっぱり回らないということ

どんな企業であれ個人であれ、お金の流れは重要です。
日ごろの様々な支払いは殆ど現金(当座系の預金)です。
カードなどの借金も可能ですが、いずれ払う必要があります。
その時に支払いができなければ不渡りとなり、自身の信用が一気に下がります。

貸金業法の改定によって影響が出ているのは、この借金の部分
この不況で手元の現金も不安定、その上小額の借金もできないとなると、一気に破産してしまいます。
謂わば個人の黒字倒産です。
返せる人まで借りられないのはどう考えてもおかしいです。

現在、景気の低迷を鑑みた日銀や政府が資金供給やモラトリアムを使って、とにかくお金を回そうとしているのに、個人に対してこの仕打ちでは何の意味もありません。
穴の開いた風船状態です。

銀行も資金供給を受けている割には渋ちんで、お金を貸す様子がさっぱりありません。
折角の資金も再び日本国債に集まり金利を押し下げます
名目の国債金利が下がっても、他にお金が回らないのであれば意味がないのに。

今のデフレにはいくつか原因がありますが、その一つの原因はこの資金の動脈硬化です。
もっと、銀行ではなく市中にお金が回るような政策や規制の撤廃が必要だと思います。

理経済:何故銀行を救うのか?④ - 銀行なんて放っておけ

やはり偉い人には庶民の感覚なんてわからないんですかね。

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アメリカの低迷は長引きそう

世間は円高ネタで盛り上がっています。
確かに歴史的な水準ですから盛り上がるのも頷けます。

この円高、一説には欧米を始めとする各国が自国の通貨安を容認、と言うか故意にやっているのではないかと言われています
対応がどんくさく、政府も中央銀行も碌に働かない日本円は、投機家や各国中央銀行にとって格好の鴨なわけです。

読売オンライン:閣僚、相次ぐ日銀批判…追加金融緩和求める

さてそんな各国の私利私欲が渦巻く市場ですが、案外そうでもないかもしれません。
各国は自分に都合のいいように市場を操作しているつもりなのでしょうが、実はキャピタルフライトと時期が重なっているだけかもしれません

米国の経済は相変わらず不調です。
企業決算など、なんとなく明るい数字が出ていますが、所詮政府からのドーピングで作った空元気です。
政府の手が止まればすぐに失速します。

何より肝心の個人消費がおぼつかず、全体的に保守的になっています。
特にアメリカ。

アトランティック・エクイティーズのアナリスト、リチャード・ステート氏は「米景気が急激に落ち込めばリスクが生じる」と指摘。シティグループの一部の投資家は「最も高い価格での売却ができなくても、同行が消費者金融事業から撤退することを望んでいる」と語った。
>>米シティ消費者金融部門:返済遅延が予想上回る増加-合理化の影響で

消費も雇用も低迷し延滞率が増加、貸倒率も増加、しかも本業の不良債権処理で手一杯では、消費者金融に手が回らないのもわかります。
しかも公的資金まで突っ込まれた大銀行ですから、派手な取立てはできません。
まあ妥当な判断です。

昔の日本でも似たような現象がありましたが、その時は派手な事ができるノンバンクが台頭し、銀行をバックにしたりして、大手のいない入れ食い市場を席巻しました。
案外アメリカでサラ金事業をやったら儲かるかもしれませんね
銀行のサラ金部門を買い叩けそうですし。

キャッシング講座(消費者金融の歴史)

アメリカの経済学者や機関投資家は景気に対してやたらと強気です。
これをさらに加速させ、景気回復につなげようと政府もFRBも躍起です。
しかし、もしそれが単なる妄想だとするれば、通貨安は自然な流れと言う事になります。

通貨安政策はあくまでFRBが主導しているように思えますが、本当のところはただの便乗通貨売りなのかもしれません
政府も後押ししてるんだから丁度いいかな、てな感じ。

そうなると外国人の保有比率が高い米国債は不利です。
仮に日本のように国民が米国債を買い支えたとしても、それはつまり個人消費の鈍化に繫がると言う事です。
いずれにしても、米景気の低迷は長引きそうです。

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iPhone4がSIMフリー化 - 円高を活かせ

日本通信が、iPhoneに接続すればSIMフリーにできるツールを開発したようです。
昨日はiPodタッチでしたが、今度はiPhoneそのものを使えるようです。

日本通信がSIMフリー版「iPhone 4」専用のmicro SIM「talking b-microSIM プラチナサービス(以下、プラチナサービス)」を発表した。ユーザーは同micro SIMを使用することで、NTTドコモのネットワークを使ってiPhone 4で通信することが可能になる。
>>ドコモの半額で“快適な通信”を――iPhone 4専用micro SIMの新ビジネスモデル

どうも海外版iPhone4にしか使えないようですが、それでも魅力があります。
ヤフオクで調べると、海外物は10万円位しますが、ebayで直輸入すると送料込みで800$位で買えますから、普通にソフトバンクで買うよりいいかもしれません。

探せば700$位でもいけるんじゃないですかね。
向こうはFedEXとかUPSとか、国際的な運送会社がありますから、交渉しだいで日本への発送もしてくれるかもしれません。

Iphone4

ebay:iPhone4
世界四季報:[15th]FedEX/UPS

特に最近は円高なので、買い付けには有利です。
$800なら、今なら68,000円ほどです。
為替手数料は2%程なので総額は7万円を切ります。
円高様様ですな。
買っちゃおうかな。

ちなみに売買は簡単で、日本のクレジットカード(vizaが良いらしい)でも支払いが可能です。
英語も高校レベルであれば、後は度胸と電子辞書で何とかできます。
取りあえずTOEICが350点あれば何とかなります

登録方法等はebay日本版にあれこれ書かれています。
わからない事は担当者に日本語でメールすれば、懇切丁寧に教えてくれます。

無料!eBay日本語ガイド.com

世間では円高で業績が下がるとかアホな事を言っている経営者が多いですが、ようは使いようです。
折角の円高局面、大いに有効活用したいと思います。

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ある意味本物

中国ではiPhoneの代わりに色々なパクリ商品が並んでいます。
iPhone4Gなんてものもあるし、iPadもどきのlPadなんてものもあるとか。

世界的人気の米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)4」や情報端末「iPad(アイパッド)」のコピー商品が、中国南部の経済特区、深センで野放しになっている。
>>中国経済特区でコピー品野放し iPhoneなど

そんな中国ですが、今度はもどきではなく本物を"強化"する機器を開発したようです。
iPodに電話機能を無理やり付けるようです。
音声はやはり下のスピーカーから出てくるんですかね。

携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)タッチ」にケースのように取り付ければ、通話やメールのできる多機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」に早変わり――。中国・深センのプログラマーが開発した装置「アップルピール520」が話題を呼んでいる。
>>iPodをiPhoneに改造する装置、中国に登場

アップルピール520

アップル社の端末は日本のそれと違い、端末個々の能力ではなくOSによって性能を良くしています
ですからOSの更新と最低限の機能さえあれば、理論上iPodでも電話化できるはずでした。

しかしあくまで"理論的には"だったので、実際にやったと言う話は聞きませんでした。
しかもスカイプでiPod touchでも電話できるので、需要もなかったんでしょうか。
それを中国のプログラマーがやってのけました。
やっている事は兎も角、技術力はすごいですね。

それにしても、これはどう取り締まればいいんですかね。
偽物でもないし特許侵害でもないし、改造でもありません
あくまで本物の付属品を開発しただけで、ストラップとかと似たようなものですから、判断が難しくなります。

作った本人も販売に乗り気ですから、話がこじれそうです。
ソフトウェアが通信産業の主流となれば、今後はもっとこういう事例が出てくるでしょう。
裁判所の判決によっては"ある意味本物"が増えそうです。

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夏コミに行ってきました③ - お宝奪取作戦 マネジメント編

シリーズ最終回です。
今回は「人を活かすマネージメントについてです。

理経済:夏コミに行ってきました① - 会場散策記
理経済:夏コミに行ってきました② - お宝奪取作戦 マーケティング編

普段は一人で行くのですが、今回はお手伝いの人が一人いました
人を活かすと言っても私を含めて二人だけの組織ですが、マネジメントの初心者にとっては丁度良い人数です。

2年程前にも別のお手伝いさんがいたのですが、その時は大失敗をしてしまいました。
今回はその失敗を糧に作戦を練りました。

2年前の失敗というのは、私が一番欲しいサークルの列に並んでしまい、結果として大幅なタイムロスをしてしまった事です。
そのサークルは人気上昇中でしたがまだ壁ではなかった為、大人数を捌くだけのキャパがありませんでした。

その年は特に人が多く、加えてそのサークルの人気が花開き、予想以上の長蛇の列になっていました。
サークル側も予想外だったらしく、大量の人を捌ききれなかったわけです。
私はその行列に並んでしまい、結局長く待たされるだけとなってしまいました

一方お手伝いさんは「商品が売り切れたので次の詳細な指示が欲しい」と言い、私を探し始めました。
1万人近い人が犇めく中で相手を見つけるのは難しく、結局うろうろするだけで終わってしまったようです。

このサークルの人気が上昇している事はすでにわかっていました。
一方配席表を見ると壁際ではなく、主催者側でさえ彼らの人気を過小評価していました。
私もそういった事実を見過ごしていたわけです。

必要な情報を丁寧に組み合わせていけば、これは予想できた事です
今回情報収集に時間を費やしたのはそのためです。

この時の失敗から、今回はまず行列の長さを考える事にしました。
これは前回の記事でお話した優先順位の設定時に一緒に予測しました。
人気があるほど長くなる、当たり前の事です。

次に私とお手伝いさんの特性を考えます。
今回のお手伝いさんはコミケ初参加の上に、オタクではないため、あれこれ注文してもわからないでしょう。

特にコミケ参加に対し"目的がない"と言う事は重要です。
目的がないのでモチベーションが下がり、イメージトレーニングや配席表の理解等でどうしても差が出ます。
一方私には目的があり、イメージトレーニングはバッチリです。

と言うわけで、お手伝いさんには列が長くなりそうで、待つ事に意味があるサークルに並んでもらいました。
時間がかかるため、次の指示が少なくて済むのもメリットです。

これにより私の方は短い列をこなす事に専念できました。
お手伝いさんは少ない指示をこなす事に専念し、基本的に並ぶだけなので技術は必要ありません。
結果として全体の利益は向上します。
所謂全体最適化比較優位と言うやつです。

今回は廻るサークル数も少なかったため、作戦は概ね成功しました。
少し失敗したと思ったのは、そもそもお手伝いさんに来てもらったことくらいです。

最初から転売に期待していたなら、コストカットの観点から必要なかったのかもしれません
まあ身内なのでコストはほぼゼロでしたが。

結果は上々だったので、次回もこの作戦で行きたいと思います。

ところで、最近巷で話題の"もしドラ"を読みました。
私にとっては初めてのドラッカー本です。
中身は随分端折られていたようですが、とても読みやすい本でした。

コミケで待っている最中に読んでいて、今回たてた作戦と共通点が多いなと感じました。
例えばマーケティングやマネジメントを一見お門違いな分野に適用させるとか。
使えるものは何でも使えばいいのです。

つくづく思ったのは、偉人だろうが凡人だろうが考える事は大体同じと言う事です。
彼らの凄い所は当たり前のことを当たり前に言える所だと思います。
当たり前って、意外と忘れがちなんですよね。
もっと使えそうなネタがあったら、私生活にどんどん取り入れようと思います。

ちなみに絵師のゆきうさぎさんもコミケにサークル参加していたようです。
もともと有名でしたが、今回のミリオンセラー化で知名度がかなり上がったようです。

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ひこにゃんも大変らしい

この猛暑でひこにゃんもへばっているようです。
着グルミをきている中の人も大変ですねw。
某ネズミも辛いのでしょうか。

最初は刀を素早く振りかざすなど元気いっぱいだったひこにゃんですが、暑さのせいか20分ほどすると動きが鈍くなりました。それでも、集まった人たちに拍手を求めるしぐさをするなど、元気を振りしぼってパフォーマンスを続けていました。
>>ひこにゃん 暑さに耐え活動

この暑い中パフォーマンスをして、さらにちびっ子とも遊ばないといけません。
以前伊藤静さんがひこにゃんにお姫様抱っこしてもらった時の話をしていました。
重い着グルミに加え人一人を腕だけで支えるとは、恐るべし中の人。

この着グルミ、かなりモコモコしているらしく動きも緩慢になるそうです。
夏場は絶対やりたくないアルバイトですね。
自給はいくらなんだろう。

ちなみにゆるきゃらと言えばこの動画。
めちゃくちゃ面白いです。

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使えるものは何でも使え - 投資家と投機家

先日2chにて当ブログが紹介されていました。
セイクレストの決算に伴い、私の記事をどなたかが紹介してくださったようです。
ありがとうございます。

理経済:セイクレストの決算書 - 実践的会計ゲーム 真実はいつも一つか二つ編

コメントを読んでいると、随分決算にご執心のようです。
所謂短期の投機家の方々のようです。

日本は短期的な売買を行う投機家が多い国です
やたらと短期的な利益を望む自称長期投資家も多数います。
その一方で自己嫌悪からか、やたらと批判の多い存在でもあります。
みんな羨ましいんですかね。

最近円高ですが、投機的な動きも強いとか。
凡庸な経営者としては頭の痛い事象であり、それを誘発する投機家は忌むべき存在なのでしょう。
運だけで勝負しているような、博打的な行動も神経を逆なでするようです。

そんな嫌われ者の投機家の方々ですが、私はそうは思いません。
彼らのアンテナは非常に敏感です。

市場の動きに対して素直であり決して逆らわず、出てくるニュースにも非常に迅速に対応します。
そのアンテナの高さには脱帽します。
いわば究極のイエスマンです。

私も昔オプション売買をしていましたが、あの時は情報に対して貪欲でした。
決算は勿論、どこが何株買ったという確報や板情報などの売り買いの綱引き情報、果ては噂のような情報まで、色々使っていました。

現在ではそのアンテナも随分錆てしまったようです。
どちらが良いのかはよくわかりませんが。

また、彼らがいるおかげで市場は活性化します。
お金は人間の血液のようなものですから、流れなければ意味がありません
私が買いたい時に買え、売りたい時に売れるのは概ね彼らのおかげです。
これはとてもすばらしい事です。

理経済:夏コミに行ってきました② - お宝奪取作戦 マーケティング編

一方投機家は値段の上限下限を付けてくれる投資家はそれなりにありがたいものです。
私の時も、大量の売りや買いを行う人が出たらそれを目安に次の戦略を決めていました。
それが抵抗線になるからです。

要するに、投資家も投機家も持ちつ持たれつと言うわけです。
投機は駄目で投資は良いという学者がよくいますが、話はそんなに短絡的なものではないのです。
そういう学者の人達は、たぶん自分でお金を動かした事が無いのだと思います。

当然、どちらが儲かると言う訳でもないのでしょう。
設けたいと思うなら、いかに市場参加者の特性を理解し、利用出来るかが鍵なのだと思います。

結局頭を使って相手を利用した人間が勝つのだと思います。
二分論で議論するのは簡単ですが、それは単なる思考停止だと思います。

[追記]

日本電産永守重信社長は記者会見で「海外市場への進出を加速するとともに、為替による影響を受けにくい経営体質にするためにも企業の買収を進めたい。円高の進行も悪いことばかりではなく、安く買収できるメリットがある」と述べ、今後も事業の拡大に向けた企業の買収を続ける考えを示しました。
>>日本電産 米企業の事業を買収

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夏コミに行ってきました② - お宝奪取作戦 マーケティング編

シリーズ2回目です。
今回はコミケ戦線で重要な"効率的なお買い物"方法について、私が今回たてた作戦を書きます。
長くなるので、今回は市場を理解する為のマーケティングについてお話します。

理経済:夏コミに行ってきました① - 会場散策記

戦略をお伝えすえる前に、今回の戦果をご報告いたします。
取りあえず最優先のグッズは入手できました。
2、3番目は駄目でしたが4番目以降はすべて入手できました。
こちら↓が最大の戦果、サークルPIN-WHEELさんのグッズです。

Img_0554

点数にすると100点満点中75点と言うところでしょうか。
最も優先順位の高いものが手に入ったので、それだけで60点は付けられます
最優先事項の達成とはそれほど意味があることだと思います。

理経済:最優先事項を決めて欲しい

さて本題の作戦会議に入ります。
会議の前に達成すべき目標を明確にします。
目標は「欲しい物をより安く、より多種にわたって入手する事」です。

まずは欲しい物の洗い出しをします。
次に欲しい物に優先順位を付けました。
最優先の物が買えないとそれだけで落第、即ち"行かない方が良かった"となります

優先順位の決定は意外と難しいく熟考を必要とします。
なぜならば「1番欲しい物=コミケで最優先」ではないからです。

コミケで売られた商品は、その後ネットオークションで利鞘付きで転売される事が知られています。
ですからもし「長時間並んだあげく買えませんでした」となると時間のロスになります。
他も買えなかったあげく高値で競り落すとなるとそれだけ損が出ます。

さらに問題なのはネットで買えない可能性があると言う事です。
大きなサークルだと転売が盛んですが、小規模だとそれがありません。
オタクにとって、金銭より入手できない事の方が辛い場合がしばしばあります

投資でもそうですが、買いたい時に買えないというのは非常に辛い事です。
ですからこういう物は優先順位を上げる必要があります。
これに壁か島かを考慮し優先順位を決定していきます。

今回の最優先物も、"1番欲しい物"ではありませんでしたが、調査(方法は後述)で転売が期待できないと判明したので最優先にしました。

予想通り、優先順位を下げた"1番欲しい物"等は大量に転売され殆ど定価で購入できました
一方T-Rayさん(PIN-WHEELのボス)のグッズは転売が殆どなく、後からの調達が難しくなっています。

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さて転売確率調査方法についてですが、私はヤフオクを利用しました。
人気の有無はネットの検索である程度わかりますが、転売の有無は株と同じで、人気ではなく買い手と売り手のバランスで決まります。
売り手が強いと出し惜しみ(と言うかお蔵入り)が発生し転売確率が大幅に下がります。

株でも何でも、すべては売り手から始まります
売り手が大きいと言う事は大量の発行済株式があると言う事です。
その分株主も増え、投機家も増えるというわけです。
彼らの所為で実需側も影響を受けますが、うまく使えば実需に好影響を及ぼします。
ようは使いようです。

話を戻します。
私はコミケ前にヤフオクでサークル名を検索し、その段階で何件の出品があるかを比較しました。

結果、PIN-WHEELさんは3件程、他のサークルは20件程ありました。
ここからPIN-WHEELさんは売り手が強く、転売が少ないと考えました。
今回は予想が当たったと言うわけです。

兎角マーケティングと言うと自動車の動向とか携帯電話の動向とか、やたらと大きな話に聞こえますが、意外とそうでもありません。
使えるものは何でも使えばいいのです。

続く…
理経済:夏コミに行ってきました③ - お宝奪取作戦 マネジメント編

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世界中の変革

デルが中堅コンピュータメーカーを買収しています。

パソコンメーカ3位の米デルは、コンピューターデータ保管の米3PARを約11億5000万ドル(約985億円)で買収することに合意した。機器やソフトウェア製品を強化し、成長分野である企業向けデータセンター事業の押し上げを目指す。
>>米デル、3PARを985億円で買収へ-ストレージ事業強化

台湾のエイサーに抜かれて以来、ずっと3位に甘んじているデルですが、"終わった存在"ではないようです。

記事にもあるとおり、低価格パソコンの会社ではなく高価格コンピュータの会社を買収したところを見ると、低価格路線の限界が見えてきているのでしょう。
人件費の安い人達と価格で勝負をしても不毛なだけと言う事をよく理解しているようです。

日本の企業もいい加減その事を理解すべきなのですが、中々過去からの"慣習"からは脱却できないみたいです。
日本の社長はリーダーシップに欠けますから、流れを変える事は難しいのでしょうか。

理経済:世界シェアの推移 - 現実の壁
理経済:LGが再び半導体事業へ?

ここ数年の傾向として米国の金融機関が解体されたり、EVをめぐって提携やら買収があったりとじわじわうねりが出ています。
切欠はミタル辺りからですかね。
流れは1,2週間で消えるような軟なものではないようです。

今後も中堅レベルの会社がどんどん集約されそうです。

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日本語普及の重要性

世界全体で日本語を学習している人の数は365万人だそうです。

現在、教育機関数は1万4,939 機関(06 年は1万3,639 機関)、教師数は4万9,844人(4万4,321人)学習者数は365万1,761人(297万9,820人)。06年調査と比較すると、3年間に、機関数は1,300機関(9.5%)、教師数は5,523人(12.5%)、学習者数は67万1,941人(22.5%)増加した。
>>海外での日本語学習者、365万人:インド、1万8千人

世界人口66億人に対して365万人とは、思った以上に少なくて驚きました。
データは学習者の数なので、学習し終わった人を含めるともう少し多くなるでしょう。
しかしそれでも1000万人はいないと思います。
日本語がマイナーな言語だと言う事はわかっていましたが、予想以上にマイナーでした。

言語のシェアは文化の強弱にも繋がりかねないので、非常に重要です。

その言葉を学びその国の文化に触れる事で、その国に好意を寄せるのは珍しい話ではありません。
例えば英語力を向上させるためにアメリカに行くとか、洋楽を聞き出すと言う人はいたるところにいます。

また、経済的にも強い意味を持つようになります。

例えば決算書の言語をどうするかで、他国の人が読めるかどうかが決まります。
もしメジャーな言語で決算書を書いたなら外国からの投資拡大が期待できます
その国に上場する際にも有利に働く事でしょう。

現地国の会計士とも話がスムーズに進むというメリットもあります。
商品も売りやすく、その国での認知度をあげるチャンスにもなります。
今では英語力が出世の条件になる始末。

幸い他国では、サブカルチャーのおかげで日本語がプチブームになっているようです。
もっと日本語を推し進める政策が必要そうです。

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夏コミに行ってきました① - 会場散策記

昨日ココログの調子が悪くて書けませんでした、改めて書いてみます。
今回は今年の夏コミを肴に、あれこれ書きたいと思います。

理経済:コミケに行ってきました

さて、毎年人の多いコミケですが、今年もめちゃくちゃ多かったです。
こちら↓は15日の昼頃の写真です。

Img_0543

これは東123会場の様子です。
これ以外に東456、西ホールがあり、どこも同じくらい混んでいます
また、昼時なので、会場を歩いている人以外にも食事を取っている人や食事を買う為に並んでいる人も多数いました。

ついでに外に並ばされている人もたくさんいました。
いつもの事ですが、すごい人だかりとパワーです。

Img_0542

これだけ人がいると、会場外でも商売が盛んになります。
人が通るところに道ができ、人が集まるところに都市ができるものです。

道は通過されるだけですが、歩調も時間も人によってさまざまです。
渋滞したところや疲れそうな所に行商が来たり宿ができたりします。
今回はいつものアイス棒屋以外にもこんな↓方々が来ていました。

Img_0538

人が来るのであれば、たとえ単なる通過点であっても意味があるんですね。

先日春秋航空が茨城空港に就航したという記事を書きました。
その後の後日談として、あるニュースで茨城の人達のコメントを流していました。
曰く、「折角きた観光客も皆東京に行ってしまう」のだそうで、思ったほど商売にならないとの事です。

しかしコミケ会場付近の様子を見てもわかるように、人がいる限り、通路だろうが都市だろうが商売は可能です。
後はやり方の問題と言うわけです。

例えば試飲+ネット通販とか、無料配布+取り置きサービスとか、低価格で買える飲食物の販売とか。
考えただけでホイホイ出てきます。
水戸にコミケを誘致した時も、周囲にも随分恩恵があったとか

民主党さいたま市議団:水戸市視察報告
理経済:水戸ケットは成功の模様

コミケは既にオーバーキャパシティです。
たった5日で100万人を詰め込むのは行く側も迎える側もキツイです。
今日も責任者が来ないとかでトラブっていました。
季節や日程の調整を行えば、誘致のチャンスは十分あります。

さて、いつもは買うものを買ったらさっさと帰るのですが、今回は時間と気力が残っていたので国際展示場駅から二駅隣の天王洲アイル駅で下車。
ここは国民が債権者である企業の本社があります。
こちら↓が本社ビルの写真です。

Img_0549

会社自体はかなり前から傾いていたのに、こんなものに300億円もかける神経が理解できない…。
何でこんな会社の債権者にならにゃあかんのだorz。

さすがに足も痛くなっていたので、素直に帰りました。
本当は隣の駅にある楽天本社ビルにも行きたかったんですが。
冬コミの時に行ってくるか。

続く…
理経済:夏コミに行ってきました② - お宝奪取作戦 マーケティング編
理経済:夏コミに行ってきました③ - お宝奪取作戦 マネジメント編

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コミケに行ってきました

今日はコミケに行ってきました。
普段は一人なのですが、手数が必要だったので一人お手伝いを連れて行きました。

自分の買ったものを晒してもいいのですが、当ブログはそういうブログではないので、そこについては書きません。
今回は会場近辺で見た面白い光景と、人材の配置について今回研究した事についてです。

まずは見てきた面白い光景についてです。
会場付近は相変わらず人が多く、進むのも一苦労でした。
至る所で行商が商売しています。
中にはこんな人たちも。

…と思ったらココログの調子が悪いので画像が入れられない。
すみません、明日ちゃんと書き直します。

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GMと金融機関

GMの利益が上々のようです。
日本では円高ドル安でテンパッていますが、クロスドルは若干ドル高気味です。
そんな不利な状況で輸出系企業のGMが利益を上げるとは、大したものです。

ゼネラル・モーターズ(GM)が12日に発表する4-6月期決算は、世界全体の販売台数が伸び、乗用車・トラックの米国販売価格が前年に比べ上昇し6年ぶりに大幅な黒字となる見込みだ。
>>GM、4-6月期は6年ぶりの大幅黒字見通し

憑き物が取れた彼らの快進撃は凄まじいです。
再上場は予定通りに行われそうですが、たっぷり引っ張ってから上場しそうです。

理経済:GMの再上場

彼らが破綻した時はこの世の終わりみたいな言われ方をしていましたが、外科手術は成功したようです。

体はなるべく切らないほうが、痛みも少ないし失うものが少ないです。
しかし薬による処置には往々にして限界があります。
時には外科手術も必要なわけです。

GMは悪性腫瘍が固まっていた部分を切り取る事で、大胆な処置ができました。
一方、一時は華々しい業績が報道された米国の金融機関群ですが最近はめっきりです。

政府や中央銀行の政策に頼った手法で利益を上げていたため、金が途切れると途端に冴えなくなりました。
病巣から目を逸らし、薬で延命しているようでは、本格的な復活はまず無理でしょう。

そして問題なのは金融機関ではなく、その先にいる消費者です。
金融機関は国民からの強制カンパで薬を買えるかもしれませんが、カンパさせられた国民は日に日に弱ってしまいます
現実から目を背けているようでは、いつまでたっても良くなりません。

理経済:米国に蔓延する不良債権問題 - 人間の性

そういえば日本でも製造業は比較的早く好転したのに、国民は相変わらずデフレで苦しんでいますね。
アメリカでも似たような事が起こっているようです。

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投資家の心理

su-Zさんの世界四季報で、投資家の心理について言及していました。
非常に的を射ているので、ちょっと転載いたします。

投資家の心理

世界四季報:株価サイクルと投資家心理

人にもよるので一概には言えませんですが、非常によく市場の心理を捉えていると思います。
人間はかなり昔からこれと同じようなサイクルを繰り返しています。
特筆すべきは「5.最高の買いチャンス」と「13.欝的な状態」です。

株価が上昇し右肩上がりの時、人は得てして株価に惑わされてしまい決算書を読みません
目に映る数字はどれも魅力的に映ってしまい、あらゆる状況を肯定的に捉えてしまいます。
決算書を見ているようで、実は"見ているだけ"の状態になっており、株価ばかりを見るようになります。

株価が上がるのも当然と考えてしまい油断してしまいます。
アナリストも揃って買い推奨を行います。
例えば先日書いたアップルなどもこんな感じです。

アップルのアナリスト予想

Yahoo!Finance:Apple Inc. (AAPL)
理経済:アップルを売ろうか悩み中

ピークの時は皆がそこの株を持っており、どれぐらい儲かるかな、と皮算用をしています。
本当はそういう時が最高の売り時なのですが、周りの空気に押され、売りたいとは言えないのです。
株価が高いは七難隠す」と言うわけです。

一方株価が下がりだすと途端にみなが弱気になります。
特に企業ではなく株価を見ていた人々はさっさと去っていきます。

どん底辺りではまともな買い手まで去ってしまい、アナリストも粗探ししかしません
アナリストはその性質上、相場の流れに沿う事しか言えません。
逆張り的な事は上司に説明し難いですからね。

このような心理から株は必要以上に売られてしまいます。
私はこういう時に参入するのですが、大概次の瞬間には下落しています。
かなり欝です。

理経済:長期投資も大変なのです

人間の歴史はそこそこありますが、大体いつもこんな感じです。
中々良くできた図だと思います。

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セイクレストの決算書 - 実践的会計ゲーム 真実はいつも一つか二つ編

セイクレストの決算書から会計学を勉強するシリーズの最終回です。
有価証券報告書から会計"学"的にわかる事は前回述べたところまでで終わりです。
しかし投資家の視点で見ると、どうしても解せない部分が多くありました。
今回はそこについてもっとググッてみようと思います。

理経済:セイクレストの決算書 - 実践的会計ゲーム 回答編
理経済:セイクレストの決算書 - 実践的会計ゲーム 解答編

さて、決算書を再度見直してみます。
彼らは大量の新株等の発行で、資産の帳尻を合わせているわけですが、発行した新株には買う側の存在が必要不可欠です。

決算書の「5. 経営上の重要な契約等」を見ると、ハンバーストーンと言う会社とカナヤマと言う会社が幅を利かせていることがわかります。
ちなみにこのカナヤマはセイクレストの筆頭株主(47.71%)です。

セイクレストの経営

カナヤマも気になりますが、まずは株式会社ハンバーストーンなる会社を調べてみます。
ネットで検索してもホームページ等はありません。
しかし、あまり良くない噂は多いようです。

注目すべきは彼らが度々提出している大量保有報告書です。
住所を見ると「有限会社UAPマネジメント内」となっており、代表者の名前が「平野和俊」となっています。

大量保有報告書

税理士の子会社群が株式の異常売買をしていると言うのは、如何にも怪しいですね。
もしかしてこの会社、節税のための所謂ペーパーカンパニーと言うやつではないでしょうか?

企業は個人と比べて税制にかなり幅があります。
例えば携帯電話の料金は通信費として損金扱いになりますし、家(社屋)を建てれば毎年減価償却費で損金を積めます。

その分税金は少なくなります
利益を要求される上場企業と違い、非上場の企業では利益なんて少ない方がいいのです

今回の場合も、例えば土地と言う減価しにくいものを購入し、それを新株(売買目的有価証券)と交換します。
株価が下がれば評価損として計上し、下がるところまで下がったら満期保有目的に振り返れば損金が出なくなります。

通常は売買目的から満期保有に振り返ることはできませんが、他の人に時価で売りつけ満期保有として定価で買い付ければ振り替え可能です。
"他の人"とは勿論別のペーパーカンパニーです。
最後は会社を解散し、減価していない資産を売却すればお金はごっそり戻ってきます。

他にも小切手を別のペーパーカンパニーに渡し、あれこれ損益を計上します。
その後、小切手を破り捨てれば現金を失わず損金が積めます。
余った分は裏金にするか備品や社屋、高額保険にすれば利益を繰越せます。

このハンバーストーンは調べれば調べるほど不思議な会社です。
世の中不思議な事が多いですね。

ハンバーストーン
考える株式投資:大量保有報告書 データベース

監査法人や税務署から指摘も来そうなものですが、不思議な事にあまり問題にはなっていないようです。
何かの弱みでもあるんですかね。
お金とか天下りとか。

WEB金融新聞:税理士業界の裏話 ~国税局OB税理士の存在
明誠グループ

真実はよくわかりませんが、経済合理性に欠ける決算書がこうやって作られていたとすれば納得できます。
ペーパーカンパニーなんて本の中の話か大企業だけだと思っていましたが、結構いろいろなところにあるんですね。
一般投資家は置いてけぼりですが。

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社内公用語の英語化はあり

短い夏休みから帰ってきたなるです。
今日からブログを再開していきます。

さて、先日から楽天ファストリなど、優秀な指導者を持つ企業が次々に社内公用語の英語化を表明しています。

会社内の公用語を英語にすると宣言して話題を呼んだ、ネット通販大手の楽天は5日、三木谷浩史社長が中間決算を英語で発表し、この中で、日本のサービス業はグローバル化を図らなければ生き残れないとして、英語化を図る重要性を強調しました。
>>楽天 英語化の重要性を強調

望むか否かにかかわらず、グローバル化の波はどんどん押し寄せています。
1億3千万人としか話せない言語だと、この星で不利になるのは当然です。

アニメやら何やらが世界中に普及して、10億人位が日本語を喋れるようになれば、事態は劇的に変わるのでしょうが、現時点では無理です。

昔、世界経営者会議にて日経新聞の解説員がゴーン社長と話していました。
しかし、ゴーン社長は日本語が話せないため終始英語です。
一方解説員の方は日本語しか話せないため終始日本語でした。

通訳が介在するため、お互いの話が度々中断され、見ている方はちょっとテンポに欠ける感じがしました。
時間も効率的な使われ方をしていませんでした。

参加者への配慮なのか、解説員の技術力の所為なのかよくわかりませんが、あんまりグローバルな光景ではありませんでした。
きっちりした文法である必要はありませんが、取りあえず喋れる程度の言語能力はほしいです。

私にはまだできませんが、是非挑戦していきたいです。

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お知らせ

都合により2,3日ブログが更新できなそうです。
来週辺りから再開予定。

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セイクレストの決算書 - 実践的会計ゲーム 解答編

ワケワカメな決算を出しているセイクレストの決算書を肴に、会計のお勉強をするシリーズの解答編です。

理経済:セイクレストの決算書 - 実践的会計ゲーム 回答編

なるべく信憑性を高めるために、今回はEDINETから入手した有価証券報告書を利用します。
ちなみに虚偽記載をした場合、偉い人とコネがないと市場から追い出されます(コネがあればOK)

こちら↓がEDINETに掲載されている報告書です。
コードはE03999です。

EDINET

決算書を見ると、次のようなことが書かれています。
PDFにロックがかかっている為コピペができませんでしたので、画像で勘弁してください。

セイクレストのキャッシュフロー

何でも、どこからともなく現れた不動産で現物出資をし、それによって多額の資金調達を行ったようです。
さらにその金で長期負債を返済したそうな。
一体どこから20億円もの不動産が出てきたんでしょう

さらに下を見ると資金の詳細が書かれています。

セイクレストの資金源

なんと20億円もの新株発行があり、その代償として20億円分の不動産差し入れがあったそうです。
時価総額より大きいじゃん\(;゚∇゚)/
しかもそれが決まったのが決算が締まるギリギリの3月25日だそうです。
他にも多額の新株予約権を発行しています。

これが今回の決算書の解答です。
私の点数は新株と新株予約権に着目したと言う事で、部分点と言うところですかね。
100点満点中50点位ですかね。
精進しないと。

時価総額と同じだけの新株が出せるなんてすごいですね
解答を見てもさっぱり理解できませんでした。
実務を積まないとだめなんですかね。
てんしょ…、なんでもありません。

ところでこの有価証券報告書をよく見ると、他にも興味深い事がわかります
注目すべきは出資者です。

続く…
理経済:セイクレストの決算書 - 実践的会計ゲーム 真実はいつも一つか二つ編

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進むドル安

最近は欧州通貨が下落しており、通貨の話題はそれで持ちきりですが、そんな騒ぎのさなかにどんどんドル安に動いています。

こちら↓は各国通貨とドルの長期チャートです。
上に行くほどその通貨に対してドル安、下に行くほどドル高です。
チャートが0%の時、ドル安にもドル高にもなっていないと言う事になります。

ドル相場

Yahoo!Finance:CAD/USD (CADUSD=X)

長い目で見ると円高ドル安傾向なんですね。
管理通貨であるシンガポールドル(SGD)に対してでさえドル安傾向です。
円安だから株価が上がるかどうかは一概には言えません。

あくまで名目なので、これだけで判断はできませんが、昔当ブログでも円安と株価に相関がないことを計算しましたね。
あの記事はどこに行ったんでしょう?

アメリカはドルを刷りまくっているおかげで、日に日に通過が減価しています。
リーマンショックギリシャ問題で覆い隠されていますが、アメリカは相変わらず赤字を垂れ流しています。
双子の赤字は今も健在なのです。

理経済:AIGは潰した方がいい - 双子の赤字問題
経済データ・ポータルサイト:アメリカ・貿易収支5 -2010年5月-
ロイター通信:米政府が2010年度の赤字幅予想を引き下げ

木を見て森を見ずといいますか、"もっと大きな問題"をよくよく考えた方がよさそうです。
ドル安はこれらの一つのシグナルなのでしょう。

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最近の映画が面白くない…

毎週のように新作が発表されている映画業界ですが、今週の興行収入がランキングが発表されました。
1位はディカプリオが出ているインセプションだそうです。

週末の北米映画興行収入ランキングで、SF映画「インセプション」が3週連続でトップに立ち、コメディ映画「ディナー・フォー・シュマックス(原題)」がそれに続いた。
>>北米映画興行収入、「インセプション」が3週連続でトップ

近頃つくづく思うのですが、どうも最近の映画は面白くない
私はそれほど多くの作品を見たわけではありませんが、はずれが多すぎる気がします。

そこそこ面白いなと思うものはあるのですが、バック・トゥ・ザ・フューチャージュラシック・パーク等のような、わくわくするような、続きが気になるような作品がどうも少なくなっている気がします。
あくまで個人的な感覚なのですが。

特に興行収入が高いものははずれが多い気がします。
有名な監督と有名な俳優が組んでいる為話題性はあるものの、実際に見てみるとイマイチ。
期待が高すぎるのでしょうか。
アリス・イン・ワンダーランドも見ましたが、どの辺が面白いのかよくわかりませんでした。

理経済:3D映画を見てきた

画像は綺麗なのですが中身がさっぱりです。
まるでPS3みたい。

また、アイアンマントランスフォーマー等、そこそこ面白いと思う映画もあるのですが、前置きが長すぎてちょっと雑な気がします。
特に"ラスボス"との悶着が適当で、ラスボスのクセに初登場から長くとも20分程でやられてしまいます
手を抜いているのではと考えてしまいます。

私の感覚がズレているんですかね。

こちら↓は最近の映画で面白いと思ったものです。
日本のカプコンから来ている映画なので、是非がんばってほしいです。

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9月には4がやるそうです。

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セイクレストの決算書 - 実践的会計ゲーム 回答編

先日調べたセイクレストの決算がどうしても気になってしまったので、色々考えてみました。
一体どうやったらあんな決算書が書けるのか、と言う事です。

セイクレストの決算書

理経済:Yahoo!…、恐ろしい子。

幸い上場企業の為資料はそこそこあります。
一応有価証券報告書も提出されている為、答え合わせも可能です。
ちょうどよい知的クイズになりました。
とても実践的なゲームでもあります。

さて、そもそも私がなぜ疑問を持ったかと言うとここ数年純利益がマイナス(赤字)だったのに、なぜ負債が減り純資産が大幅に増加していたのかと言う事です。
最近黒字が出ているのならまだわかるのですが、赤字企業なら普通は負債がもっと増加しているはずです。

これを財務で実現する為には、資本を増強して一部を負債の返済に充てるか、負債を何らかの方法で減らし、純資産が増加したように見せるかのどちらかでしょう。

資本増強の場合、普通に考えれば新株を発行する事でしょうが、負債は5億円減り総資産は20億円も増えています
果たして時価総額20億円弱の会社にそこまでの体力があるのでしょうか。
ちょっと難しいと思います。

では負債を減らして目方を変えたのでしょうか?
そんな都合がいいものと言うと転換社債位でしょうか。
転換社債の社債部分は低金利ながら有利子負債ですし、新株予約権は株主外資本ではありますが一応資本です。
仕訳としてはこんな感じ。

(一括法)

借方

金額

貸方

金額

当座預金 20,000,000 新株予約権付社債 20,000,000

(区分法)

借方

金額

貸方

金額

当座預金
社債発行差金
20,000,000
1,000,000
社債
新株予約権
20,000,000
1,000,000

会計学の部屋:第2章 社債の会計処理

しかしこれでは総資産が増えた事は説明できません
他から調達した可能性もありますが、額が額なのでちょっと苦しい気もします。

さらにこの理論では、転換社債を受け取った相手が、転換権を行使せねばなりません。
株価が下落気味のこの会社の株を、借金をチャラにしてまで取得したいと思うものでしょうか?
相手がペーパーカンパニーなら兎も角、まともな取引相手なら行わない様と思います。

結局私の頭ではこの位しか思いつきませんでした。
私の回答としては、「上記の二つを併用し他のではないか」です。
ただ、変動額が大きいので間違っていそうです。

では解答を見てみましょう。
解答は有価証券報告書に書かれていました。

続く…
理経済:セイクレストの決算書 - 実践的会計ゲーム 解答編
理経済:セイクレストの決算書 - 実践的会計ゲーム 真実はいつも一つか二つ編

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株主が信じないで誰が信じるのか

BPの株主であるビッグス氏が、BP株について語っています。
彼はもともとBP株を大量に持っていたそうですが、先日の下落に伴い半数を売却したそうです。

米ヘッジファンド、トラクシス・パートナーズの共同創業者である著名投資家のバートン・ビッグス氏は、英石油会社BP株は依然として「投機的過ぎる」ため買うことはできないと述べた。
>>著名投資家ビッグス氏:英BP株はまだ「投機的過ぎて」買えない

確かに株価が反転し出した辺りから投機的な挙動が目立つようになりました。
私が買ったときは悲観一色で、必要以上に売りまくろうとする連中が多かったようですが、今は逆に買い戻しに入っているようです。

アナリストの皆々様も挙って買い推奨をしています。
彼らは日和見的で、買うべき時には売りと言い、売るべき時には買いと言います
よくそれで給料がもらえるなと感心してしまいます。
なので彼らの買い推奨は少し不安です。

幸い今回に今回に限ってはそうでも無い様なので、彼らの意見はマイナスにもプラスにも加味しないでよさそうです。

Newsweek:暴落BP株は今が買い時か

何か事故や事件があると株が上下する事はよくあることです。
そういう時に株主にとってほしい行動は、その会社を信じてあげる事です。
特に事故などの時は過度に反応すべきではないと思います。
あくまで個人的な意見ですが。

確かに投機的な挙動を取っていますが、彼らはまだまだ慕われていますし、自己の利益だけでなく会社の事を真剣に思ってくれる人も多くいます。

WSJ.com:【インタビュー】BPが好きだから辞任する=ヘイワードCEO

彼らの事をもう少し信じてあげてもいいのではないでしょうか。

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