Quickenと税理士
ぜんぜん知りませんでしたが、米国では税理士や国税庁の仕事がガンガン食われているそうです。
税理士や国税庁、果ては会計士もなんらかの変革が必要と言う事でしょうか。
米国で"猛威"をふるっているのはQuickenという会計ソフトだそうです。
日本で言えば弥生会計のようなものですが、普及率に随分差があるようです。
米国の場合、個人の確定申告が義務だそうです。
そのためそういう系の資格やソフトは重宝されるとの事。
また義務付けた結果、脱税の類も多く国税庁と熾烈なバトルを繰り返しており、不正をなくすためにも規格化されたソフトや資格者が必要なそうです。
申告書作成にかかる時間は、すべての納税者の平均で26.4時間となっています。米国では、節税を追求するCPAなどの税の専門家と、いかに脱税を防止するかを考えるIRSとのいたちごっこが、今日まで繰り返され、米国税法は年々複雑なものになってしまっています。そのため、確定申告のソフトウェアや申告代行のビジネスが成り立つのが米国の現状です。
>>米国の確定申告について
全員義務化とはすごいですね。
日本の場合サラリーマンは源泉徴収ですし、そもそも税制が複雑すぎて確定申告を書くほうも見る方も煩雑になりがちです。
会計ソフト云々の前に、まず税区分を理解する必要があります。
私が去年確定申告を出したとき、特に何も言われずに還付金が出ました。
あくまで税理士資格もない個人が作った申告ですから、多分科目の間違いもあったと思います。
しかし特に電話はありませんでした。
また資格取得費が15万円にもなったのですが、この点についての質問とかも来ませんでした。
私はIT系なのでSUNやoracleなど、ベンダ資格を受けていましたからこの額になったのですが、これって普通の事なんですかね。
日本の税理士は顧客の放任主義のおかげで、国税庁はサラリーマンの放任主義のおかげで取る物が取れ、仕事ももらえます。
確定申告が異様に難しいのだって、多分やる人が少ないから不満の声が上がらないのだと思います。
また、以前会計士に頼もうとしたら5万とか言われました。
競争原理が働いていないんですね。
会計ソフトについても、e-Taxのおかげで作成もチェックも迅速になりましたが、毎年更新されるため使い方を理解するのが大変です。
弥生会計もあくまで事業者用なので、個人では使えないようです。
相変わらず個人には不親切です。
とは言え、IT化の波は日に日に押し寄せています。
オンラインの見積もりだけにとどまらず、例えばテレビ電話等を利用して相談に乗るとか、必要な情報をメールで送ってもらい書類を作るとかやり方は色々あります。
物価が比較的安い地方に住めば報酬も下げられますし、助手を海外で雇えばコストを下げられます。
こういった新たなタイプの税理士が台頭すれば、既存の税理士の方々はピンチです。
新しい会計ソフトが出るかもしれません。
今まで未着手のパイだっただけに、頭の良い人がぞろぞろ来そうです。
人口減少中の日本において、金融業は殆ど手付かずの大フロンティアですから。
会計士も新しい資格「財務会計士」が登場する事になりました。
目論見通りなら、企業にとって普通の公認会計士より重宝しそうです。
IFRSフォーラム:最短で2014年試験から、「財務会計士」は競争力を持つか
時代の流れはいたるところに流れているんですね。
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コメント
もともとは日本も米国と同じように確定申告が基本であったはず。日本が戦時体制に入って源泉徴収制度が導入された。だから、税制は今も戦時体制を引きずっているということ。確か中公新書で「源泉徴収制度」というような本が出ていた。
投稿: anaguma2010 | 2010年8月30日 (月) 23時24分
コメントありがとうございます。
私も似たような話は聞いた事があります。
前例主義的な国ですから、源泉徴収もある時から引きずっているのでしょう。
問題なのは源泉徴収の有無ではなく、
極端に難しい税区分だと思います。
まるで個人の確定申告を拒むが如き難易度です。
源泉徴収制度がこれを助長しているのかも知れませんが、
本来は制度の有無に関係ないことです。
もっと簡素化されてくれればいいのですが。
まあ、税務署や天下った税理士の仕事が減るからやらないかな。
投稿: なる | 2010年8月31日 (火) 00時59分