セイクレストの決算書 - 実践的会計ゲーム 回答編
先日調べたセイクレストの決算がどうしても気になってしまったので、色々考えてみました。
一体どうやったらあんな決算書が書けるのか、と言う事です。
幸い上場企業の為資料はそこそこあります。
一応有価証券報告書も提出されている為、答え合わせも可能です。
ちょうどよい知的クイズになりました。
とても実践的なゲームでもあります。
さて、そもそも私がなぜ疑問を持ったかと言うとここ数年純利益がマイナス(赤字)だったのに、なぜ負債が減り純資産が大幅に増加していたのかと言う事です。
最近黒字が出ているのならまだわかるのですが、赤字企業なら普通は負債がもっと増加しているはずです。
これを財務で実現する為には、資本を増強して一部を負債の返済に充てるか、負債を何らかの方法で減らし、純資産が増加したように見せるかのどちらかでしょう。
資本増強の場合、普通に考えれば新株を発行する事でしょうが、負債は5億円減り総資産は20億円も増えています。
果たして時価総額20億円弱の会社にそこまでの体力があるのでしょうか。
ちょっと難しいと思います。
では負債を減らして目方を変えたのでしょうか?
そんな都合がいいものと言うと転換社債位でしょうか。
転換社債の社債部分は低金利ながら有利子負債ですし、新株予約権は株主外資本ではありますが一応資本です。
仕訳としてはこんな感じ。
(一括法)
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
当座預金 | 新株予約権付社債 |
(区分法)
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
当座預金 社債発行差金 |
1,000,000 |
社債 新株予約権 |
1,000,000 |
しかしこれでは総資産が増えた事は説明できません。
他から調達した可能性もありますが、額が額なのでちょっと苦しい気もします。
さらにこの理論では、転換社債を受け取った相手が、転換権を行使せねばなりません。
株価が下落気味のこの会社の株を、借金をチャラにしてまで取得したいと思うものでしょうか?
相手がペーパーカンパニーなら兎も角、まともな取引相手なら行わない様と思います。
結局私の頭ではこの位しか思いつきませんでした。
私の回答としては、「上記の二つを併用し他のではないか」です。
ただ、変動額が大きいので間違っていそうです。
では解答を見てみましょう。
解答は有価証券報告書に書かれていました。
続く…
理経済:セイクレストの決算書 - 実践的会計ゲーム 解答編
理経済:セイクレストの決算書 - 実践的会計ゲーム 真実はいつも一つか二つ編
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